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6   明るくなった兄弟

今回は、明るい? です。

 ムカついた! こうなったら、言い返しまくってやる!!! 絶対誠二先輩の思考を変えてやる!!!!


「言いたいことは、それだけですか? じゃぁ、訂正させてもらいますけど、こないだ俺が落ち込んでたとき、俺は先輩の明るさのおかげで立ち直ったんですよ! それに、新商品の売れ行きが悪かったときは、店長が――


『モチを売るにはやっぱりみんなもモチモチするべきなんだよ!! だから、モチっと(もうちょっと)モチを食って顔をモチモチさせて売ろう!!』


なんて、訳のわからない親父ギャグ? なのかも少しあやういものを言って、みんながさらに暗くなったときに、誠二さんが――


『そうだな、売れないんだったらみんなで食うか! 美味しそうに食べてたら、きっとお客さんも買ってくれるよ!』


って爽やかに言って、つか、その時点でみんな少し元気になって、で、美味しそうに食べてたら本当にお客さんが買ってくれたから、場の空気がよくなったんだよ!! ……はぁ、はぁ、はぁ……」


 ああ! もう本当に腹が立つ!! しかも、一気に言い過ぎて息が苦しいよ!!! でも、これぐらいで負けられるか!!!!!


「それに、俺より頭のいい奴はすっげぇいっぱいいるだって? そんなの、当たり前じゃないか! 世界で一番頭のいい人だったら、それこそ信じられねぇよ!」


 そんなに頭のいい人が身近にいたら、尊敬を通り越して引くよ!!! 憧れどころじゃねぇよ!!!


「さらに、持久走は苦手だって!? よく言うよ! 牛乳の配達の人が、バイクで事故って入院したとき、バイクがないってのに、15キロも走って牛乳を配達したのは、どこの誰だよ!?」


 ちょっとした有名人になっておきながらよく言うよ!!!

この辺りでは、なんか「運がよければ牛乳配達してくれるランナーが現れるらしいよ」っていう都市伝説? みたいなのが出来たぐらい、話題になったんだぞ!?


「それに、あんたはカッコいいよ! 見かけも中身も!! 一日の客の何人があんた目的で来てると思ってんだよ? 平均約30人だぞ? 30人!! それでも男からも支持があるのは、その人柄だよ!!!」


 これだって、ちゃんとアンケート取ったんだからな!! 商品のおかげじゃないんだって、店長がちょっと涙目になったんだからな!!!


「一体どこがお情けの憧れる先輩第一位なんだよ!? 憧れるとこしかねぇじゃねぇかよ!!!! ……はぁ、はぁ、はぁ、……」


 はぁ、はぁ、一気に言い過ぎて息が切れる……。

ってか、なんで俺はこんなに誠二先輩を誉めてるんだ? もう、俺が何をしたいのかわからなくなってきた……。


「……、はぁ、はぁ、はぁ、……」


 俺の息はなかなか落ち着かない……、マジ疲れたよ……。


「お、おい、落ち着けよ。そんなに一気に言うことないだろう?」

「……、誰のせいだと思ってんだよ?」


 心配そうに見てるけど、どう考えてもアンタのせいだよ!!!!


「へ? 俺のせい?」

「当たり前だろ!!」


 なんっで、こんなに……、素っ頓狂な声なんだ!!!??


 あ! いつの間にか敬語忘れてた!!


「せ、誠二先輩がもっと自分のよさに気づいていれば、こんなに俺は息を切らさなくてすんだんです、いや、……だと思います! もういい加減にしてください!!!」

「……フッ……」

「ふ?」


 なんだ? 何がいいたいんだ? ふ? 『ふ』ってなんだよ!?


「フッフッハッハ、アッハッハッハッハ、ハ〜ッハッハッハ……」

「え? ちょ、ちょっと? なんで笑ってんですか!? 人がこんなに頑張って喋ったってのに……」


 え? なんで? 俺、そんなに変な事言ったっけ? ……いや、言ってない。ただ、頑張って誠二先輩の良さを伝えただけだよ? 


 あ! もしかして、喜びの大笑い!?


「ハッハッハッハ、ヒャ〜ッヒャッヒャッハッハッハ……、だって、……ブフッ、お前、そんなに必死になって……、一体何がしたかったんだよ?」


 ……、痛いとこつかれた……。俺もさっき疑問に思ってたんだよなぁ……。つか、喜びの大笑いじゃないんだ……。


「アハハ! やっぱり何も考えてなかったんだな? 痛いとこつかれたって顔してるぞ! ハハッ」


 鋭い……、元気は取り戻したみたいだけど、これはこれで……、ムカつく!!!! 変なところで笑いすぎなんだよこの先輩は!


