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一滴の波紋【原文】・1巻の1  作者: 藤田幸人(ペンネーム)
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ある日の日記・6

   6


どうも‥


長い文章を読んでいただき、お疲れさまでした!


僕も、この作品を書こうと決めたものの


ユックリ日記を読み返す暇もなく、飛び飛びに読んだだけですので


どこから手をつけていいものやら解らず‥




丁度その時に、この二つの手紙の下書きが出てきましたので


これを読まれてるうちに、次の展開を考えようと思いました。


ここまでは、どうにかうまくいきましたねっ。


これからどうしよう?


半分、冗談ですが(笑)。


ある手紙1号の最後のほうで


『とにかく今は、貴女と紙面の上だけででも、こうして話ができるようになった事が、唯一の楽しみなんです。

どうか、もうしばらく、この楽しみを僕から取り上げないでください、お願いします!』


と、 書いていますが?‥


これはどういう事かと、読者の方々はお思いになられるでしょう‥?


『紙面の上だけででも、こうして話ができるようになった』


とは?‥ つまり‥


僕にささやいてくる女の子達が言うにはですね


寮に居るオバサンがですねぇ、(食事の用意やら掃除をしてもらっている人)


ある日ひょんな事で、

僕の部屋の机の上に置いてある日記を見つけて


その中に書かれている、女の子達とのやり取りの事を知って “こりゃ~教えてあげなくちゃ”と思って


会社の女の子に知らせたらしいんですよ。


そして昼間、女の子達が暇をみて、交代でこの男子寮に来てこの日記を読み合い


色々、ささやくことになっているんですよ、(これはあくまで、僕の推測…?妄想の話になりますが!)


そういう事で、この紙面で語っていくようになった最初の手紙という事になるんですね。


それによりますと、


僕とモタイさんは、リアル世界で会いましたね!?


この、先の恋文をモタイさんに届けるのには随分、苦労したんですよ。


最初は僕の隣の部屋に住んでいる古川氏に、手紙を届けてくれるように頼んだんですが


しかし古川さんは、


『卑怯だよ!』


『男児として、それは卑怯だよ!』と言ったんです。


僕も、それは卑怯だと重々承知していることなんですが…


仕方がなかったんです!


それで、それがダメだったんで


色々考えた末に、


どうにかして、女子寮の住所を手にいれたんですよ。


モタイさんが女子寮に居る事も突き止めました!


そして手紙を送りまして


やっと会うことができたんですよ!。



その時の状況は…


もうずっとずっと

昔の事ですからねぇ…


よく覚えてないんですよ!



どうして待ち合わせして… 会って… どのように歩いていって…

どこの店に入って…

どんな事をしゃべって…とかいう事は、まったく覚えてないんですよ!


ただ解ることは、その手紙に書いているように、まったくそれまで抱いていた思いとは、はなはだ違いすぎるということですね。



モタイさんに片思いしているうちに、妄想だけが勝手に思いを作っていったんですね!


しかし本当に女の子達がしゃべっているのに気ずいたのは、いつ頃なのだろうか…?





モタイさんに実際に会う前には、2‥3‥


おかしいと思われる箇所がありますが…?


この作品の中では 割愛しようと思います 。


これから始まるのは、モタイさんに会った後からにします! 。




モタイさんと会ってから数日後に


モタイさんから返事の手紙がきました。


まず、それを読んでいただきましょうか!。


手紙・・・・・・・


こんにちは。

御目に掛かってから、三日過ぎてしまいますのに、返事おくれてすみません。

私には、何と書いていいのやら、整理できなかったものですから。

本当にすみませんでした。

こうして、書き始めてみましても、やはりうまく書けそうにありませんので、私自身、思った事を、素直に書きたいと思います。


何と申しましても、初めて会うという 、そして又、初めて話すということだけでは、お互いに 、わからないことだらけだと思いますし。

かと言って 、お付き合いをするということは、私の気持ちもすっきり致しません。

御目に掛かった時にも申しましたけれども、私は、片思いの人がおります。

ですからこの会社にいる間は、ずっとその人のことを想い続けて行きたいと思います。


これが、私の偽りのない気持ちです。

末っ子なものですから、

我儘放題わがままほうだいに育ちましたので、人の心を傷つけることにかけては、もう一流の腕前です。

おかしな言い方ですけど。

私の回りにいる人は、何かしら私のおこなったこと、あるいは言ったことで、多少なりとも傷ついているはずだと思います。

もしも、私のことで、藤田さんの心が沈むようなことがありましたら私も困ります。

あんまり考えないで下さい。

そして、もっと気楽に人生を歩んでみてはいかがでしょうか?

