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4-4 絆の名

顔合わせも無事終わり、すっかり打ち解けたところで、明日の段取りと持ち物を確認する。

こちらも特に問題はないようだった。

一通りのすり合わせが終わったところで、ダリガがアルマに言う。


「護衛についてだが、お前らのパーティが請け負って、シャヒダはサポートとしてお前らのパーティに一時加入って形になる。その方がパーティの実績になるからな。そんで、パーティ名はどうする?」

「おおお!パーティ名!好きなのつけていいんですか?」

「ああ構わんぞ。基本的には鉄級のパーティからはギルドに登録してもらってるんだ。」

「そんじゃあ、ランダちゃん決めて!」

「わ、私ですか?」

「こういうのはランダちゃんでしょ?」

「姉さまが決めるのが一番だと思います!」

「ああ、あたしもランダが良いと思うぜ。」


アルマ達からの指名を受け、ランダはしばし考える。


「それでは・・・ぎ、『(ぎん)(わん)(ぎょく)()』でどうでしょう・・・」

「おお、なんかかっこいい!」

「姉さま、意味を教えてください。」

「銀湾は、天の星々のこと。玉兎はお月さまのことです。そ、その、星々の光を優しく照り返すように、そして(うさぎ)のように、一足飛びに成長するようにとの意味を込めて。」

「いいじゃねえか。自ら輝かないところが、なんかあたしらっぽいわ。」

「ちなみに、(きん)()は太陽って意味もあるんだにゃ。『三ツ足の金烏』のメンバーであるうちが『銀湾の玉兎』に臨時加入するってのも、面白いにゃ。」

「よし、じゃあ決まり!私たちは今日から『銀湾の玉兎』です。」


こうして、アルマ達のパーティ名がようやく決まった。


「あとはステータスの確認か。一応、これから一緒にやっていくんだし、互いに実力を知っておいた方がいいだろう。だが下でやるとお前ら注目されるからな。ちょっとオーブをとってきてやる。」

「え!ちょ、ちょっとそれは・・・。」

「なんだアルマ?見られちゃまずいことでもあるのか?」


スッと目を細め、アルマを見るダリガ。


「え、えーっと・・・。」

「あー。ダリガ、こいつは今ちょっと変な称号が生えててな。あんまり人に見せられねえんだよ。」タルガットが助け舟を出す。

「あたしやシャヒダにも内緒なのか?」

「ああ。お前らが絶対に口外しないというなら別だがな。」

「それはマスターにもか?」

「ん~。まあクドラトだけならいいかな。一応言っておくが、称号が生えたのはジョーガサキのスキルのせいだからな。アルマは被害者だ。」

「なるほど。わかった。ここで見たことは決して口外しないと誓おう。シャヒダはどうだ?」

「問題ないにゃ。猫は口が堅い。」

「おまえ犬だろうが。」ダリガが素早く突っ込む。

「・・・・・・。」

「まあいいや、じゃあオーブとってくる。」


ダリガはそう言うとオーブを取りにサブマスター室を出ていった。

マイヤだけが状況を呑み込めず、キョロキョロとしている。アルマの称号については、マイヤにもまだ伝えていなかったのだ。「どういうことだよ?」と尋ねるマイヤに、シャムスが「すぐわかるっすよ」と答えている。


と、ダリガがオーブを持ってやってきた。


「よし、じゃあシャヒダから行こうか。アルマは最後でいいな。」


シャヒダがギルド証をオーブにかざす。


【名 前】 シャヒダ(狼人族)

【年 齢】 28

【階 級】 金級

【レベル】 52

【体 力】 421

【魔 力】 218

【スキル】 剣術Lv.30、縄術Lv.33、投擲Lv.32、格闘Lv.28、鑑定Lv.7、気配察知Lv.39、隠密Lv.39、罠解除lv.34、魔法Lv.16 (火Lv.15、水Lv.17、土Lv.14、光Lv.10、闇Lv.19)

【固 有】 獣身化

【称 号】 踏破者、追跡者、暗殺者、殺戮者、同類殺し

【加 護】 イナンナの加護


「わわわ!シャヒダさんすっご!」

「にゃははは。照れるにゃあ。」

「見てわかる通り、シャヒダは斥候向きの能力だな。それじゃあ次はお前ら。誰からでもいいからやってみろ。」

「それじゃあ、私からやるっすよ。」


【名 前】 シャムス(狐人族)

【年 齢】 15

【階 級】 黒鉄級

【レベル】 17

【体 力】 274

【魔 力】 141

【スキル】 剣術Lv.5、斧術Lv.10、槍術Lv.3、投擲Lv.8、格闘Lv.4、気配察知Lv.5、隠密Lv.5、罠解除Lv.2、魔法Lv.4、(身体強化Lv.4)

【固 有】 獣身化

【称 号】

【加 護】 ウトゥの加護



【名 前】 ランダ(狐人族)

