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狐猫と旅する  作者: 風緑
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第048話 三度目の試練、自称:神様(仮)の話?


「ミィィィ」(ただいま)

 ちゃんと入り口から戻ってきた私をセアラとリーレンさんが迎える。


「お帰りなさい、怪我は無いですかハクア?」

「賊はどうなった?」

 頷いてから首を振る。

「ミィミミミミィミ、ミィミィミミ」(ごめんなさい、逃げられたわ)

 答えると「そうか…」と言うリーレンさんの残念そうな声と労うように撫でてくれるセアラの手が嬉しい。


「兎も角、部屋がこうなっては寝て居られん。変えて貰えるように頼んでくるからその間、聖女様を頼む」

 そして部屋を出ていくリーレンさん、残される私とセアラ、そこで私は早速、セアラに言った。


「ミィ、ミィィ、ミミミミィミィミィィミミィミミミィミミ」(ねえ、セアラ、私は今の内に【試練】を受けて来るわ)

「ええっ?!」

 セアラが驚いた。


「そんなに苦戦したのですか?」

「ミィミミィミミミィィ、ミィミミミィミミミ。ミィ、ミィミミィミミミィィミミィミミィミ」(苦戦はしてないわ、逃げられただけだし。でも、確実に此処で後顧の憂いを断ちたいの)

 答えるとセアラは少し悩んだ後に言った。


「必ず、無事に帰って来て下さい」

「ミィミミィ。ミィミミミィミミミィミ」(当然よ。私は最強を目指すんだから)

 そして私はセアラに見守られながらウィンドウを操作する。


『LVが一定値に達しました。位階を上げる試練に望めます。試練を望みますか? ・はい ・いいえ』


 以前に出たのと同じ表記が出る。


 また迷わず・はいを選択。


 三度目、私は光に包まれた。


 辿り着いたのは最初と同じタイル張りの平原。

 彼方がやはり見えない、何処までも続いている。


『三度試練に挑む者よ。良くぞ来た』


 またもや声が聞こえた。

 しかし、以前同様に相変わらず声はすれど姿は見えず。


 私はそんな声に対して土下座ならぬ狐猫座する。


『この間にLVを上げ良くぞ。三度目の試練に挑む決断をした。汝の決意に改めて敬意を表する――が、何をしておるんじゃ?お主は?』


 呆れた様な声が響く。

 いえ、あの私は何にもしてないのにドンドン勝手に【SP】が増えていくんです。

 私はチート、ズルしてないです。


 だから罰はご勘弁を、増え続ける【SP】は3000を超えた。

 怖くてしょうがない。


 自称:神様(仮)は言う。


『アレは汝が遠い世界を間接的に平和へ導いた報酬だ。その功績と感謝が【SP】になっている。使って問題ない』


 え?私ってそんな事をしたっけ?全然、覚えがない。

 兎も角、使って大丈夫とお墨付きが出た。

 アレを取ろう、コレを強化しようと考える。

 いや、でも経験値が入ってる先にアレを取ってからLVが上がれば一気にUPだ。


 そんな事を夢見ていると自称:神様(仮)から声が響く。


『そして第三の試練だが――』

 そうだった試練だった。

 何が来る?と身構える。


『汝には敵わぬ巨大な敵と一定時間、戦ってもらう。これは汝が最も強大と恐れる相手に勇気を示す戦いだ。見事に耐えきって見せるが良い――と、言いたいが』

 おや、何だか雰囲気が変わった何だろう?と思う。


『汝は既に偉業を成した。敵わぬ敵に打ち勝って見せた。よって今回の試練は既に突破したと見做す』

 やった!多分、水晶大亀アルケイロンの事だと予想する。

 あんなのとまた戦わされたら溜まった物じゃなかった。


『時間はある。終わる迄は汝の疑問に応えよう』


 わーい、さて、何を聞こうかな?


 先ずは前の続きから私が一番傷付いて生まれ出るのが遅かった魂って?どういう事?


『人は老いて往く。肉体も精神も、そして魂もだ。時間が経てば、酷いショックを受ければ魂も衝撃を負い疵付く』


 老いて往くて私は女子高生で記憶が途切れてるんですけど、若い身空よ?


『それだけショックな眼に在ったのだろう』


 そうかなー、覚えがない。

 確か……私は……本屋で……学校の帰り道……そして………。


『思い出してはならん!』

 強い自称:神様(仮)の声が響いて私の回想が途切れる。

 アレ?私は何を思い出そうとした???


『この世界は魂の力が強く出る。【加護ステータス】はその証だ。故に魂が傷を負えば肉体、精神にも強い影響が出る』

 何それコワ、魂に何かあったら死んじゃうって事?

 コワイ。

 なんでそんな世界を作ったのさ。


『魂の真の輝きを見る為だ』

 魂の輝き?


