ある日の日記・30
三十回
今日は音楽も流さず、また固い話しばかりして、つまらない時間を過ごさせてしまいましたね!
本当に済まないと思っています。
もう、どうしても取り返しのつかない事にでもなっているのだったら、
それも仕方のないことだし、諦めるしかありませんが。
しかしそれでも……
それでも良いのです。
どうして誰も……
何も自分に直に言ってはくれないのでしょうか?
直に言ってくれさえしたら、自分の心は本当にサッパリして、踏ん切りがつくとゆうのに……
しばらく様子をみてみます。
今の自分には、本当に事がどうなっているのか? とんとつかめませんので……
それから田舎へ帰るなり、また他の娘でもみつけて、ここにとどまるようにするかもしれません。
・ ・ ・ ・ ・ ・
ある年九月十一日
(田舎へ)帰ろうか?……帰りたくない!
帰ろうか?……帰りたくない
帰ろうか?……やっぱり帰りたくない!
(彼女を)諦めようか?………諦めきれない
諦めようか?………諦めきれない
諦めようか?………やっぱり諦めきれない!
(寮に)来ているのだろうか?……来ていないのだろうか?……
来ているのだろうか?……来ていないのだろうか?
来ていないのだろうか? ……来ているのだろうか? ……やっぱり来ていないのだろうか?
(妄想)ウソだったのだろうか? ……本当だったのだろうか?
ウソだったのだろうか? ……本当だったのだろうか? ……
やっぱりウソだったのだろうか?
今は訳の分からない、複雑な心境で、この先どうしていったらいいのか分からない!
…こんなことを言うのは、男としてあまりにもふがいなさ過ぎると思いますが、
しかし俺にとっては、どうしようもなく、こうでなければ生きていけない!
・ ・ ・ ・ ・ ・
‥男(自分)は機械であり
女(彼女)はエネルギー(原動力、電力)である。
いくら優れた機械であっても、電力を通してやらなければ、その優れた機能は発揮されない。
電力なしにはその優れた機械は生きることが出来ない。
今の自分にとって、自分を生かしてくれる彼女が欲しい。
このまま電力を通さず、サビついていくのは耐えられない。
・ ・ ・ ・ ・ ・
‥女は男にとって、水、空気みたいなものである。
普段それが満たされている時には、その貴さが分からない。
しかしそれが一端枯れてしまうと、男は生きては生けない。
今のこの渇ききった自分には、水、空気が必要である。
・ ・ ・ ・ ・ ・
‥女は人形使い師、男は人形
人形使い師なくしては、人形はおどれない。
今の自分には、人形使い師が必要である。
今までは、このように日記をつけていても、音楽を流していても、
また、生活をしていても、
いつも彼女がそばに居てくれているということで、心に張り合いというものがあった。
しかし今は……
彼女を失った今の生活は、とても味気ない、張り合いがない。
早く来て欲しい
そのように生き甲斐のある生活が……
このような言葉を吐いている自分が、あまりにもふがいなく思えて悲しい。
どうして俺には、彼女が持てないのか?
彼女がつかないのか?
不思議でならない……
他の連中は、あんなに簡単に持てているというのに……
俺の妄想も頂点に達した。
・ ・ ・ ・ ・ ・
古川氏には悪いことをしたと思っている。
本当にてっきりそうだとばかり思って、
傍若無人に乱暴に戸をたたいて、彼には済まないことをしたと思っている。
そうまでしても彼が何も腹を立てずに、平穏にむかえてくれたことによっても、
やはり今まで彼を誤解していたんだと思う。
話が一応まとまって、彼が音を低くして聞いているのをみると、
何だか可哀想に思えてきた。
さりとて、また高くならされたんでは、こっちもイライラしてしょうがない。
まぁ、今後はお互いに迷惑をかけないように気を使っていこう。
※隣の住人で、ステレオの音を高々と鳴らしていたので、てっきり嫌がらせをしているのではないかと腹を立てて、隣に怒鳴り込んでいった顛末です。
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【話しは、ごろっと変わります】
ママさんが、そのように思ったのは悲しいことだ!
声→『あの子はただ顔見知りだったということで来ていたのよ』
‥そう言われれば、そのような気にもなったが、
しかし、俺は今まで書いてきたように、そのように思いたくて、そのつもりで行っていた。
ただママさん達の心が、ハッキリ分からなくて、そう思っていることを下隠しに、時を過ごして来た。
本当は……
本当に俺の思っているように、ママさん達も思っていてくれれば良いがなぁ~っといった、
遠慮じみたジレンマにさいなまれながら来てしまった。
この先どうなるか分からない。
この土地を離れるようにでもなったら、
一番悲しいことは、やはりママさん連中と別れることだろう!
心残りとなるのは……
それと、後やはりモタイさんと、
それに随分お世話になったような気がする、山口さんとのこともハッキリさせず
このまま済ましていっていいものか迷う。
誰も、何も言わないので、どこまでが本当で、どこまでがウソなのか? サッパリ分からない。
しかし今後、誰も何も言ってくれなかったら、
このままで終わってしまうだろう……多分
※山口さんとは? 一階の発送の詰め所に、よく行っていた事務員さんで、僕の日記を寮から持ち出して、女の子達に見せていたと思い込んでいる女性で、もう一つ、異母きょうだいの姉さんと思っている人です。
もうこうなったら処置なしである。
何をやっても、どうしても、勝手に彼等から判断されてしまう。
彼等が判断していることは、まったく自分の心を理解してくれないような気がして悲しい。
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声→『あんな良い娘を泣かすなんて、藤田さんも罪な人ねぇ~』
(昨日のこと)
‥ちよっとやり過ぎたかなぁ~と、後悔の念で、
彼女が可哀想に思えた。
本当は、本当に、とても良い娘だろうと思う!
それだけに、今まで思い詰めてきたことを振り捨てて、諦めざるを得ないことが悲しい!
あんなに好きになる娘も、やはりめったにいないことだろう!
・ ・ ・ ・ ・ ・
声→『スポーツ万能というのは、あれは嘘だって』
‥イヤっ!? 嘘じゃないんだ!
中学の頃までは、そうだった。
しかし高校へ入ってから、まったく全てのことに自信を無くして、
それでスポーツの方も自信を無くし、
高校の頃は、振るわなかっただけの話である。
高校の先生に聞いても、高校の時分の俺の姿しか知らないので、そのような言葉しか出なかったんだと思う。
あの頃、もし自信でもあったら、自分の持てる力を発揮して、きっとスポーツ万能の自分の姿が写っていたことだろうと思う。
負け惜しみではなく。
しかし今さらこのようなことを言ってみたところで始まらない。
過去のことは、所詮、過去のことにしか過ぎないのであるから……!
声→『藤田、あんな顔しているけど、●●商業高校の最優等生だって!? あんな生徒はまれにしか見られないって、今でも他の先生方の中で語りぐさになっているって!』
『クソ真面目なくらい真面目な生徒でしたよ』
『その高校は、よっぽど質の悪い学校なんだなぁ』
『藤田さんって、たいした人なのねぇ』
『ウチ付き合えば良かった!』
『モタイのことは、自分がどれだけ成長しているか、ためしてみただけなんだって!』
『自分を鍛えるために、今までそのような態度をとってきたんだって』




