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「いらっしゃい、エマ!
よく来てくれたわね!!」
「ご機嫌よう、ヴィオ。
今日は誘ってくれてありがとう!」
「美味しいお茶とお菓子用意したのー
早くはじめましょ!」
ヴィオは、わたくしと同じ年の親友なの、
キラキラとした金糸の髪に、長い睫毛に縁取られた紫の瞳、ふっくらとしたピンクの唇、
そして、なんといっても天使? いや、女神!のような可愛らしい笑顔が魅力の王女様なのですわ。
幼い頃から仲良くしていて、ヴィオとのお茶会はとっても楽しいのよ。
一つの不安を除いては……
「ねぇ、今日はレオンハルト殿下はいらっしゃらないわよね?」
レオンハルト殿下とは、エマの婚約者で第1皇子である。
「えぇ、……(今は)いらっしゃらないわ!
お兄様のことはいいのよ、
(レオ兄様このお茶会のこと絶対知ってるわよね………)
それより、今日のドレス可愛いわね、どこで作ったの?」
「マダム・ルルのところよ。
でも、わたしには可愛すぎて似合わなかったみたい。
朝、お兄様にも残念な顔されたわ
やっぱ、こういう服はヴィオみたいな子が着るべきね」
はぁ、ハリー様はまたエマに言っちゃったのね…
もぉ、バカねー
ヴィオラは相変わらずのハリトンに呆れた。
「エマにとってもよく似合ってるから可愛いって言ったのよ!
あなたはとっても可愛らしいし美しいわ!
自信を持ちなさい!!」
「む、お世辞は結構よ。
自分の容姿は自分が一番よく分かってるわ!」
ほんと、ヴィオの目は節穴ね。友達びいきが凄いわ…。お世辞だと思っているエマはヴィオラがため息ついているのに気づかない。
パクリ。あら、このお菓子とっても美味しい!
あとで、どこに売ってるのか聞いてみましょ。
エマは、お菓子の美味しさに夢中で、ヴィオラの顔がにやけだしているのと、背後から忍び寄る影に気づかなかった。
「やぁ、レディたち。素敵なお茶会だね。
僕も入れてくれるかい?」
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