【年 齢】 15

【階 級】 黒鉄級

【レベル】 17

【体 力】 158

【魔 力】 259

【スキル】 杖術Lv.6、弓術Lv.5、精霊魔法Lv.12、気配察知Lv.5、隠密Lv.5、鑑定Lv.2

【固 有】 精霊召喚(鼠、魚)

【称 号】

【加 護】 ナンナの加護、ケリドウェンの加護



【名 前】 マイヤ・アールブル(エルフ族)

【年 齢】 25

【階 級】 鉄級

【レベル】 24

【体 力】 193

【魔 力】 327

【スキル】 剣術Lv.4、弓術Lv.5、気配察知Lv.3、隠密Lv.3、魔法Lv.8 (火Lv.3、水Lv.9、風Lv.5、土Lv.4、木Lv.5)

【固 有】 聖盾、聖援

【称 号】 

【加 護】 エイルの加護


「おおー。レベルアップしてるっす。」

「シャムスちゃん、固有のスキルが増えてる!黒雷蛇の時に使ってたやつだ!」

「ふむふむ。シャムスが前衛、ランダとマイヤが支援だにゃ。」

「唯一の鉄級が一番レベル高いってのはどうなんだ?それに、黒鉄級としちゃかなりレベルは低めだからな。まあ、今後がんばれ。」

「耳が痛いですね・・・。」

「タルガットさんのも見せてください!」

「ん?俺か?」


【名 前】 タルガット・バーリン(人族)

【年 齢】 32

【階 級】 銀級

【レベル】 50

【体 力】 356

【魔 力】 322

【スキル】 剣術Lv.35、槍術Lv.24、投擲Lv.30、格闘Lv.26、盾術Lv.5、鑑定Lv.13、気配察知Lv.34、隠密Lv.33、罠解除Lv.3、魔法Lv.24 (火Lv.13、水Lv.11、土Lv.14、光Lv.13、闇Lv.12)

【固 有】

【称 号】 剣豪、英雄、殺戮者、同類殺し、味方殺し、導師

【加 護】


「タルガットさんすごい!」

「前とそう変わってねえだろ。最近はお前らと組むのに、慣れねえ盾ばっか使ってたからな、盾があがってるくらいだよ。」

「いや、レベルもあがってるっすよ。てか、シャヒダさんと変わらない・・・」

「こいつは能力的には金級だからな、本人があがりたがらないだけで。」


ダリガがニヤニヤして言うと、マイヤが目を輝かせる。


「そうなんだ、やっぱりタルガットはすごかったんだな!」

「おいやめろ。ほらもういいだろ。最後はアルマだ。さっさとやってくれ。」

「あ、はい。それでは・・・。」


【名 前】 アルマ・フォノン(人族)

【年 齢】 17

【階 級】 黒鉄級

【レベル】 20

【体 力】 216

【魔 力】 221

【スキル】 剣術Lv.2、槍術Lv.9、気配察知Lv.4、隠密Lv.1、魔法Lv.5 (火Lv.4、水Lv.4、光Lv.6、身体強化Lv.4)、

【固 有】

【称 号】 勇者の卵、轢殺者(れきさつしゃ)、殺戮者

【加 護】 サウレの加護、ヌアザの加護、バリガンの導き


「わはーい。レベルが20になってるー!」

「いやそこじゃねえよ。アルマお前、なんだよこの称号は・・・。」

「びっくりだにゃ。」


称号をみて唖然とするマイヤとシャヒダ。まさかアルマが勇者の素質をもっているなどとは夢にも思っていなかったのだ。

だが驚いたのは二人だけではなかった。


「アルマ。また変な称号が増えてるっすよ?」

「え?あ、ほんとだ!」

「なんですか、轢殺者って?」

「1日で一定数の魔物を倒すと【殺戮者】て称号がつくんだよ。そっから考えると、一日に一定数魔物をひき殺した者。その効果は、轢殺時にダメージアップ。だろうな・・・。」

『またお前は、使えねえ称号ばっかり増やしやがって。』

「え!私のせいなの?」


シャムスとランダ、タルガットが同時に頭を抱える。

また無意味な秘密が増えてしまったからだ。

そして、ダリガは。


「タルガット、あたしをハメやがったな。」

「ん?何がだよ?」

「勇者候補は国に報告する義務があるんだよ。こんなの、くそ、どうしろっていうんだよ。」

「知らねえな。お前んとこの職員の不始末だ。責任とって隠し通せよ。」

「わかってるよ。ああ、もう。また面倒事が増えたじゃねえか。」


ダリガは盛大にため息をつく。

こうして、顔合わせは若干の波乱を含みつつ終わったのだった。


お読みいただきありがとうございます!

4章にしてようやくパーティ名が決まりました。。。牛歩ですみません。

今回はステータス回。

個人的には、なんか通信簿みたいで好きなんです。考えるのめっちゃ時間かかりますけど。


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