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一滴の波紋【原文】・1巻の1  作者: 藤田幸人(ペンネーム)
30/41

ある日の日記・30

三十回



 今日は音楽も流さず、また固い話しばかりして、つまらない時間を過ごさせてしまいましたね!


本当に済まないと思っています。



 もう、どうしても取り返しのつかない事にでもなっているのだったら、


それも仕方のないことだし、諦めるしかありませんが。


 しかしそれでも……


それでも良いのです。


 どうして誰も……


何も自分にじかに言ってはくれないのでしょうか?


 じかに言ってくれさえしたら、自分の心は本当にサッパリして、踏ん切りがつくとゆうのに……


しばらく様子をみてみます。


 今の自分には、本当に事がどうなっているのか? とんとつかめませんので……


 それから田舎へ帰るなり、また他の娘でもみつけて、ここにとどまるようにするかもしれません。


・ ・ ・ ・ ・ ・


ある年九月十一日


(田舎へ)帰ろうか?……帰りたくない!

帰ろうか?……帰りたくない


帰ろうか?……やっぱり帰りたくない!



(彼女を)諦め(あきらめ)ようか?………諦め(あきらめ)きれない


諦め(あきらめ)ようか?………諦め(あきらめ)きれない


諦め(あきらめ)ようか?………やっぱり諦め(あきらめ)きれない!



(寮に)来ているのだろうか?……来ていないのだろうか?……

来ているのだろうか?……来ていないのだろうか?


来ていないのだろうか? ……来ているのだろうか? ……やっぱり来ていないのだろうか?



(妄想)ウソだったのだろうか? ……本当だったのだろうか?


ウソだったのだろうか? ……本当だったのだろうか? ……


やっぱりウソだったのだろうか?



 今は訳の分からない、複雑な心境で、この先どうしていったらいいのか分からない!


 …こんなことを言うのは、男としてあまりにもふがいなさ過ぎると思いますが、


しかし俺にとっては、どうしようもなく、こうでなければ生きていけない!


・ ・ ・ ・ ・ ・


‥男(自分)は機械であり

女(彼女)はエネルギー(原動力、電力)である。


 いくら優れた機械であっても、電力を通してやらなければ、その優れた機能は発揮されない。


電力なしにはその優れた機械は生きることが出来ない。


 今の自分にとって、自分を生かしてくれる彼女が欲しい。


このまま電力を通さず、サビついていくのは耐えられない。


・ ・ ・ ・ ・ ・


 ‥女は男にとって、水、空気みたいなものである。


普段それが満たされている時には、その貴さが分からない。


しかしそれが一端いったん枯れてしまうと、男は生きては生けない。


今のこの渇ききった自分には、水、空気が必要である。


・ ・ ・ ・ ・ ・


 ‥女は人形使い師、男は人形


人形使い師なくしては、人形はおどれない。


今の自分には、人形使い師が必要である。



 今までは、このように日記をつけていても、音楽を流していても、


また、生活をしていても、

いつも彼女がそばに居てくれているということで、心に張り合いというものがあった。


 しかし今は……


彼女を失った今の生活は、とても味気ない、張り合いがない。


 早く来て欲しい


そのように生き甲斐のある生活が……


 このような言葉を吐いている自分が、あまりにもふがいなく思えて悲しい。


 どうして俺には、彼女が持てないのか?


彼女がつかないのか?