『恒河沙、阿僧祇、那由他、不可思議、無量大数とある魂だが真に、神に至る魂はもう随分と生まれて居らぬ我等は名と力を失い減るばかり、新しき神を求めたのだ』

 神様の少子化か、そりゃ確かに問題が起こりそう。

 それで神様が生まれやすい世界を作ったと、何となく理解したわ。

 でもバランス悪くない?


 明らかにあの世界は魔物が強すぎるでしょ。


『自然の摂理、弱肉強食である』

 それを言われると今や野生の獣な私に返す言葉もない。

 つまりは人類ヒューマンが他種族を迫害したり、同士討ちせずに協力して魔物を駆除してればあそこ迄はならなかったと?


『その通りだ。人とは愚かで悲しい、それでも愛しく、美しいがな』

 それは――その通りか、私も護りたい人と殺したい相手っているしね。

 そう言えば話は戻るけど私が一番、遅かったって事は早かった人とどれくらい差があるの?


『最も早かった者で50年前、遅かった者でも7年前だ』

 ジーザス!其処迄の差があるのか、私の魂って本当にボロボロだったんだな。

 じゃあ、私が唯一、知ってるハミルトンは中間辺りか…。


『あの者か…』

 んん?自称:神様(仮)のご機嫌が急降下?

 何?何をやらかしてるの?ハミルトンって?


『あの者はお主と同じで本来は招かれざる者だ』

 私と一緒?オマケで着いて来たのかな?


『いや、魂が余りにも暗すぎて他の輝く魂に紛れて気付かなかった』

 どんだけ黒かったんだ、ハミルトンの魂って?


『あの者は自身の【位階】を上げやすくする為に転生者を壊している』

 殺すじゃなくて壊す?


『大切な全てを奪った上で全てを吐き出させて殺すのだ。壊すとしか言えぬ。既に3人が犠牲になり1人も危うい、お主も気を付けよ』

 予想以上にヤベー奴だわ、ハミルトン。

 目を付けられたのヤバ過ぎる。

 そんな奴の【位階】なんて上げなきゃ良いでしょうにと思う。


『神は自らに課した法を破れぬ』

 ああ、うん、自称:神様(仮)も大変なのね。


『そしてあの者の最終目的の一つは我等――神の抹消だ』

 なんだそりゃ?!自分の殺人に手を貸してる様なもんじゃないか、さっさと天罰とか降せよと考える。


『残念だが我等は彼の地で妄りに力を揮えぬ』

 ホントに神様って大変ね。

 ブラックだわ。


『ではそろそろ時間だ。『ファーレンハイトの愛し子』よ』

 うん、今回はまぁ色々と聞けて満足だわ。

 感謝します。


『因みに次の試練、多数の敵から人々を護る、優しさを示す試練も突破の条件を満たしている。【LV】が上がれば直ぐに選択すると良い』

 それも水晶大亀アルケイロンとの戦いの副産物か、ありがたい。

 次は直ぐに選択しよう。

 うん?つまり今回、めっちゃ【試練】のボタンが光ってたのはこの為だったのかと思うと早く選択してればと感じる。


『それではな。武運を祈る』

 ありがとう、またね、神様。


 そして変わらずに姿を見せぬまま、声の主は消えた。


 さて、次はお待ちかねのアレだーと思う。


 ピコーンと音が鳴りだすとサッと見る。

 ウィンドウが開く。


『試練の突破おめでとうございます。報酬が授与されます。【位階】が参になります。【気力】【理力】【霊力】【魔力】【SP】にボーナスが入ります。また以下の中から六つの【技能】をお選びください。【技能】が付与されます。また特別報酬として選択した【技能】を一つ最大値迄強化致します。ご選択下さい』


 また大盤振る舞いキターと思いながら並ぶ技能を見る。


 【毒物耐性】【麻痺耐性】【石化耐性】【睡眠耐性】【呪耐性】【炎耐性】【水耐性】【風耐性】【土耐性】【魔導耐性】【毒牙攻撃】【麻痺爪攻撃】【呪視攻撃】【負傷回復速度上昇】【魔導力回復速度上昇】【体力回復速度上昇】【気力上昇】【理力上昇】【霊力上昇】【魔力上昇】【火息吹】【氷息吹】【雷息吹】【気闘法】【理壁法】【霊吸法】【魔発法】【収納】【気力大操作】【理力大操作】【霊力大操作】【魔力大操作】【火魔導】【水魔導】【風魔導】【土魔導】【治療】【加護】【幸運】【障壁】【付与】【念話】【限界突破】【魔力解放】【気力大感知】【理力大感知】【霊力大感知】【魔力大感知】【確率補正】【念動】【無音】【遊泳】【魔眼】【看破】【強欲】【回帰】


 色々とあるな、増えてる、増えてる。

 【耐性】は変わらず、あ、攻撃に【呪視攻撃】って増えてる。

 【魔眼】とどっちが便利だろう、余裕が有ったら両方を取ろう。

 【回復速度上昇】は今の所は要らない。


 【上昇】系はステータスは結構高いから良いかな。

 【息吹】は変わらず、【なんとか法】って増えてる、よく分からないからパス。

 【操作】が【大操作】になってる、【LV】上げて行けば成る筈だから必要なし。

 【魔導】を1個は欲しい、考えよう。

 【聖女】の技能が追加されてる?【絆】の効果かな?