「う、……もういいでぐ、すから……」


 しまった! 喋りすぎて呂律が回らない!!


「アハハハハハハハハハハ!! もう止めてくれよ! なに噛んでんだよ! さっきみたいに普通に喋ったらいいだろ? アハハハハ、兄貴よりも、お前の方が変な奴!!」


 ……、俺の方が、変な奴……。ちょっと、……いや、かなり傷ついた……。


 にしても、誠二先輩って、笑いのツボがおかしいよ……。しかも、一回笑ったら最後、何が起こっても笑ってしまうみたいだな……。


「アハハハハハハハ! ありがとう、元気になったよ。 ハハッ」


 いや、そんなに目に涙ためながら言われても……、リアクションに困るよ……。


 でも、まぁ元の明るい先輩に戻ったし、いいか!


 ……、それにしても……


「アハハハハハ、ガハッ、ゲホッ……、ヒッ、ハハッハハハッハッハ、カハッカハッ……」

「いい加減、笑いすぎ!!! もう、帰りますよ!!」


 ちっくしょう!! これだけは言いたくなってきた! でも、言ってしまうとどんなリアクションされるかわからない……。しょうがない、心の中で叫ぼう!!!


 誠二先輩! アンタ、どんだけ極端なんだよ!!??



 ふぅ、一応スッキリした。それに、これで、なんの心配もなく、明日からもバイトに来れる! っとおもったけど……。 

うん? なんか、車の窓からすんごい暗いオーラが……、気のせいかなぁ?

 なにもない、と思いながら横を見てみると、すごく暗い表情で落ち込んでいる、先輩のお兄さんがいた。


 そうだ! 忘れてた!!

送らなくていい、と言ったばっかりに、すごく落ち込んでしまったんだった!!


 ……どうしよう……。

あ! そうだ! そういえば、先輩が


『……この状態の兄貴は、自分の思い通りにならねぇと、いつまでもいじけてるんだぞ!』


って言ってたな。


 と、いうことは、思い通りになったら立ち直るかなぁ?

……考えていてもしょうがない! やってみるしかない!


「お、お兄さん?」

「……」


 ……、だ、ダメだぁ……。なんにも反応がない……。

 い、いや、まだまだ!


「お兄さん! ちょっとそこの、カッコいいお兄さん!!」

「……」


 だめかぁ……。全く反応が返ってこない。 それなら!


「そこの、運転技術だったら誰にも引けをとらないぞ、でお馴染みのお兄さん!!」

「ピクッ……」


 お? ちょっと動いたぞ!! よし! もう一息!!


「えっと、……」


 ダメだぁ……、ネタが……、思いついた!!!


「どんな細い道も、雨でグジョグジョな道も、底なし沼でさえも、あなたにかかれば大丈夫!

ていう、……キャ、キャッチフレーズ? でお馴染みのお兄さん!!」

「チラッ、……はぁ」


 なんだ? どういうリアクションなんだ?

なんで一回こっち見て、また下向いてため息ついたんだ!!?


 ……どういうことだろう……?


『自分の思い通りにならねぇと……』


 思い通りのことって、なんだろう……?


『兄貴は車が大好きなんだ……』


 お兄さんは、車が大好きなんだよなぁ……。


『危ないとこへ行くのも……』


 ん? あ! まさか! 俺を送りたいのか? っつーか、池田の方に行きたいのか?


 いや、でもそれだけでこんなに暗くなるかな?

いや、まぁ一応言うだけ言ってみよう!


「お、お兄さん? 送ってくれるんですよね?」


 さぁ、どう出る?


「え? え? マジ? 本当に? 送ってっていいの? 池田に行ってもいいの??」


 うわっ、眩しい!

さっきまでとは全然違って、眩しいほどに、すごいキラキラしたオーラが漂ってる……。

池田なんて、何にもない、とゆうか、山道とか田んぼしかないのに……。 

この人マジで、変な人だ。しかも、すっげぇ単純。信じらんねぇ……。

兄弟そろって極端なんだよ!


 しかも、送ってってもいいの? って……、アンタがそうさせたんだよ!!!!


やっぱり礼一は、素直でした!

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