ある日の日記・28
二十八話
次男は、淡路島にいて、お袋と一緒に住んでいます。
前はブルドーザ、重機関係の個人経営をしていましたが、
それがつぶれて、今はただブルドーザ、クレーン車などに乗って仕事をしています。
また、創価学会の男子部長とやらをしていますので、田舎へ帰っても、こごとばかり聞かされます。
四男は長崎にいて、本当に恵まれた家庭を持っています。
今度、会社から借金をしてでも自分の家を建てたといって手紙をよこしてくれました。
この兄貴が一番幸せな人です。
あのような大きな会社に入れたのは、野球がうまくて、それで引っこ抜かれて入れたのです。
今でも社会人野球で、いわば高校野球の選抜野球みたいにして、九州代表として来れるくらいのチームにいます。
そしてサードで四番を受け持っています。
実に幸せな人だと思います。
今のところ特別悪い人といえば、病院通いをしている長男くらいのものてす。
それほどムチャクチャな兄貴達ではないのです。
これで誤解が晴れただろうか!?
もう前のケンカのことを書くのはよします。
疲れました!
君が‥君達が‥、僕の前に現れない限り、また気が向きしだい色んなことを書いていこうと思っています。
とにかく月末まででも‥
本当にもう今は、君の気持ちがサッパリ分かりません。
たまに声は聴こえてきますが、それだけで君の気持ちを推察することが出来ません。
本当に君はどこまでの気持ちでいるのだろうか?‥
そしてこの先、どうしていこうというのか!?
今の僕には、他人事のように成り行きを見ていくしかならなくなりました。
今日まで巡り会えることが出来ませんでしたし、
明日また、どのように皆から思われることか?‥
そしてまた、どのような笑い者にされるのか?‥
ふて腐れてみれば、何だか愉快な気持ちにもなります‥‥
などと強がりを言っておこう。
本当は、もうこんなに煩わされたくないのだが‥‥!!
【夜 9時 記す】
さっき風呂で高瀬氏に会ったから、モタイさんの事を聞いてみた。
「やっぱり断ってくれってよ、まだ俺と付き合ってるんだよ。 他に違う娘でも捜した方がいいよ」と言った。
僕はこれまで妄想していたことを下隠しにして、それでまた言った。
「俺はまだ諦めることが出来ないんだよ。どうして自分の口から言ってくれないのかなぁー」
「やっぱりバツが悪いんだよ、あいつもまったく男付き合いを知らないしなぁ~、田舎出だから。そんなことよく分からないんだよ。高校の時も、一人も付き合ったことがないんだって」
「‥‥‥‥」
ここまで聞いたら、もうどうしようもなく、今までのことが全て妄想だったと決めつけるしかないのだが…?
しかしシックリいかないなぁ~!
