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1-7 ステータス確認

「そんじゃあまあ、とりあえずはステータスを確認しとこうか。」


タルガットが言う。

ステータスの確認は、ギルド内のオーブを使用することで行う。オーブに手をかざし、魔力を送り込めばギルドから発行されるギルド証に記録される仕組みだ。冒険者には、定期的な更新を求められている。


「そういえば私、最近やってなかったな・・・。」


とアルマ。すかさずマルテが口を挟む。


『おめえのカスステータスなんぞ、調べるだけ時間の無駄だ。やめとけやめとけ。ついでに冒険者も辞めちまえばいいんだ。』

「マルテちゃんひどい!ごはん抜きにするよ!」

『元から食えねえよ!』

「え!ダイエット中?」

「うるせえぞ、お前ら。」


その様子を見たシャムスとランダは首をかしげる。二人には、マルテの声が聞こえないのだ。どういう理屈かはわからないが、マルテは自分の声を伝える相手を選べるらしく、近くにいても、聞こえない者には聞こえない。


「ああ。まあなんだ。後で教えてやるよ。」


タルガットは不思議そうにしている二人の獣人に言う。二人もよくわからないが了承したようだ。


「シャムスさんとランダさんはギルド証を発行した際に更新していますから必要ありませんよ。お二人とも見せてあげてください。」


ジョーガサキの言葉に、二人は頷き、まずシャムスがギルド証をオーブにかざす。するとオーブには、シャムスのステータスのうち、冒険者に必要とされる要素が抜き出されて投影される。


【名 前】 シャムス(狐人族)

【年 齢】 15

【階 級】 銅級

【レベル】 8

【体 力】 186

【魔 力】 88

【スキル】 剣術Lv.5、斧術Lv.4、槍術Lv.3、投擲Lv.5、格闘Lv.4、魔法Lv.3(身体強化)

【固 有】

【称 号】

【加 護】 ウトゥの加護


「おお、なんかすごい!」アルマがそれを見て声を上げる。

「彼女は幼い頃、戦士となるための訓練を受けた経験があります。今はまだレベルが低いですが型は覚えているそうですし、すぐに上達するでしょう。ウトゥというのは、彼女の氏族が祀る神だそうです。」

「なるほどー!てか、私が冒険者になった時よりレベル高い・・・。」

「次はランダさん。どうぞ。」


【名 前】 ランダ(狐人族)

【年 齢】 15

【階 級】 銅級

【レベル】 8

【体 力】 112

【魔 力】 173

【スキル】 杖術Lv.4、弓術Lv.4、精霊魔法Lv.7

【固 有】 精霊召還(鼠)

【称 号】

【加 護】 ナンナの加護


「彼女は獣人としては珍しく、魔法で戦うスタイルですね。我々ともエルフとも魔法体系が異なるので、正確にステータスに表すことができないのですが、巫術と言うそうで、彼女は一族の巫女として修業した経験があるとのことです。ナンナもまた、彼らの氏族が祀る神の一柱ですね。」

「すごい!かっこいい!」


ジョーガサキの説明にアルマが手を叩いて喜ぶ。当のランダは、少し恥ずかしそうだ。


「ではアルマ・フォノンさん。こちらへどうぞ。」

「うわあ、緊張してきた。」

『先輩冒険者として恥をかかないようにな。』

「うぐ・・・」


アルマはギルド証をオーブ手前の木枠に置き、手をオーブに置いて魔力を送る。するとうっすらとギルド証が光りだす。これでステータスの更新は完了だ。

次にそのギルド証をオーブにかざすと、ステータスが表示される。


【名 前】 アルマ・フォノン(人族)

【年 齢】 17

【階 級】 銅級

【レベル】 11

【体 力】 149

【魔 力】 156

【スキル】 剣術Lv.2、槍術Lv.2、魔法Lv.4 (火Lv.3、水Lv.3、光Lv.2)

【固 有】

【称 号】

【加 護】 サウレの加護、バリガンの導き


「おおお?めっちゃあがってる!」


アルマが声をあげる。冒険者になりたての頃はレベル5だった。その後、半年間でレベル9まで上げた。それを確かめたのは3週間前。迷宮に行って死にかけたあの日から、わずか20日ほどでさらに2上げたことになる。


(槍術が上がっているのも嬉しい。半年間使い続けた剣術と同じレベルだ。槍術の才能があるというよりは、剣の才能がないということなんだろうけど・・・。太陽神サウレ様の加護も前と一緒。村で洗礼を受けたからだ。けど・・・)


「バリガンって誰だ・・・?」

『な、なんだと!おい、なんて言った?』

「バリガンだけど?マルテちゃん知ってんの?」

『どういうことだよ・・・』

「おーいマルテちゃーん。」


だがマルテは、何かを考えこむように押し黙ってしまった。


「姉様。あの子やっぱり・・・。」

「だめよシャムス。可哀想な人なのよ。」

「ちょっとそこ、誤解だから!痛い子みたいに言わないで!」


ひそひそと話し合う獣人の少女たちにアルマがツッコミを入れる。出会ったばかりなのに、随分と姦しい。だがまあ、変に気を使いあうよりはましか、とタルガットはため息をつく。


「ほんじゃあ、前衛はアルマとシャムス。後衛はランダだな。細かい連携はおいおいな。じゃあ行くぞ。」

「え!タルガットさんのステータスは見せてもらえないんですか?」

「ん?俺か?ほれ、これだ。」


アルマの問いかけに応え、タルガットがギルド証をオーブにかざす。獣人の二人も興味津々のようだ。


【名 前】 タルガット・バーリン(人族)

【年 齢】 32

【階 級】 銀級

【レベル】 48

【体 力】 346

【魔 力】 312

【スキル】 剣術Lv.32、槍術Lv.24、投擲Lv.30、格闘Lv.26、鑑定Lv.13、気配察知Lv.34、隠密Lv.33、魔法Lv.24 (火Lv.13、水Lv.11、土Lv.14、光Lv.13、闇Lv.12)

【固 有】

【称 号】 剣豪、英雄、殺戮者、同類殺し、味方殺し、導師

【加 護】


「どうだ。銀級のくせに加護なしだ。がっかりしたか?」

「いえ、そんな!スキルすごいです!それに称号も・・・」

「こんなのは、長年冒険者をやってたら自然と増えるさ。さて、そんじゃあ行くか。」


そう言って、くるりと背を向け、扉へと向かうタルガット。

アルマは、タルガットの称号にあった「味方殺し」が強く印象に残り、とまどっていたが、気にしないことにした。


どんな冒険者にも、人に言えない過去くらいあるだろう。それがなんであれ、今のアルマにとってタルガットは尊敬すべき先輩冒険者だ。


「よおし!そんじゃあシャムスちゃんにランダちゃん。よろしくね!」


アルマは明るい声で二人の少女たちにそう言って、笑った。


ステータス考えるのって難しいんですね。

ここだけで、めっちゃ悩みました。

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