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時空守護士タイムアテンダント  2 鏡の中のライバルたち  作者: 夜湖
第二章 花びらの気まぐれ
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青一色の広大な世界。

所々に白い雲が見える。ずっとはるか先まで宙に浮かぶ白い一本道、クロノロジーランウェイも。一本道に記されたHEISEIという光る大きな横文字がみるみる遠ざかっていく。

「うわああー、きれいーっ!すごい、すごい!まるで宇宙みたいっ」

英麻は興奮気味にシリウス328の後部座席から身を乗り出した。

前回、初めてタイムスリップした際は、行きは気絶し、帰りは落ち込み気味だった。そのため、英麻にとって時空の風景をしっかり見るのはこれが初めてだったのだ。

ハザマが操縦席から英麻のセーラー服の襟首を乱暴につかんで引き戻した。

「ぐえっ!?ちょっと何するのよっ」

「ふんっ!ここでおまえが時空に落ちでもしたら、拾いに行く俺たちの手間が増えるだろうが」

「だからって首しめることないでしょ!あ、そういえば、さっきの光るアルファベットの文字、あれってなあに?」

「ああ」

サノがうなずいた。

「あれは各時代の名前を示しているんだよ。明治とか大正とか。クロノロジーランウェイは時代ごとに一つ一つエリアが区切られていてね。エリアの先につながる時代を表すのがあのアルファベット。さっき見たHEISEIは、英麻ちゃんが住んでる平成エリアだよ」

「へえー」

「タイムパトロール各部隊の巡回警護の担当もこのエリアごとに分かれているんだ。ちなみに僕たち第八部隊の担当は古墳エリア」

「ふうーん、古墳かあー(どんな時代だったっけ?っていうか授業でやったかな?………………まっ、いいか)」

英麻はふと気になった。

「あれ?でも、おかしくないですか。どうしてサノさんたちは古墳時代の担当なのに今回の回収任務を引き受けるんですか?平安時代担当の人に任せればいいのに。この前の弥生時代だって」

「そんなことは今、考えなくていいんだよっ」

唐突にハザマが割り込んできた。

「えっ、ちょっと何よ」

「それよりサノ先輩、例の紫式部の花びらについて早くこいつに説明した方が」

「そうだな」

サノが紫式部の時の花びら回収が延期になった理由に関して、改めて説明を始めた。

「―――二枚目の時の花びらは、紫式部の体内にあるとわかった後、最初は何の問題もなく花びらの反応がタイムパトロールのコンピューター上に現れていた。卑弥呼の時もそれは同じだった」

「これを見るんダヨ、英麻チャン」

ニコがシリウスに内蔵された小型コンピューターの画面を示した。黒い画面には太い波線(なみせん)が一本、左から右に向かって長く伸びていた。白く光る波線は同じ形と大きさの、ゆるやかなカーブを反復的に描いている。しかし、途中から波線はブツリと切れ、その後はひどくまちまちな間隔で画面に表れていた。

「ニコが見せてる波線が紫式部の花びらの反応波形だよ。発見直後はしっかりとした反応があったんだ」

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