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一滴の波紋【原文】・1巻の1  作者: 藤田幸人(ペンネーム)
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ある日の日記・5

   5


どうですか!? 。


これまで長い長い恋文をお読みになられて、お疲れになられたでしょう。


僕も疲れました。(笑)


多少は何かをお感じになられましたか?


やっと苦しい体験を終わられたところなんですが、


恐縮ですが、もう一つの手紙を読んでいただかなければならなくなりました。(笑)


物語をスタートさせるのは、それを読んでからにしましょう。


・・・・・・・・・

【ある手紙 1号】


貴女にお会いして、お話しをしたことによって


僕はそれまで自分が抱いてきた妄想と現実とがあまりにも違いすぎていることに、想像もつかない驚きを覚えました。


(ウソだ!この人はとぼけているんだ……と思いながらも)


貴女の口から出る一言一言が、その場に立ち合う前に抱いていた思いからしては想像もつかないような、予定外の言葉ばかりでした。


『ウソだ!こんなことってあるはづがない。』と、心に言い聞かせるしかありませんでした。


しかし話が進むにつれて、それは確定的だとゆうことを認めざるを得なくなりました。


それまで膨らんでいた夢と希望とが、風船が張りつめるだけ張りつめて、その後しぼんでいくように‥


僕のそれも段々としぼんでいきました。


その後は、ただもう、こんなにも隔たりのある貴女との距離を茫然と見つめながら、


ふ‥と、これからどうなるんだろうとゆう不安が僕の心色こころをぬりかえました。


まったく明と暗の境を貴女と共に過ごした訳です。


成り行き的に仕方なくされた事にせよ、僕にこのような時間を与えて下さった事を感謝いたします。


これから僕は、いまだふんぎりのつかない心をハッキリとさせるために、


この先、この仕事を終えるまで大分と貴女にご迷惑のかかる卑文をさしあげることになると思いますが、


どうか最後まで僕のわがままをお許しください。


どうにもこの事の踏ん切りをつけるまでは、この先、自分が進むべき道が見えないのです。


どう生きていったらいいのか分からないんです。


そんなにまで考え込むことはないでしょうと、貴女は言われるかもしれません。


そんな考えで生きていたんでは、とても息がつまりそうで、かえってギコチない生き方しか出来ないとおっしゃるかもしれません。


確かにそうなんです。

考えれば考えるほど、自分の生き方がギコチなくなっていくのを、僕は過去を振り返ってみてツクヅク思うんです。


例えば、人と話す場合において、相手のことを気遣いすぎて、


どう話すべきか?こう話したら良いだろうか、ああ話したら良いだろうかと、思い煩いながら事に接すると、どうも言いたいことが言えない。


思うように言えない。


返って何もそのような事を考えないで言った方が、わりとスムーズに言いたい放題に言えるというような場合があるのと同じように、


こんなに考えすぎないで、もっとリラックスして生きていったら割りと自分が思っているような生き方ができるのかもしれません。


ある人が言っているように、人生のことを考えるのは四十才を過ぎてからで良いと……。


僕はあまりにも早く 人生の事に手をつけ過ぎたのかもしれません。


それによって若者の自由奔放に生きれるべき我が身が拘束されて


それによって絞め殺されようとしています。


このような事を考えているのは僕一人ではないと思います。


現代の多くの若者が、この煩わしい難問題を背負って、その重みに押しつぶされようとしているのではないかと思います。


その原因はやはり、今の若者にとって、その目的を見つけにくくしている、現代の混迷した社会のあり方にあるのではないかと思います。


そのあり方を今後どうしていくべきか云々のことは‥





と‥、あぁ‥、どうも貴婦人方には、あまり興味のない事を話してしまって勘弁して下さい。


退屈な思いをされたことと思います。


とにかく僕は、事をいい加減に済ませることが出来ない、病的な性分を持っていますので、