 でもセアラが一緒だから要らない。


 あ、【看破】って増えてる。

 使えるかも知れない。

 でも今回の事件の為だけに予想して取るのもなぁ。


 良し、決めた。


【魔導耐性】

【呪視攻撃】

【水魔導】

【土魔導】

【強欲】

【回帰】


 取り合えず、これだ。

 念願の【魔導】はワクワクだ。

 【強欲】と【回帰】にも期待。


 【呪視攻撃】は【魔眼】と迷ったけどこっちを確保。

 【魔導耐性】は最大値強化を予定だ。

 【物理攻撃完全無効】に並ぶのを期待。


 さあ、獲得だ。


『確認しました。では【魔導耐性LV1】【呪視攻撃LV1】【水魔導LV1】【土魔導LV1】【強欲】【回帰】をお授けします。次に所持【技能】から最大値迄強化する【技能】をご選択下さい』


 此処は勿論、【魔導耐性LV1】を希望だ。


『確認しました。【魔導耐性LV1】を【魔導耐性LV10】にUPします。【魔導攻撃耐性LV1】に進化しました。【魔導攻撃耐性LV1】を【魔導攻撃耐性LV10】にUPします。【魔導攻撃無効LV1】に進化しました。【魔導攻撃無効LV1】を【魔導攻撃無効LV10】にUPします。【魔導攻撃完全無効】に進化しました。最大強化を終了します。ご利用ありがとうございました』


 終わったーーーっ!

 感動する。


 何事もなく、全てが無事に終わった。

 試練、コレからもこうだと良いなぁと思う。


 しかし、いや、まだだ、コレからだと、考えを改める。

 暗殺者を返り討ちにする迄はセアラの安全は確保されない。


 私は【SP】をどう使おうと考えながら光に包まれて元の世界に戻って行った。


 ララトイヤの部屋に戻って来る。


「ハクアッ!怪我はないですか?」

「ミィァゥ!」(完璧!)

 と、胸を張る。


「ホンの一瞬でしたが、怖くて心配しました」

 一瞬?かなり長い時間を話した覚えがあるが此方では一瞬のようだ。


 リーレンさんは、まだ戻ってこない。

 ならば今の内だとステータス・ウィンドウを開く。



【名前】ハクア


【種族】綿猫ファトラ


【位階】参


【LV】30 → 30


【気力】595 → 995


【理力】592 → 992


【霊力】672 → 1072


【魔力】676 → 1076


【SP】3254 → 3500


【技能】【金綱牙攻撃LV4】【猛烈爪攻撃LV4】【超尻尾攻撃LV4】【呪怨視攻撃LV1】【隠形LV10】【超記憶LV4】【探知LV10】【鑑定LV7】【検索LV7】【気力操作LV3】【理力操作LV3】【霊力操作LV3】【魔力操作LV3】【気力探知LV3】【理力探知LV3】【霊力探知LV3】【魔力探知LV3】【夜目LV9】【疾風】【剛力LV7】【鋼体LV7】【物理攻撃完全無効】【魔導攻撃完全無効】【亜空間機動】【予測LV9】【千里眼LV3】【並列思考LV6】【思考跳躍】【五感大強化LV3】【翻訳LV10】【水魔導LV1】【土魔導LV1】【空間魔導LV3】【強欲】【忍耐】【回帰】【絆】


 爆上がりだ。

 【技能】も早速、少し強化した。

 ステータスも遂に1000突破、大台だ。

 此処まで来たと思う。

 きっと並の魔物には負けない。


 物理も魔導もへっちゃらだ。

 パーフェクトな防御だ。

 でも此処でふと思い出す。


 リーレンさんの言葉、『残念ながら魔物は一部を除いて魔導を使えません――』アレ?魔物の撃つ炎弾とか炎や風、雷を纏った攻撃にには無意味?

 【魔導攻撃完全無効】は対人専用?

 い、いや、もちつけ、もちつくんだ自分、きっと効果はある筈だと信じる事にする。


 ある、きっとある、多分……ある、あったら良いなぁと思う。

 弱気になった歯を噛み締める、でもしょうがないと諦める。


 なる様に慣れだと決める。


 リーレンさんが戻って来て部屋を移動する。


 再びゆっくり休む、そして夜が明けた。

 今日こそ決着だと思う。


 私は歩き出した。

狐猫の小話

狐猫の前世は普通の一般家庭でしたが、狐猫が巻き込まれた事件で大きく傷つきました。

詳細はいつか必ず。

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― 新着の感想 ―
[一言] 神は存外気さくだった。 存在が神に近づいてるから目をかけられてるのかもしれませんね。 水と土。便利…じゃなくてセアラの持ってないやつですね。
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