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3話 新聞広告で異世界へ!?

4月7日午後 雨 (強制入社まであと3日)

その日、用事があった俺は帰宅途中、見ず知らずの土地で雨に打たれていた。

 

「まさか、ここまでツイてないとは・・・。」


走りながら、雨宿りできる場所を探す。

馴染みの場所から郊外にでていたので、土地勘のない俺には場所がいまいちわからない。

小走りで走りながら雨宿りできる場所を探す。

少し走っていると、寂れた一軒の本屋を見つけた。


【雪見書店】

さびかけの文字で書いてある。屋根が少し広かったので中で雨宿りしつつ、店内を見ることにした。

お店に入って、何も買わないのは失礼だと思った俺は就職活動の時にお世話になった新聞を買うことにした。


新聞をもってレジにいくと、そこには同じ学部の同級生、雪見香がいた。


あぁ、雪見の家か。ここは。


「あれ?松本君!?」

この雪見香は、よく女子中学生に間違えられるらしい、見た目が童顔なうえに身長も低いのだ。


「あぁ、たまたま用事があってな。」


「そうなんだ。」

うつむきながら、顔が少し赤い雪見。


「大丈夫か?風邪でもひいてるのか」

そう俺が言うとさらに真っ赤にする雪見。手振り身振りで話を変えてくる。


(女子はよくわからないな)


「大丈夫だよ。あ、今雨だね。」

 

『雨』という単語で、雨宿りを思い出す。それと、手に持っていた新聞だ。


「あぁ、そういえば新聞を買おうと思ってたんだ。」

手に持った新聞をレジに置く。


「あ、はい。120円です。」

小銭入れから120円を渡して会計をすます。


「じゃあ、ありがとうな雪見。」

少し小ぶりになった今の好きに帰ることにする。


「あ、ちょっと待ってね。」

小走りに走っていく雪見。2、3分して戻ってきた雪見の手には、折りたたみの傘があった。


「はい、傘よかったらつかって!」

濡れながらきた俺は、傘を借りることにした。


「また、返しにくるからな、ありがとう!!」


「うん、待ってるね。」

ニコニコしながら手を振る雪に手を振り替えして帰路についた。


家についた頃には、夜になっていた。

夕食の支度をしていると、携帯が鳴った。


「はぁ、やっぱり駄目だったか・・・。」

メールの内容は、不採用通知だった。


「コネだけど、新のお世話になるしかないのか・・・。」


ピーポーン♪

沈んでいた俺の家に、何かの郵便物が届いた。


「あいつ、仕事が速いな。」

どこで調べてきたのか、『入社書類在中』の芳川出版の書類が届いた。




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