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15  もう何も気に出来ない!

すいません! 始まる前に謝っておきます! 

そして、更新が長々と遅れてすいませんでした!!

 車を走らせて約1時間。もうそろそろ病院に着くころだ。

車の中の空気はやはり重い。さっきから誰も話してないし、静かだ。


 俺はさっき考えていたことを確認する。俺だけの計画だ。

まず、駐車場に車を停めてうずくまる。そして腹が痛いと言いトイレへ行く。あとはみんなが帰るまで時間をつぶすだけだ。……なんか計画というほどでもないな。


 『沖津総合病院まであと2km』という看板が見えてきた。……あぁ、なんだろう。ドキドキしてきたぞ? 落ち着け、落ち着くんだ俺!

 どうやら俺は着いてから演技をすることへのプレッシャーで緊張してきたようだ。鼓動がどんどん早くなってゆく……。心なしか、手もなんだか震えているような気がする。いや、でも運転だけはなんとか普通にやるしかない!


 『→この先沖津病院』という看板と共に、駐車場も見えてきた。なんか看板が多すぎないか?


 俺はますます緊張してきた。本当にみんなを騙すことなんて出来るんだろうか? いや、でも俺の必殺技はみんなを騙すことだ。いつも成功してきたじゃないか! 大丈夫、自分に自信を……、持てたらいいなぁ。


 俺はそんな妙な願望を持ちながら、駐車場へと入っていく。そしてハンドルを左に回して、建物から中々近い位置にある場所に車を停めようとする。停めようとしているときも、俺はすごくドキドキしていた。いや、それどころか本当に腹が痛くなってきたような気がする……。

緊張しているせいかな? ま、それしか有りえないか。


 少しずつ車を後ろに動かす。後ろは振り返らない、だってサイドミラーで十分だかラァ!?

な、なんなんだ、この締められるような腹痛は!? ま、まさか嘘が現実に!? いや、まさか、そんなことはないよな?

 俺が車を駐車場で車を置く白線に沿って停めようとしたとき、俺の腹を激痛が襲ってきた。

洒落にならないほどに痛い。これはマジでトイレに行かないと……。


 俺は最後の力を振り絞って、車を正確に停めると、みんなを車から降ろして車をロックして、平静を装いながら言う。なんで平静を装うかって? そりゃ、演技ならまだしも、マジで腹痛になってトイレに駆け込みたい、なんてカッコ悪くて嫌だからだ。そんなことを言っている場合じゃなくても気にするのが俺なんだよ! 放っといてくれ!!

とはいえ顔中、いや全身冷や汗を掻いているような気がする。マジ、尋常じゃないぜ? この腹痛ハァ!!



「お、おレェ!? 腹が痛いからトイレに行ってかラァ!! 行くから先に行っといてくれ!!」


 腹痛の波が俺を襲う。そして腹の反逆に耐えながらも、俺は必死に平静を装い病院の入り口、というかトイレに向かって歩き出した。冷や汗ビッショリに、しかも余裕はないので歩き方は少し変にならざるを得ない……。少しくらい勘弁してくれよ!?


 ガシッ


 だ、誰だ!? 俺の腕を掴むのは!! 俺は必死なんだよ、止めるのはやめてくれ!!

トイレを目指す俺の右腕を誰かに掴まれた。離そうと腕を動かしても離れない。仕方なく振り返る。



「おい待てよ礼一。」


 親父だった。クソッ、息子の緊急事態になんで邪魔をするんだ!? 俺をトイレに行かせてくれたっていいじゃないか!! 既に俺の腹は限界なんだよ痛くなってから限界までは異常に早いんだよ!! 俺を苦痛から解放してくれ!!


 目で訴えようと親父の目を見るが、親父の目は真剣そのものだ。これだけ心で思っても、わかってくれないのはわかってるんだよ? でも、腹が痛くて話す余裕もないんだよ!! 親父よ、察してくれよ! 血が繋がってるんだよ!?



「お前の魂胆は見え見えなんだよ。」


 絶対にわかってない! だって、俺は今、マジでトイレに行きたいだけなんだよ!? ギャグとかそんなんじゃないんだ! 本当にトイレに行きたいんだって! 

 取り合えず俺は反論してみることにする。


「こ、魂胆? なんだそれはァ!? お、俺はマジでトイレに行きタイ!! ……んだよぉ。」


 ぐ、ぐるじい、マジで俺を解放してくれよ!! 本当に頼むからさぁ!!


「フン、親の目を欺けるとでも思ったか? そんな見え見えの嘘、俺には通用しねぇぞ?」


 自信満々に言ってるけど、嘘じゃねぇから!! マジで腕を放してくれよ!!

そんな俺の気持ちも知らずに、親父は俺を疑い続けている。

 確かに、確かに俺はさっきまでは親父の思うとおりに動こうとしてたさ! でも、今は違う、解放してくれよ!!


「親父、兄貴が言ってること、多分マジだぞ? だって、顔が土気色になってきてるし……。」


 誠二! お前ってヤツは、なんていい弟なんだ!? グ、ハゥア!! は、腹がぁ……。

いよいよ俺の顔もヤバくなってきたらしく、親父も少し焦っているようだ。腕に込められている力が少し弱まった。


「れ、礼一!? マジだったのか!? すまん、悪かった! 早くトイレへ行って来い! そのあとちゃんと病室に来いよ!?」


 よし、親父の腕が放された! 俺は勢いよくダッシュする。冷たい目で見るなよ? 俺はマジで限界なんだよ!!


「礼一! 病室は――」


 後ろでなんか言ってるようだけど、気にしてる余裕はない! 俺は全力で走っていった。


いや、本当下品で申し訳ないです! 下品に走る訳じゃないんですよ!? ただ緊張したらどうなるかな? でこうなってしまっただけなんです!!

 これからも温かい目で見守っておいてください!!

 次回は礼一がいないので三人称です!

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