何も、自分から苦しむとわかっている

人生への一本道を選ばなくてもいいのではないでしょうか?


ですが

゛人生は重き荷物を背おいて 遠き道をゆくが如し゛という名言を誰かに教えてもらいましたけど。

あえて藤田さんが、この道を選ぶのでしたら、それでいいとおもいます。

自由は人間が作り出したものですから。


平々凡々と暮らしおえた一生と、自ら苦しみながら歩んできた方が、人生に生きがいを感じるかとも思われます。

私もやはり後者の方を選びたいと思うのですが、もう一人の私が、いつもいつも、引き止めて、楽な生活を進めるものですから、意志薄弱な私は、この生活に安住しております。

今のところは!


ですから、もうしばらくこのままの生活でいたいと思います。


そしてこのままの片思いでいたいのです。


もう一度会って、はっきりさせるべきなのでしょうけれども、私にはその勇気さえも消えうせてしまっているのです。


乱筆をお許しいただきたくぞんじます。

さようなら。


 ある年六月四日


  藤田 様へ


・・・・・・・・・


やっとリアル(現実)世界で出逢えた二人でしたが


出逢ったらそれで終わりになりました。


‥と、それではこの物語も終って、つまりませんね。



それで、もう一度、日記を読み返してみました。


しかし内容がいまいち解り辛くて、物語に入れることができません。



それで、また次なる、ある手紙を登場させなければならなくなりました。


申し訳けありません。


【ある手紙2号】


ある年七月二十七日記


『もう思い切ってぶつかるしかないんだ!


何にも考えずにぶつかるしかないんだ!』



・・・・・・・・・・

 前略


貴女からお手紙を頂いてから、随分と日が経ちましたが


その後、お変わりありませんか。


――――――――――× ゴミ箱


貴女からサヨナラの返事を頂いてからというもの


僕は随分と色んな事をかみしめました


貴女を憎みもしました

恨みもしました!


腹もたてました!


―――――――――

【書き替え】


もうすっかり夏が明けましたね。


若者の青春の花が、あちこちに咲き誇ろうとしています。


まばゆいばかりの、色とりどりの青春の花が ………。


それらを目の当たりにする時


僕は全身の血の気が引いたようにヘナヘナとへばり込んでしまいます。


アァ…、今年の夏も一人ぼっちで過ごすのかと思うと寂しくなります。


貴女の方はどうですか。


その後、片思いの人とはどうなりましたか。


または、またステキな彼氏にでもめぐり会えましたか。


とにかく若者である以上、青春を素直にあらわすことが一番若者らしい姿なんですよね!


それをしてこなかった僕は


今になってその青春がいとおしくてなりません。


もしも取り返すことが出来るものなら取り返したい。


自分の心に素直につきしたがいたい。


そう思ってみても、その熱した心はすぐにさめてしまいます。


今の僕は、幸せを味わうのが怖いんです!


幸せになるのが怖いんです!。


それにひたって自分を見失うのが怖いんです!


いったんは、そのようなことを味わいたくて、貴女にあのような事をしましたが


幸か不幸か、それは叶えられませんでした。


それからというもの、僕は随分と色んな事を噛みしめました!


夜もろくすっぽ(十分に)眠れないくらいに、色んな事を考えました。


妄想をいだきました!。


今ではもう現実の世界を生きてる心地もしないくらいに疲れ果てています。


もういよいよ本当に、完全に踏ん切りをつけなければならない時が来ました!


忘れるべきものなら忘れなければなりません!


それに負けて、いつまでもクヨクヨしてもいられないのです。


まだまだ、これから色んなことをしていかなければなりませんので………。


もうこれ以上、くどくどと文章を書く根気がありません。


ただ踏ん切りをつけたいのです。


貴女が駄目だからといって、他の娘に心を移そうと努力してみても


今の僕には結局、貴女しか目にはいらないのです。


僕にも、やはり好き嫌いがあるのですね。


だからそれがあう女性ひとにめぐりあうまでは、またジッと待たなければなりません………。


とにかく、もう一度だけ会ってもらえませんか。


貴女の貴重な長い人生の、ほんの数時間を僕に与えてもらえませんか?…。


それで、もう今度こそ踏ん切りがつくものと思いますので……。


これだけ書いても、チッとも僕の心は解らないと思いますので


貴女から断られて、悲しみに浸っている時に


それを慰めるために書いておいた文章がありますので


それを最後に付録として終わります。


返事を、 お待ちもうしております。




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