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吐露(とろ)

登場人物

杠葉夏樹(ゆずりはなつき)


橘蒼(たちばなあおい)

夏樹の幼馴染で親友


大河内諒太(おおこうちりょうた)

夏樹と蒼の幼馴染


小暮舞(こぐれまい)

夏樹と諒太のクラスメイト




本当は言うつもりは無かったのだけど、、、

一緒に居て凄く楽しくて、今日みたいな時間がこれからも続くと良いなって思って………

そう、うつ向いて話す小暮さんは長く息を吐くと俺の目を見て話を続けた。


私ね、中学の時からずっと杠葉くんの事が好きだったの。


青天の霹靂と言うのか俺は驚きすぎて言葉が出てこなかった。

そんな俺の姿を見て、困らせるつもりは無くて自分の気持を伝えたかっただけと言う。

そして入学式の日に勇気を出して学校に一緒に行こうと思い駅で待っていたそうだ。

その時、理由は分からないけど蒼に注意されてと話してくれた。


やっぱり、あの時の女の子だったんだ似てるとは思っていたけど本人だったら納得だと思っていると。


気持を伝えたいだけって言ったけど、本当は杠葉くんに彼氏になって欲しいし私の事をもっと知ってほしいし、返事も欲しい………です。

と消え入りそうな声で伝えてくれた。


俺は今すぐには答えが出せないけれど、ちゃんと考えてから小暮さんに返事をするから少し待ってほしいと伝えた。

駅えと向かう道中は、なんとも言えない気まずい空気が流れて居たが小暮さんの、また明日ねとの言葉に少しだけ空気が柔らんだ気がした。


正直、小暮さんと別れてからの記憶が曖昧だ

たった数時間の間に色々な事があり過ぎて情報処理ができてない感じかした。


正直、小柄で黒髪のボブで純粋そうな所は俺の好みのタイプなんだよな話すと楽しいし。


この時、生まれてはじめて告白されて浮かれていた俺は頭の中が小暮さんで埋めつくされていた。 



蒼から着信やメッセが来ていた事に、この時の俺は気付かず蒼がどんな気持で返事を待っていたかなんて分かっていなかった。



スマホのアラームで目を覚ますと通知ランプで蒼からの着信とメッセがあった事にこの時、初めて気付いたのだった。


「なっちゃん今日はごめんね明日は一緒に帰ろう」


「何回か電話してごめんね、何かあった?」


「もう寝ちゃったかな?困ったことあったら言ってね明日は一緒に行こうね、おやすみ」


全然気付かなかった蒼に悪いことをしてしまったかもしれないと思い俺は蒼にメッセを送った。


返事できなくてごめん今日もいつもの時間に駅で待ち合わせなと連絡をした。

いつもの俺なら、悩んだり迷ったりした時に蒼からアドバイスを貰うことが多かったが今回の事は自分で結論を出したいと考えていた。


内緒にする訳ではないけど、なんとなく蒼に言いづらい………自分の中で結論が出てから報告する事にした。


この曖昧な判断が間違っていたとこの時の俺は考えてもいなかったのだった。


夏樹!早くご飯食べないと遅刻するよ!


母さんの声で一気に現実に戻された俺は急いで支度をすると駅へと向かった。

既に着いていた蒼に遅くなってゴメンと伝えると

僕が少し早めに着いただけだから気にしないでと答えてくれた、そんないつもの蒼と変わらない姿に安心していると


なっちゃん昨日、何かあった?と心配そうに聞かれた

俺は告白の事は、今はまだ言わなくても良いかと安易に考えて

特に変わった事はないけど小暮さんと、こないだオープンしたお店でパフェ食べて帰宅したら疲れて爆睡しちゃってたよと言うと


蒼いが小さく、えっ?と呟いたと同時に蒼の目の奥が笑ってないように見えて、この間の時のように背中に冷たいものが走った気がした。


何か、気に触る事を言ってしまったかと思ったけれど

蒼の口から発せられた言葉は、僕もパフェ食べたかった、なっちゃん今度一緒に行こうよ、いいなぁ〜パフェ羨ましいなと頬を膨らませていた。


そうだ、蒼は甘党だからパフェの話をしたら羨ましがるにきまってる蒼に行く日にちを決めてパフェ食べようと提案をしてみると凄く喜んでもらえた。

結局、その後もパフェや甘味の話をしていたらあっという間に学校に到着した。


今日は委員会とか無いから一緒に帰ろうね教室で待ってとだけ言うと早歩きで行ってしまった。


俺はクラスへと向かう蒼の後ろ姿を見送りながら自業自得とはいえ、秘密を作ってしまい若干、罪悪感を感じながら教室へと向かった。


夏樹いつもと感じが違うけど何かあったか?

諒太が心配そうな顔で俺の返事をまっているようだった


俺はいつも通りだよと言いたいけど少し寝不足と伝えると、今日は早く寝ろよと言われてしまった。


なんだか今日は時間の流れがいつもと違う感じがして気付いた時には、下校時間になり蒼が迎えに来た所だった。

諒太には1日中、心ここにあらずだったと言われ

蒼は、ひたすら心配してくれて自分では気付いていなかったけれど、急激な環境の変化について行けてなかったのかもしれない。

俺は部活で一緒には帰れないから困ってる事があるなら蒼に聞いて貰えよと言うと諒太は部活へと向かって行ってしまった。


帰る途中、蒼はずっと俺の事を心配している素振りを見せてくれたけれど、告白されて浮かれてたと知られるのは恥ずかしい、上手くはぐらかそうと蒼の顔をみて俺は驚いた。

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