不思議でならない……

 他の連中は、あんなに簡単に持てているというのに……




 俺の妄想も頂点に達した。


・ ・ ・ ・ ・ ・

 古川氏には悪いことをしたと思っている。


 本当にてっきりそうだとばかり思って、


傍若無人に乱暴に戸をたたいて、彼には済まないことをしたと思っている。


そうまでしても彼が何も腹を立てずに、平穏にむかえてくれたことによっても、


やはり今まで彼を誤解していたんだと思う。


 話が一応まとまって、彼が音を低くして聞いているのをみると、


何だか可哀想に思えてきた。


さりとて、また高くならされたんでは、こっちもイライラしてしょうがない。


 まぁ、今後はお互いに迷惑をかけないように気を使っていこう。

※隣の住人で、ステレオの音を高々と鳴らしていたので、てっきり嫌がらせをしているのではないかと腹を立てて、隣に怒鳴り込んでいった顛末です。


・ ・ ・ ・ ・ ・

【話しは、ごろっと変わります】


 ママさんが、そのように思ったのは悲しいことだ!


声→『あの子はただ顔見知りだったということで来ていたのよ』


‥そう言われれば、そのような気にもなったが、


しかし、俺は今まで書いてきたように、そのように思いたくて、そのつもりで行っていた。


 ただママさん達の心が、ハッキリ分からなくて、そう思っていることを下隠しに、時を過ごして来た。


 本当は……


 本当に俺の思っているように、ママさん達も思っていてくれれば良いがなぁ~っといった、

遠慮じみたジレンマにさいなまれながら来てしまった。


 この先どうなるか分からない。


 この土地を離れるようにでもなったら、


一番悲しいことは、やはりママさん連中と別れることだろう!


心残りとなるのは……


 それと、あとやはりモタイさんと、

それに随分お世話になったような気がする、山口さんとのこともハッキリさせず


このまま済ましていっていいものか迷う。


 誰も、何も言わないので、どこまでが本当で、どこまでがウソなのか? サッパリ分からない。


 しかし今後、誰も何も言ってくれなかったら、

このままで終わってしまうだろう……多分たぶん

※山口さんとは? 一階の発送の詰め所に、よく行っていた事務員さんで、僕の日記を寮から持ち出して、女の子達に見せていたと思い込んでいる女性で、もう一つ、異母きょうだいの姉さんと思っている人です。


 もうこうなったら処置なしである。


何をやっても、どうしても、勝手に彼等から判断されてしまう。


 彼等が判断していることは、まったく自分の心を理解してくれないような気がして悲しい。

・ ・ ・ ・ ・ ・


 声→『あんな良い娘を泣かすなんて、藤田さんも罪な人ねぇ~』


(昨日のこと)

‥ちよっとやり過ぎたかなぁ~と、後悔の念で、


彼女が可哀想に思えた。


 本当は、本当に、とても良い娘だろうと思う!


 それだけに、今まで思い詰めてきたことを振り捨てて、諦めざるを得ないことが悲しい!


 あんなに好きになる娘も、やはりめったにいないことだろう!


・ ・ ・ ・ ・ ・


声→『スポーツ万能というのは、あれはうそだって』


‥イヤっ!? うそじゃないんだ!


中学の頃までは、そうだった。


しかし高校へ入ってから、まったく全てのことに自信を無くして、


それでスポーツの方も自信を無くし、


高校の頃は、振るわなかっただけの話である。


 高校の先生に聞いても、高校の時分の俺の姿しか知らないので、そのような言葉しか出なかったんだと思う。


 あの頃、もし自信でもあったら、自分の持てる力を発揮して、きっとスポーツ万能の自分の姿が写っていたことだろうと思う。


負け惜しみではなく。


 しかし今さらこのようなことを言ってみたところで始まらない。


過去のことは、所詮、過去のことにしか過ぎないのであるから……!


声→『藤田、あんな顔しているけど、●●商業高校の最優等生だって!? あんな生徒はまれにしか見られないって、今でも他の先生方の中で語りぐさになっているって!』


『クソ真面目なくらい真面目な生徒でしたよ』


『その高校は、よっぽど質の悪い学校なんだなぁ』


『藤田さんって、たいした人なのねぇ』


『ウチ付き合えば良かった!』


『モタイのことは、自分がどれだけ成長しているか、ためしてみただけなんだって!』


『自分を鍛えるために、今までそのような態度をとってきたんだって』





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