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一滴の波紋【原文】・1巻の1  作者: 藤田幸人(ペンネーム)
35/41

ある日の日記・35

三十五回



 僕はフッと気が抜ける時がある。

 まったく力が出ず、元気が無くなる時がある。


 昨日ギターを弾いた時の事である。

 もう俺にはギターを手にするのが怖い。

 昔、あんなに一生懸命やっていて、うまかった時があったというのに。

 もう久しく練習もせず、ほったらかしにしていると、指も動かなくなり、すぐに疲れてしまう。


 何にもギターを弾いたことのない人達にとっては、少しはうまいという感じを受けてもらえるかも知れない。

 しかし弾いている本人にとっては、こんなにもヘタになって弾いていることは、とても恥ずかしく、苦しいことなんだよ。

 また練習をしさえすればウマクなるとは思うが。

 しかしもう俺には、その情熱が湧いてこない。

 やるだけのことをやって、それでダメだということが分かったら、もう手にする気にもならない。


 まぁ、そんなことを言わないで、趣味的にでも気楽にやっていったらいいじゃないかと言うかもしれない。


 しかし俺の性分としては、そのような半端な気持ちでやることができないのだよ。

 ダメならダメで、まったく手にする気にもならない。

 しかし君が、ヘタでも良いから少し教えてくれとでも言ってくれたら、自分の出来る限りのことは教えてやろうとは思うが‥‥

 君がギターを弾くのに興味を持って、楽しくやるのだったら僕もまた嬉しいと思う。

 ある程度のワク内でとどめておく気さえあったら、そのワク内で充分楽しめるものだと思う。


 だからこの機会にやってみたらどうだろうか?‥‥


 しかし俺にとっては、もうあまり手にする気にならない。

 まだ他に一杯やるべき事があるし、これで時間をくうのは、あまり気が進まないから。


【その時の会話】


声→『あれくらい誰だって弾けるよ、藤田さん、音楽家を目指していたというのはウソだよ』


『いや、やっぱりウマイよ。あれは実際ギターを弾いている者でしか分からないよ。あんなに指が開くなんて、たいしたもんだよ。なかなかあそこまではいかないんだよ』


『今日はギターの音色が悪い。今まで弦を張りつめたまま、ほったらかしにしていたので悪くなったんだよ!』


 ‥云々、色々、ウマイ、ウマクないのと論議していたようであるが。

 そのようなこと、俺にとっては構わないことだ!

 ただ俺も少しはギターを弾けるということだけでも分かっているのだったら、それで良いことさ!

 ウマイ、ヘタなんて、もうその道を目指していない者にとっては、まったく興味のないことだから‥‥ねぇ。


・・・・・・・・・


 その後、飲みに行ったが、やっぱり沈んだ気持ちはなおらず、

 また、むこうの人達に悪い印象を与えてしまった。


 その時はもう本当に何とかしてくれ!と大声をはりあげて叫びたい心境だった!

 もし君達の居場所でも分かっていたら、怒鳴り込んでいきたいような気持ちだったよ!


 また昨日のオ●ニーをして見せたことで、色々、会話をしていたね。

 本当はやる気がなかったのに、君が『やってくれなければ、もう言わない』と言ったので仕方なくやった‥‥

 のだ!


 それでその中に、まだ男のモノを一度も見たことのない娘が居たそうだね。

 それでそれを見て驚嘆したそうな‥‥


声→『男のって、すごいのね!』


『あんた見たことないの』


『うん、一度もないの』


『バカねぇ、ウフフ』


『すごいわねぇ~、黒光りしてるわ』



 ‥何で俺は、このようなバカなまねをしていなければならないのか?

 やってしまったことは仕方がないやぁ~、とあきらめた。

 それでも少しは彼女達の為になることもあるだろうと、それでその気持ちを慰めた。


 本当に何にも知らない娘よ! 何か為になったかい!?

 今までの美しい夢でも壊れたかい?

 実際、男も女もたいした生き物ではないんだよ!


 ただそれでも(美しい)夢を見ていたいといって、見ていく人も居るだろうが。


 まぁ、それはその人達の好き好きさ!


 俺も昔、ものすごく美しい夢を見ていた時があった。

 しかし女のもの(ストリップ劇場に行って知ったもの)を知ってからは、一時、ものすごく毛嫌いするようになった。


 あんなに美しい姿をしていて、あんなに汚ならしいものをつけているとは‥‥

 よくそれで平然とした顔をしていられるなぁ~‥‥

 などと呟きながら、それまで見てきた美しい夢をバカにし、嘲り笑っていた時がある。


 しかしそれも時がたてば何のことわなくなる。

 たとえ現実を知り、お互いのくだらなさを知って、それまでの美しい夢が壊れても、またそれで素晴らしい世界が開けてくるものなんだ。


 たとえそのような美しい夢とはほど遠いものにせよ、また違った世界にそれと違った素晴らしさが開けてくるものだと思う‥‥

 今はそれだけである。


 ただ、今の自分においては、たとえそのようなことを知っても、一時そのようなことに悩まされれた時があっても、やはり時が流れて、それを知りつつ美しい夢ばかり見ている。


 実際、現実に入っても、これは決して壊れることはないだろうし、たとえお互いつまらない生き物だとしても、自分としては美しい夢を見ていきたい‥‥

 と思う、一生!

分かりますか?‥


 だから俺は日頃、そのことを何にも知らないような無邪気な態度をとっている。

 それは決して芝居なんかでわないんだよ。 あくまで自分としては美しいものにしておきたいし、出来るだけ、そのようにしていきたいと思うから。


 もうイヤらしく思い詰めることに慣れてしまった者からしては、

まったくそのようなことを知らない奴で、バカだなぁ~っと受け止められるかもしれない。

 しかしこう言ってみて、自分の気持ちを知った者からしては、

また、自分からしては、返って彼、彼女等をバカにしたいような気持ちである。


 彼等こそ、まったく性に関して何にも知らないんだ、本当の楽しみ方を知らないんだと言いたい‥‥!


 分かるかね! チミ達に‥‥



 こう言っても、前にも言ったように、僕はこれまで恥ずかしながら一度もセックスをしたことがない。


 正真正銘の童貞なのだ!


 女をたぶらかしたことなど一度もない。


 やりたくても出来るわけがないよねぇ。


 ド胸がないんだから‥‥と言うこと。




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