第六話 枝葉と餌戯曲③
ごはんですよ〜!
万物は生成流転。
どんな世界でも変わらない。
日々は恙無く、過ぎ来る。
日常はそんなもの。
生きる世界が荒れようが、知ったことではない。
動物・気象・宇宙等々…それぞれはそれぞれの、営みがある。
故に、必死に当たり前に生きる。
故に…世界の循環から自ら外れた人間は騒ぐのだ。
異変に。
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「さわぐのはヨユウがあるからだよ」
ある紛争地帯。
国は、内乱により瓦解寸前。
だというのに、争いを止めようとはしない上に、兵士は、煽る指導者擬きの虚言と、押し付けの正義に酔いしれる。
増え続ける飢餓と、貧困と理不尽と死体の山々…。
見えないふりに見ないふり。
(けれどこれも日常?見続ければ非日常は日常かぁ)
一人納得してみれば、足元…いや枝元には―
「あれ?まだあったの?」
補填したはずの肉がいた。
確かコレは…
「このクニのシドウシャさんだっけ?」
そう訊けば、手にした銃で攻撃てきた。
バニュウン!…じゅうぅ…シュっ!
銃弾は、肌らしき部分を跳弾し、水のように蒸発した。
残念ながら、少女に似たモノには通じる訳がない。
「◆ah; ”lwa”|!s! faqat#*ゞ§km lah ≠》〆〇zim! !」
下半身は既に溶かし、栄養にしているのに…まだ元気だ…だが喧しい。
何より、その罵倒の中にある一言は心外だ。
「バケモノ?」
少女に似たモノは、溜め息を漏らす。
「わたしたち から したら アナタたち が そうみえるよ?いきる ためではなく ころすとかぁ…まぁいっかそれもまたニチジョウかアナタたちにはさ」
「%aÅ♯‰=id 'a≡ 'amut , 'ana '‡◯×〃ih dha∫≫√∧↓※.!!」
男は、口から血の泡を吹きながら、それから暫くわめき続け絶命した。
「さいごにひっしにいきれたね」
ふと、空を見上げれば先程まで五月蝿かった銃撃や、邪魔な戦闘機は一機もない。
静かな空がそこにある。
でも………
「ちがう」
望むのは広大な…
そのなかに生きる『私の日々』
「さてと」
いい具合に、上半身が残っているので試しに『種』を植えてみた。
発芽すれば、『種』は芽吹き『根』を生やす。
新たな『根』は拡がり続け、『私』にまた繋がる。
そして『私』は育つ。
「はやくオオキク ナリたい」
『種』は量産が出来にくい。
条件があるからだ。
その条件は…、
「じぶんがしぬことをゆめに も おもわない なんて 『私』ニにてるね」
そう、条件は【生きる事を当然とする生き物】だ。
「なかなか イナインだね コッチがわには」
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また一つ消えた。
その国から。
生き物が消えた。
まんま載せるとヤバそうだから記号で元の言語はぼかした!そんなわけで適当にご想像ください。