この事がこの先の(これまでの事もそうですが)人生を生きていく僕に、大きな負担になってくるものと思います。


しかし僕は、己がこの世に生まれ落ちた時から、どうも避けられない、こういう運命を背負っているんだという事を知った時、


それならトコトンこれに従っていくしかない


考えて、考えて、考え抜いて、事を解決出来るか?‥


それとも解決できないで気が狂うか?‥


または、そういった運命の重みに押し潰されて、自殺でもするかといった、


人間にとって最も困難と思われるべき極限の底を歩いてみようと覚悟しました。


人間の持って生まれた業というものは、どうにもならないものですから‥


それにトコトンぶつかっていくしかないのです。






などと‥、四角四面な事を呟いてきましたが、


実際には、口に出すほどに本人の自覚は定かではないのです。


『えぇくそ! こんなこと、くそ食らえ』‥


と‥ばかりに、自暴自棄になることがほとんどなんです。


返って、人よりも事の解決をいい加減に済ませ、でたらめに生きているのかもしれません。


時たま、思い詰めた時に、こういったてあいの事を考えるに過ぎません。


また先ほど、他の若者の生き方が羨ましいなどと言いましたが…




そんな言い訳をするくらいのもんです。


このように、なんやかやで思い悩むことも、あるいは一つの若者の特権かもしれませんね。


反面の、自由奔放に生きているのも、一つの若者の真の姿かもしれませんが、


このように思い悩んでいくことも、また若者の反面の真の生き方かもしれません。


僕は運悪く後者の生き方を望みました。


だからこのまま、この生き方をしていくのに悔いはないんです。


返って誇りにさえ思っているんです。


などと、またウソぶいてしまいます。


・・・・・・・・・

(挿入文)以下の文章は何処に入れて良いか解らなくなりましたので、ここに強引に入れておきます。

・・・・・・・・・


今は、この卑文が貴女のひまつぶしの役にでもたつことが出来たなら、僕はそれだけででも幸せと思わなければならないのです。


などと何ともこのような言葉を吐いていると、今の自分の惨めな立場が情けないやら腹立たしいやらで、涙が出てきそうにもなりますが……。


あぁ、すみません。


つい、愚痴をこぼしてしまいました。


これ以上、貴女にご迷惑のかかることは、できるだけ避けなければなりませんでした。

許して下さい。


このような言葉使いをしていると、何となく貴女も感ずかれつつあると思いますが、僕の心は現代っ子らしくないのです。


今の素晴らしく自由で開放的になっている、男女間の交際の仕方を、僕の心は知らないのです。


その心を知らないのです。


だからといって、すべてがすべて、自由で開放的な交際を良しとする気持ちにもなれませんが。


しかし程よい、それでしたら賞賛すべきことと思います。


今は、自分の心の状態を分析しているところですから、今の自分の心がどのようなものであるか?…。


簡単に説明しましょう。


それは例をあげれば戦前の男‥


・・・・・・・・・

挿入文はここまでです。

・・・・・・・・・


とにかく今は、貴女と紙面の上だけででも、こうして話ができるようになった事が、唯一の楽しみなんです。


どうか、もうしばらくこの楽しみを、僕から取り上げないでください。


お願いします!。



とにかく、いまだ僕が言いたいことは話せていません。


それを言うには、その間、色々な無駄口を叩かなければならない事を許して下さい。


時には、まったく退屈をされる事がしばしばあると思いますが、寛大なお心を持って許して下さい。


この頃、とんと本も読みませんし、漢字が思い出せなくて弱っています。


辞典もないし、当分解らないところは、ひらがなで記す事を許して下さい。


貴女に関わることで、僕がこれまで妄想を抱いてきたことは、折を見て必ず書きたい。


それを、お読みになったら、きっと腹を抱えてお笑いになることでしょう。


そして、それによって現実を知ってからの僕の気持ちの変化も、少しはお解りになることと思います。


今はそれを書いて読んでもらうことを、一番の楽しみとしています!。




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