あんなにアリアリと現実の事のように思っていたことが。
実際は、このようでしかなかったとは‥‥
ここまで僕の方には心の準備が出来ていたというのに‥
それがまったくパァになるとは
信じられない……
本当に……
彼女がそんな事だったら、諦めるのは辛いことだが、
もしこの日記を読んで、付き合ってもいいという娘でも出て来てくれたら良いのになぁ~
もうこうなったら、所帯を持つことなど捨て去らなければならないし、
それで、また、一からやり直しになる。
誰か付き合ってくれる娘は居ないものか!?‥
本当にこのようなことをしてきて、もし、モタイさんでない女性だったのなら、それでも構わない・・・
今は何が何だか分からなくなった!‥‥
もうこれで、自分になすすべはなくなった。
この先、何事も起こらなければ彼女のことは諦めなければならないし、
また、今までのことも、全て妄想だったというふうに決めつけるしかない。
それでも、たとえ彼女がその様なことは、まったくしていないと言ったって反発のしようがないし、
何しろ、僕の方として、何も確信できる材料など一つもないのだから……ねぇ
本当に卑怯な女だよ
君は……
高瀬氏の話を聞いた後、ホントに本当なのかなぁ~~っと、
どうしようもなく信じられませんでした。
本当にそうだったら、今度こそ田舎へ帰る覚悟でもしておかなければいけないなと思いました。
その後の会話、自分勝手な妄想の会話のことです※(実際、僕の耳に入ってきてるように感じてる会話のことです)
声→『どうしてあんな事を言ったのよ!』
『知るか!俺にも分からないんだよ!!』
『藤田さんがあきらめたらどうするのよ』
・
・
などと自分勝手な妄想を思いめぐらしました。
この言葉が本当だったとしたら、やはりまた、その言葉をうのみにして僕の妄想がいきずいてきます。
『本当に信じてるとは、藤田さんも正直な人だなぁ~』
『ばかねぇ~、藤田さんって!? もう結婚の手続きまで済んでいるというのに』
『ウソだってこと知ってるわよねぇ!』
・
・
・
‥僕はそのような妄想の会話を聞いても、もうだまされないぞ! その手にのるかと思い、
知らんぷりして、
もう事が全て終わったんだという態度を取りました。
イヤ‥!本当は本当に、もう全て今までのことは妄想だったんだと思おうとして、
これまでの奇怪な出来事を思い起こし、懐かしみ、そして闇の中にほうむろうと努力しました。
・
・
あんなにアリアリとして起こっていたことが‥
ここまで来ていたと思っていたことが‥
全てパァになるとは思えないし、これからどうしていこうかと途方にくれました。
本当にもう僕にはなすすべはないし、
昨日は‥どうなるかが楽しみだと強がりを言いましたが、
本当は、あの時も、また今でも、君の事があきらめられないでいるのです。
今日はまた、この日記のことで色々問題があったことと思います。
「藤田さんのお兄さん、ヤクザの一歩手前だって」
「あんなに無邪気な姿をしていて、とてもあんな兄さんがいるとは思えないなぁ~~!」
また 彼いわく
「藤田さんがあやまったら許してやるよ!」
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・
‥俺がいったい彼に何を謝れというのか!?
彼→「気が小さいくせに生意気にも俺をバカにした」
・
・
気が小っちゃいからって、手前に頭を下げなければいけないという法がどこにあるとゆうのか!?
手前がそうすればするほど、お前の人間性が低いものになっていくんだ~~!!
などと強がりばかり思いめぐらしていた。
本当は、彼の話によって、彼のダチが呼び出しでもして、痛い目でもあわそうかという言葉を感じていたので、
半ば俺の気持ちもドキリとしていた。
ちょっとやりすぎだったかなぁ~ と、
後悔の念が沸いても来た。
しかし… まぁ‥
彼のことをけなしたことは悪かったと思うが、
しかし彼の方も、今まで再三、俺のことをけなしてきたし、
その点だけみても、言い合っても、チッとも自分の方に不利になるものはない。
また僕の言った内容の事においても、言い合ったら、決して自分は負けるほどの辻褄の合っていないことは言っていないし、
自分の考えを押し通すことが出きると確信している。
それでどうして自分の方から彼に注意を与えに行かなかったかという事であるが
それはやはり、そこまでするほどに、自分の腹が立たなかったこと、
それにまた、やはりそれを言いに行く度胸がなかったのである。
また、面倒臭くもあったし、それでこのような事をした。
言い合っても決して負けるような点はないし、この事で腹を立てて来たら、
その時は肝をすえてのぞもうと覚悟をしていた。
しかしやはり、彼のやり方は大人げないやりかただと思う。
たとえ気が小っちやくとも、気の大きい者が、それをしいたげ押さえつける権利は何もないし、
気の小っちゃい者は、気の小っちゃいなりに、
精一杯生きようとしていたら、
その人間性を卑下することなく、その存在性を、余裕を持って認めてやるべきではないのかと思う。
いわば別に、彼の人間性を卑下したわけではない。




