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一滴の波紋【原文】・1巻の1  作者: 藤田幸人(ペンネーム)
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ある日の日記・27

二十七話



 僕が昼間、マンガを見たことを知っていますか?……


 自分が望んでもいないのに、生まれ持った姿が背むし男で、顔も気持ちが悪いくらいのみすぼらしい姿です。


 このことは、これまで書いてきた 兄貴達の生い立ちとよく似ています。


自分が望んでもいないのに、そのようなものを押し付けられた


それによって、大人になるまでに、どれほどの世間の冷たさと、苦しさを受けてきただろうかと思います。


それによって人間性が歪められることが、どれほどの力を持っているか? 


が、少しは分かってもらえただろうか?


 そのような醜い男女も、美しい男女に憧れる気持ちは同じだし、


それを否定する権限は誰にもないのです。


 僕はそのような人達を、自分の身内に見てきました。


だから必要以上に、それを気にしてしまうのです。


 君には、その人達の気持ちを少しでもくめる心を持ってるだろうか?


持っていなければ悲しいと思うのだが!


 もう今日はこのままで終わると思います。


 この先、事がどう発展していくのか? 


今の自分には、皆目、見当もつきませんが


 しかし、今月一杯だけでも待っていてみようと思います。



 また、兄貴達の事で一つ弁明をしておかなければなりません。


後々、誤解することになりますので‥‥


 ただ兄貴達の悪い面ばかりを言ってきましたが、


実は、僕達の血からして、いくら悪くなっても、真の悪者にはなれないのです。


いわば人間が良すぎるのだと思います。


 今まで、彼等がただ何の理由もなくケンカをしてきたことを書いてきましたが


しかし、彼等の人間性を知っている僕から見たら、


決して兄貴達が悪いようなケンカは一つもないのです。


ただ腹がたったら、それを抑えることができず、


すぐにケンカをするのが‥‥


ただそれだけが悪いのです。



 君達は知っていますか?


このように安定した家庭を持ち、平穏に、いかにも人間らしい姿をしている人達が、


もし僕の兄貴達のような者を目の前にした時、どのような目つきをし、


そしてどのような態度をとるか? 想像がつきますか?


それはまったく相手がそのようにならざるを得なかった生い立ちなど、微塵も理解しようとはせずに、


ただ、人間としての存在を認めて見るのも、けがらわしいといわんばかりの目つきで、


その人達の存在を否定してしまうのです。


 それなのに、腕力にはかなわないからということで、


通り過ごして、後でつばをはくような始末なんです。



 しかし全部が全部ではありません。


そのような立場にありながら、兄貴達の存在性を認め得るほどの心の広い人にだったら、


彼等は、なにもしないし、心を開くことも出来るのです。


 しかし何かをやるといったら、やはり前者のように白い目で見る人達です。


 もし例をあげれば‥


 これは実際、僕が田舎へ帰って兄貴達と同伴してぶつかったケンカのことですが‥‥



 しかし、まぁ‥


 いくら兄貴達の味方をしようとしても、やはり人を傷つけ、ケンカをすることは、いけないことだと思いますね!?


 あぁー! 


 また、前もって断っておかなければなりません。


「藤田さんの兄さん、ヤクザなんだわ!」


とゆう言葉が聴こえてきましたので‥


 それほど悪いのは、長男と三男のことです。


それも長男の方は、今年三十六歳にもなったので、


もう昔のような、無鉄砲さなど微塵みじんも推察することが出来ないほどおとなしく、まじめになっているのです。


 ただ昔、ケンカで受けた刃物の傷が災いして、あまりきつい仕事もできず、病院通いをしながら細々と暮らしています。


 その兄貴のように、昔あんなに腕力ではば(〇〇)をきかせていた者が、


年をとっていくうちに、その力が衰えていって、


今では哀れなほどの姿を見ていると、


マァー! 可哀想にも思いますが、


やはり腕力、力で若い頃、制していても、


何の価値もないとゆうことを知らされます。


 また、三男の方は、今年三十一歳で、まだバリバリ男の世界で幅をきかせています。


 人に聞いたことがありますか?‥


それがいわば、小さい頃から僕を一番よく可愛がり、今でも目に入れても痛くないほどに可愛く思っている(‥という?)


なかし(〇〇〇)の大親分さんです。


 男の世界といっても、何もヤクザの世界ではないのです。


血の気の多い、アラッぽい男の集まっている世界なのです。


 僕と、上二人の兄貴と一緒にとっている写真を見ましたか?


その一番右の兄貴がそうです。


 彼は一番弟思いで、二十歳頃までは、そんなに酒を飲んでケンカのできる人じゃなかったのです。


しかし酒に酔いしれ、そのような世界で生きるようになってから、


それまで本当にヒョローンと、痩せっぽち(やせっぽち)だった身体に肉がついて、


恐ろしくゴツい男になったのです。


 顔はあの写真のように、ものすごく男前で、気もやさしいし、


それでいて、いざことになると、恐ろしいほどの腕力をふるいます。


 だから彼が他の荒くれ男達の上に立てているのには、そんなに悪人ではないということです。


 本当にあの世界では、その兄貴を見習え、見習えと、皆が目標にしているくらいの大した人なんです。


 しかし、それもその世界の中でのことであって、いわば、半端者のよせ集まりみたいな世界です。


 だからその兄貴が、いくらはばをきかせてみたところで、まっとうな世界で通用するとは限りません。


 いや、付き合いとしては、どのような人達ともよくなじみ、


本当に皆から立てられている人なんです。


 まぁ‥! 一つ悪いのは、欲がなくて、贅沢な暮らしはしていないということです。


 しかしそれでも、もし僕が事を起こすような時には、三・四十万くらいの資金は準備してやると言ってくれるほどの、


一番好きな兄貴なんです。


 僕も田舎へ帰ったら、そのようなうわさを耳にするたびに、誇りに思うんです。


心がクスグッたいように‥‥


自分の事のように、うれしいのです!!



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