下準備は大切
さて、実験開始……後はどうなるかな?
とりあえず結果が出るまでしばらく時間は掛かるだろうしこの四人の処理をしておこうかな。
僕は先程切り離した腕を再生させその後近くにあったシャベルやツルハシなどを食べた……うげっクソ不味かった……でもコレがあったほうが早く穴がほれるしね。
僕は手をシャベルなどに変化させ穴を掘り出す、とりあえず四人が疲れるくらいの穴にしないとね……
なれないことはするものじゃないね、結構時間が掛かるよ……まぁそれでも三十分もあれば掘れたんだけどね後は土の魔法で綺麗なタイル状の岩を作る、その岩を掘った穴に張っていく……よし、即席のお風呂にしちゃ上出来じゃないかな?
タイルの岩同士のちょっとした隙間は粘度状の土を魔法で出して埋め込んで……本当は焼きたいんだよなぁ……でも火が使えないし……そういえば電撃系は食べたから使えるね……手を鋼の剣に変えてそこに過剰に電撃を流して見る……そうすると赤く発熱しだして……熱い!熱い!熱い!!コレあかんやつや!!僕の腕がもげてしまう!!と言うか切り離す!!このまま持ってると本体がヤバイ!!
……切り離した腕はスライム状に戻ってしまいだが熱はこもったままなのでそのまま蒸発して消えてしまった……おおおぉぉぉおぉぉ恐ろしやあぁぁぁ!!コレ自爆技ですよ!?
駄目だ……自前で熱源の確保は無理っぽい。ふぅ……打撃、斬撃、銃弾、毒、電撃、放射能、超音波、氷結化、etc に強いといっても熱に弱いんじゃなんと言う厄介な弱点なんだ。
最近この体無敵すぎると思ってたけどそう簡単には行かないようだ。
まぁこの四人の体を洗うだけの時間水があればいいだけだから問題ないか。
…………あ~、はい僕よく考えたら水の魔法使えないね……ハァ、仕方ない外に水を汲みに行くか。
僕は洞窟を出て川を探す事にした。
川は存外近くにあった……なるほど、森の奥の洞窟、近くの水辺、これほどいい立地条件は無いね盗賊たちには格好の場所だったわけだ。
さて、川に付いたはいいけどこの川の水どうやって運ぼうかな、だってすごい量だよ?作った穴は大体だけど400cm×400cm×50cm位の穴にしちゃったんだ……つまり入る水の量は大体8000ℓ、重さにして8000kg……つまり8t、これを一人で運べって?普通無理じゃないかな……分かりやすいか分かりにくい例えをしよう。
自動車とかに中型者とかあるよね8tトラックとか……あれの重さです、あれの重さぶん運ばないと穴に水が満たされないのです!!因みにだけどね一般家庭のお風呂は大体200ℓくらい……まぁ全部が全部とは言わないけど一般家庭のお風呂の約40倍!!……あれ?僕は一体何をしようとしてたんだっけ?
…………水路掘るか、今の僕なら土魔法とか使えるし多分ちまちま運び続けるより早いと思う。
掘ると決めたのならどうやって掘っていこうかな、掘った水路を直接穴につないじゃ永遠と川の水が入ってきて溢れてアウトだし何処かに中継点を作らないといけないのか?
でも洞窟の近くは川より下の位置にあるから中継点用の穴を作っても結局溢れて意味は無いのか?
つまり穴ではなく枝分かれさせて再び川に戻すようにすればいいのか?
つまり下流の出口から掘り進めて上流と合流させて作った水路の方に水が流れるようにすればいいのか、そして近くに作った水路から更に水を分配できる水路を作って洞窟の穴に水を導けばいいのかな?
……素人が考え付くのがこの方法だけど、この方法も恐ろしくめんどくさいな……運んだ方が早いか?
アイテムボックスとかが実際にあればこんなめんどくさい事も考えなくてよかったのかなぁ……人間四人食べるだけのつもりが恐ろしくめんどくさいぞ……50人を一瞬でペロッと食べられたあの時は一体なんだったのだろうか……
しかしあんなにドロドロのままの人間なんてやっぱり食べたくない……仕方ない、食後の運動で水路堀をしますか……今度は下流に向かってしゅっぱーつ……はぁ、だるいわぁ。
だるいわぁいいながら歩いて下流へ到着……えっとここから水路掘るんだよね~……マジか!!水路掘ろうとした距離、総合で4km近いんですが!?
…………ええぃ!!やったるわぁ!!
こうして僕は何故か水路堀をすることになった。
そして数時間後水路は完成した。
え、何やったかって?永遠と穴掘って固めてを繰り返してただけだよ。まぁ素人がやった事だから陳腐な物ですよ……泥水にならないように掘っていくのは存外苦労しましたが。
後は穴に……穴と言ってると分かりにくいね、もうお風呂と言おう。と言うわけで後はお風呂に水を流し込むだけ……僕は必死になって何を作ってたんだろうね?
まぁいいや、水が溜まるのを待つ間にお姫様がどうなったか見にいこうかね。
そして僕は洞窟の中にいるお姫様の部屋に入った。
…………どういう状況だこれ?
部屋には何もなくなっておりお姫様がいた場所にはでっかいシャンパンゴールド色の水の玉が浮いている。
こいつぁ予想外だぜ!一体全体どうなってるんだろうね。
僕はその水の玉を調べようと近ずくとその水の玉は小刻みに震えだした。
― パシャン!! ―
そしてそのままその水の玉は弾け飛んだ。