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空から来た魔女の物語  作者: 咲雲
森の民
32/316

31話 魔女の森と三兄弟 (2)


 二十日がたった。


 まるくて広いお部屋のまんなかに置いた〝まっと〟。その上にしかれたふとんに、うす明るい青い光がかかる。


 れいめい色の空。

 このお部屋は、〝りくらいにんぐるーむ〟っていうらしい。〝魔女〟がいつもそう呼ぶ。

 お部屋のはしっこに、ふかふかの大きな椅子がいくつもならんでて、その椅子は〝魔女〟がアークになにかを言うと、お部屋のまん中まですうーっと寄ってくる。

 夜になるとその椅子にゆったりすわって、天井がいちめんの星空になる。〝魔女〟はそれを〝ぷらねたりうむ〟って呼んでた。

 でもさいきんはぜんぜん椅子を使わない。だってぼくらが寝ちゃうから、それならさいしょからおふとんしいちゃおう、ってなった。


 高い高い丸天井。

 朝になればこうして夜あけの空がいっぱいにひろがって、夜になればたくさんの星々がきらめくのに、天井の向こうがわにあるのはじっさいにはお空じゃなく、まだまだお城の中だっていうんだから――ここはすごく、ほんとうにすごくふしぎなところだ。


 このまほうの真珠のお城には寝室があって、そこにはちゃんと上等な寝台があるんだけれど、寝返りをうつとき下じきにするといやだからって、〝魔女〟がここで〝ざこね〟っていうのをすることに決めた。下じきにならないように、みんなの頭とからだをずらして寝るんだ。

 いまは天井が星空じゃなく、夜あけの空だ。ぼくらはたいがい、いつもこのぐらいの時間にしぜんに目がさめる。

 〝魔女〟が目ざめるのは、ぼくらよりすこし遅い。とても手ざわりのいいうすい毛布をくしゃくしゃにして、ころころ寝ころがりながら、ぼくらはときどき顔を見あわせて、〝魔女〟が起きるまでのながくてみじかい時間を、わくわくしながら待つ。

 〝おはよう〟っていってもらうのが、とてもたのしみで、待ちどおしい。


 〝魔女〟の肌は、ぼくらの肌よりちょっと濃くて黄色がかった色だ。このあたりの人族(ヒュム)では、たぶんめずらしい色の肌だと思う。

 ここに来るまえに数日だけ泊まったお城の人族(ヒュム)たちは、みんなぼくらとかわらないぐらい白かったし、半獣族(ライカン)ならこういう肌色でもおかしくないはずだけど、このひとには獣の耳や尻尾がない。だからひょっとしたら、〝魔女〟もまた、この国じゃないどこか遠くから来たのかもしれなかった。

 髪の色は黒。今はまぶたにかくれて見えないけれど、目も茶色がかった黒曜石のようなひとみだ。黒や茶色はとくべつにすきというわけじゃないけれど、こうして〝魔女〟を見ていると、なんだかきれいだなって感じるようになった。


 きれいで、力づよくて、とてもふしぎ。

 なんとなく髪の毛をさわると、〝しゃんぷー〟の香りがほわんとただよう。ぼくらもおなじ〝しゃんぷー〟を使ってるはずなんだけど、自分の香りは自分じゃよくわからない。

 弟たちも〝しゃんぷー〟の香りがするけれど、どうしてか〝魔女〟とは違う感じの香りがする。からだのにおいが人それぞれ違うから、まざって違う香りになるんだってアークは言ってた。そういうものなのかな。


「……あと五光年……」


 〝魔女〟がなにかをつぶやいた。

 起こしてしまったかな? て思ったけれど、あいかわらずすやすや寝息をたてていた。

 ただの寝ごとだったみたいだ。

 あんまりにもいい香りだから、ついいじるのをやめられないでいると、エセルやノクトがまねしはじめた。ほほをつんつんつついたり、ころころすりよったり……あたりまえだけど、そんないたずらしてるから、〝魔女〟がほんとうに起きてしまった。


「あーはいはい、わかったよ……ったくもう……」


 言葉はわからなかったけど、なんとなく何を言ってるのかわかった。

 たぶんだけど、しょうがないなこいつらは、って言ってるんだと思う。

 そしてそんなふうに呆れながら、ぼくらの頭をくしゃくしゃってなでてくれる。


 寝起きでぴんぴんとびはねた黒髪。

 白くてうすいシャツ。

 すそは長めだけど、ふとももがまる見え……あっ、そのかっこであぐらをかいて〝のび〟なんてしたら……


「ふぁあ……ん? どした?」

【…………】


 ぼくらはなんにも言えなくて、あっちを見たりこっちを見たり、どうすればいいかわからなくなった。

 だって、シャツの下は〝ぱんてぃ〟いちまいだけなんだよ……。

 きょうは白地に、うす緑色の花がたくさん咲いてた。ごうかな大輪の花なんだけど、色あいが清らかで、下の肌色がほんのりすけてる感じがとってもきれいだった。


 しっかり見ちゃった。

 ぼくらべつに、すけべじゃないよね……ふつうだよね?


