第四話 枝葉と餌戯曲②
なぜこんなSAN値直葬な話に!?
あ、すみません。
SANチェックの準備お願いします…。
亀頭はそこにいた。
「ここは」
ぐるりと周囲を見渡すが…、
オレンジ色に染まった空。
蠢く細い線と太い線が絡まり、一つの柱になった電柱。
滑る脂まみれの路地。
均一な束で纏まる家々。
黄ばんだ網目の塀。
哄笑する生温い風。
粘液状の鳥が、墜ちては死ぬ。
「?」
通いなれた何時もの道だ。
何があったのか?
いや…
「確か…呑みながら…帰る途中…だった…よな?」
残業をこなし
誰に聞かせるでもなく、ビール片手に愚痴を呟く…という変わりない日。
「よし別に変わった事はないな」
うんうんと一人納得するが、やはり何かがオカシイのだ。
鞄から、目玉を数個取りだし潰す。
そこから流れ出た液体を数滴垂らし、
疲れた眼に掛けて、瞬きをしてみる。
「くぅ〜!効くぅ!やっぱ目薬はこれに限るなぁ」
違和感の正体は酷使した眼だ。
やはり、PC画面ばかり観ていると疲れてならない。
こればかりは仕事柄仕方ないのだが、
あまりツラいなら、仕事用に眼鏡の一つでも購入しよう。
そんな事を思案しつつ、家路についた。
□□□
入り口は
消化液を分泌し、
喚く小人を孔にさす。
(なNだか@狂は也タラつかレたたたた>・・)
腐りかけのドアからは、胎児の悲鳴がする。
蝶番に油を挿さなければ、この音は治まらないだろう。
(けど喪ぅイイや寝てし摩え…)
人毛100%の皮膚は気持ちよくて…あぁ
「こんばんは」
床から、
大量の脚付き目玉が生えて
中心には少女がいる。
どこにでもいる
平凡な顔立ちの少女。
じっくりと少女を見つめる。
彼女の纏う
濁った朱色のワンピースが、とても似合っていたので…
「きれいだな」
一言褒めた。
「ありがとう」
とても優しい声と笑顔が、壁一面に広がり徐々に部屋を埋め尽くす。
少女の目玉からは、
絶えず赤黒い涙が流れ、亀頭はそれを飲み干す。
やがて、
腹は、臍が無くなる位になり…破裂した。
中からは『種』が一粒。
少女は、それを手に取り床に沈み消えた。
■■■
ピッ!
<皆さんお早う御座います。朝のお天気ニュースのお時間ですが、予定を変更し先程速報が入りましたので、お伝えします!
今日未明、都内に住む【亀頭一郎さん(29)と思われる服が、会社付近の道路で大量の血痕と共に発見されました。
警察は、亀頭さんがなんらかの事件事故に巻き込まれたと推測し、現在行方を探していますが、生存は絶望的とのことです。繰り返しお伝えします!今日未明―…>
ブッ…パチン!!
痛いな…今回…バンソウコウお願い…ガクリ