 れいめい色の空が、さっきよりも白くなっていた。これからどんどん明るくなるだろう。

 さいきんの朝はだいたい毎日、こんな感じだ。




◆  ◆  ◆




 まっ白な床と壁。目のまえの壁いちめんの鏡。天井の一部が空を映した〝洗面室〟には、今日もあいかわらず圧倒される。

 ぼくらが前に立つと、真珠色の貝がらみたいな水受けが、ぼくらのおなかぐらいの高さまで、音もなくすうーっと下がってきた。

 じどうてきに高さが調節されるしくみなんだって。

 いちばんはじめにこれを見たときはぎょっとしたけれど、もうすっかり慣れてしまったな。

 ぼくらよりずっと大きな大人の〝魔女〟は、とうぜんぼくらとは水受け皿の高さがぜんぜん合わなくて、いつも先に顔を洗ってから朝食のテーブルに向かってる。

 かんがえてみれば、ぼくらが〝魔女〟とかんぜんに行動を別にするのは、一日のなかでこの時間だけかもしれない。


(…………)


 ぼくは弟たちに目を向けた。

 弟たちも、ぼくを見てた。ぼくらはおなじことをかんがえていた。


 ぼくのなまえは、シェルロー。

 ひとりめの弟はエセル。

 ふたりめの弟はノクト。

 母親は、たぶんいる。でもなまえがわからない。

 父親も、たぶんいる。でもなまえがわからない。

 ぼくらの歳は、たぶん三歳だ。

 血のつながった兄弟なのに、みんな同い年。

 ――それって、変じゃないだろうか。


 だってぼくらは――ぼくらの〝種族〟は――ふたごでもない限り、血のつながった兄弟が同い年なんて、ありえないはずなんだ。


 ここで暮らすうち、だんだん【あれ?】って感じることが多くなってきた。

 もやがかかっていた頭のなかみが、この〝洗浄液〟でゆすがれるみたいに、だんだんさっぱりしていく感じ。

 ぼくらには何か、おかしいところがある。何かが、わるい状態になってしまっている。

 だから、ぼくらは〝魔女〟のおせわになっている――そういうことが、なぜか少しずつわかってきた。


 ぼくらを救ってくれたあの〝魔女〟は――いったい〝誰〟なんだろうか?


【エセル。ノクト。……ぼくはあの〝魔女〟から、〝魔力〟を感じない。ぼくがよくない状態になっているせいかな? おまえたちはどう思う?】


 するとエセルは、【同じく】と答えた。


【ぼくもなにも感じない。気のせいかなって思ってたんだけど……ノクトはどうだ?】

【……ぼくも。にいさまたちと同じだよ。これ、ぼくらの状態とはかんけいないんじゃないかな】

【やっぱりそう思うか?】

【うん】


 思い出すのは、ドーミアのお城。あそこにいた人族(ヒュム)を思い返してみれば、ぼくらはあのとき、彼らから多かれ少なかれ、たしかな〝魔力〟を感じていた。

 ぼくらは〝魔力〟をぜんぜん使えなくなっているけれど、使えないだけで、感じとることはふつうにできていた。それはいまもかわらない――いいや、ここへ来て、どんどんするどくなってるのがわかる。

 するどくなった、っていう言いかたも、なんだか正しくない気がする。どこかにむりやりおしこめられてたのが、だんだん少しずつもどってきてる、そんな感じがするんだ。


【すごく〝魔力〟のかくしかたがうまいのかな?】


 あんまり自信がなさそうにノクトが言った。


【違うんじゃないか?】


 エセルが首をかしげた。


【だって、〝魔力〟がない人族(ヒュム)なんて……】


 言いかけて、ノクトは口をつぐんだ。

 なんとなく、ぼくらは黙った。


 そもそもあの〝魔女〟は――いったい〝なにもの〟なんだろうか?

 人族(ヒュム)にしか見えないけれど、ほんとうにそうなんだろうか?


 人族(ヒュム)だけじゃない、どんないきものだって、ふつうは〝魔力〟を持ってる。ぼくらはそう教わった――はずだ。

 いきものの〝けはい〟はする。生きているひとだっていうのはちゃんとわかる。

 なのにどうしてか、〝魔力〟だけ感じない。

 だったら、かくしかたがうまいのかなって思うしかないけど、でもそんな必要があるんだろうか?

 だってこの森、あぶない〝けはい〟が――〝まもの〟や〝危険なまじゅう〟って呼ばれるもののけはいがしない。においもない。ここが、そんなやつらでさえぐるぐる迷って住めないぐらい、すごい〝迷いの森〟だからだ。


 そうだ、ぼくらの〝同族〟は、そういうやつらからの危険をへらすために、〝迷いの森〟って呼ばれるところをこのんで住むことが多いんだ。

 ええと、だから――あの〝魔女〟に、この真珠のお城の中でまで、一滴ももれないぐらいかんぺきに〝魔力〟をかくさなきゃいけない理由なんてある? ってこと。

 ぼくらを〝けいかい〟してるから? それこそありえない!

 顔はほとんど動かないけど、なかみはあんなに豊かなんだ。まいにちまいにち、ちょっと恥ずかしくなるくらい〝かわいい〟って気持ちをいっぱいもらって、〝けいかい〟されてるかも、なんて見当ちがいもいいところだ。


 だったら、どうして?

 結局さいごには、この疑問にもどってしまう。


【かくしてるわけじゃ、ないとしたら……】


 エセルがぽつりとつぶやいた。

 ああ、そうだ。かくしてるわけじゃなく、もしもほんとうに〝魔力〟がないんだとしたら。

 どんないきものだって、ふつうは〝魔力〟を持ってる――そう、普通ならそうだ。

 普通じゃなかったとしたら。

 そうだ、ぼくらは知っているんじゃないか。魔力をもたない例外の存在を――


【…………!!】


 ばしゃり、と水がはねた。

 ぼくはいつのまにか銀色の棒に手を伸ばしていた。

 そこから水が流れ出し、とつぜん顔まではねた水しぶきに、エセルとノクトもハッとした表情になった。

 ぼくらは三人とも口をつぐんだ。


 あぶなかった。

 いまのはすごく、なにか、とてつもなく危なかった。

 そんな予感がした。


 そしてぼくらのこういう予感は、けっして外れない。




◆  ◆  ◆




 もうすぐ一ヶ月。

 ふしぎな〝魔女〟の森での生活は、たくさんの驚きと楽しみと幸せがいっぱいだった。

 ぼくらはいつも安全で、どこへいってもずっと〝魔女〟にまもられていた。

 この森のなかでは何の心配もいらない。何の不安もない。


 そのいっぽうで、次第に、どんどん胸の中がじりじりと、何かがこげるような感覚が強くなっていった。

 焼けるようなのに、背なかがひんやり冷たくなるような。


 ずっとここで〝魔女〟といっしょに暮らしていたい――なのにどうしてか、このままじゃいけないっていう気持ちがあって、ひんぱんにのどがかわくようになった。

 これはどういう気持ちなのか、こっそりアークにたずねてみたら、それは焦りという感情ですねと言われた。そうか、ぼくは焦っているのか。


 ここに来る前、ぼくらはどこに住んでいて、どうしてさらわれてしまったのか、どうしていまだに魔力がまったく使えないのか、何もわからない。

 わかるのは、ぼくらが何か、とても大事なことを忘れてしまっているということ。それも、とてもたくさんのことをだ。

 それを一刻も早く思い出さなきゃ、って願ういっぽうで、思い出したらいけない、っていう強い予感がある。

 この予感をないがしろにしたらいけない。ぼくらが強い魔物や魔獣や、何かおおきな危険をさけるときに、すごく役に立つ感覚だ。

 ぼくらは何かを思い出さなきゃいけない。それは絶対だ。

 でもきっと、このまま思い出したらいけない。それも絶対なんだ。



【果物が大量に熟れている。放置してもアルファとベータが収穫するが、おまえ達も収穫してみたいか?】

【うん、やってみたい】

【ぼくも!】

【ぼくもとるー】

【なら行こうか】


 お城のまわりの菜園では、とてもたくさんの野菜やくだものが育てられていた。

 たまにぼくらの知ってる種類も見かけたけど、ほとんどはぜんぜん知らないものばかりだ。

 おいしそうなのは〝魔女〟とぼくらの食事やおやつになるけど、食べきれないくらいたくさんとれたぶんは、〝魔女〟がおくすりやせっけんやしゃんぷーといった、色んなものの材料にしてる。

 それでもまだたくさん余るから、アルファが保存食をつくったり、アークがなにか色んなものに加工したり、ベータがそれをつかって〝じっけん〟したりとか、ぼくらのしらない方法でぜんぶ〝ゆうこうかつよう〟してるんだそうだ。


【何が食べたい?】

【りんご。香りもすごくすき】

【ぼくはみどり色のぶどう! ええと、ますかっと?】

【ぼくはももがいいな】


 みんなでちいさなカゴを持って、すきなくだものを取りにいく。

 りんごはそのまま食べてもシャッキリした歯ざわりとか、すっきりした甘さがすごくおいしいんだけど、このあいだ食べたりんごジャムのパンが最高で、ひとくち食べたらもう夢中になってしまった。


 今回はアルファが〝あっぷるぱい〟っていう焼き菓子にしてくれるらしい。たのしみだな。

 エセルのすきなますかっとは、〝じゅーす〟っていう飲み物になる予定。ももは〝しゃーべっと〟っていう氷菓子をつくってくれるんだって。

 ぼくらはちいさくて、いっぱいに背のびしても手がとどかない。だからほしいのを見つけたら、〝魔女〟にだっこしてもらってからもぎとるんだ。

 どれがいいかな。これが真っ赤でおいしそうかな? ちいさなカゴにつやつやのりんごをいれると、すぐいっぱいになる。ずっしりおもくて、とてもいい香り。

 エセルやノクトも同じように、くだものをカゴいっぱいに取った。


 それにしても、真珠のお城もふしぎだけど、このくだものの木もすごくふしぎ。

 たくさんの種類があるのに、どの木でもいつも実がなってるんだ。もちろん、まだあおくて食べられないとか、食べてもおいしくないものとか、もいだばかりで実がなってないとかあるんだけど。おなじ季節で、こんなにたくさんべつの種類のくだものがいっぺんになることって、普通はないはずなんだ。

 収穫時期がおなじ種類のものばっかり植えたのかなって思ったんだけど、こんなにたくさん育てるのなら、春には春のくだもの、夏には夏のくだものがとれるようにって、季節をずらすものだよね?

 それに、もうひとつふしぎなことがある。


【どれも、背の高さがおんなじだね】

【背?】

【ここに生えてるくだものの木。みんな、背の高さが〝ここまで〟って決まってるみたい】

【ああ……そうだな】


 うまく言えなかったんだけど、〝魔女〟はわかってくれたみたい。

 そう、ここのくだものの木ってみんな、なぜかすごくおおきな木っていうのがない。ぼくらから見ればおおきいけど、おとなから見ればそんなにおおきくない。いちばん高いのでも、〝魔女〟の背たけよりちょっと高いぐらいだ。


「……生産工場内でスペースを取らないよう、かつ収穫の効率を上げるために、一定の高さからは伸びない改良が施された品種だからね。果樹の根元から枝葉までの空間を占める割合が規格化されたおかげで、さまざまな種類の果樹を育てやすくなっていたんだ。木が小型化しても(みの)る果物の大きさや味自体は、改良を施す前の品種とほぼ大差がない」


 ぼくらの知らないことばで、どこかぼんやりとした〝魔女〟が、静かに何かを話しはじめた。


「中には、家庭で趣味で育てられるよう、屋内向きにもっと小型化された品種もあったよ。父さんのマンションのテーブルに載った小さな鉢植えの木には、おまえさんのカゴの中身と同じぐらいの林檎が一個なってた。花は綺麗で実はおいしい一挙両得でしょーとか言って、初任給で自社製品を割安で買って贈ったのに、こっちが引くぐらい真面目に育てて……枝が林檎の重さに耐えられずに、折れそうなぐらいしなってたな……」


 …………。

 なんだろう。何を言っているのかわからないんだけど、でも、なんだか……。


【理由はある。けれど説明できる言葉がない】


 さいごにぼくらに理解できる言葉でしめくくって、肩をすくめた。

 ぼくは知らずカゴの持ち手をぎゅっとにぎりしめていた。


 なんだろう。

 ぼくはこのやさしい〝魔女〟に、何をきいてしまったんだろうか。



 〝あっぷるぱい〟は、さくさくの生地と甘いりんごがとってもおいしかった。

 ももの〝しゃーべっと〟もすごくおいしかったし、氷の浮かんだますかっとの〝じゅーす〟もすっきり甘くて、ぼくらはどれもだいすきになった。

 ほんとうは、一瞬だけ〝魔女〟が変な様子になったことが気になってたんだけど……


 だけどぼくらは、なんにもなかったように笑った。最高においしいおやつの時間をたんのうした。

 だって〝魔女〟は――ぼくらが、感じとれることを知ってる。

 〝魔女〟がいま、どんな気持ちでいるのかっていうことを。

 いまは〝失敗した〟って感じてる。さっきぼくらに〝よけいなことを〟って、後悔してる感じだった。


 そんなの、気にしなくていいのに。

 ぼくらが不安にならないように、いつもそれを気にしてくれてる〝魔女〟に、そんなに気にしなくてもいいよって伝えるには、どうすればいいんだろう。

 ぼくらはこどもだから、ちゃんとうまく説明できない。ぼくらはだいじょうぶだよって言っても、じっさい何かが変な状態になってしまってる以上、たぶん信じてもらえないだろう。


 だから、ぼくらは笑うことにした。

 そうしたら〝魔女〟は、すこしだけ安心して、微笑んでくれるから。




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