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ヒューマンイーター  作者: まひろ
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僕はどうやって生まれたのだろうか?

 洞窟の中は結構な大所帯だった。


 盗賊の格好をしている人が50人ほど……盗賊としては規模が大き過ぎる。


 いや、でかいところだとそれ位はいるのかも知れないが言ってしまえば盗賊などはチンピラの集りと変わらない。


 それが街の外で更に50人規模で統率が取れているのは何かおかしい……軍人崩れか?


 まぁそんな事は気にしてもしょうがないねー全員食べちゃう事には変わりないのだから。


 ではいただきます!


 ― バクン!モグモグモグ……ゴクン ―


 ふぅ……ご馳走様、余は満足じゃ〜なんてね。


 それにしても人間以外は食べてメリットが無いわけじゃないけど美味しくないね。


 ん、どういう事かって?ああ、この盗賊だった人達に抵抗されたんですよ、氷の魔法撃ってくるわ雷の魔法飛ばしてくるわ剣で切りかかってくるわ弓で撃たれるわ岩石飛ばされるわ……邪魔くさかったので相手の武器、防具、更に僕に向けられて放たれた魔法に至るまで全て食べて消しただけですよ。


 因みにメリットが無いわけじゃ無いって言うのは食べたものはいつでも再現出来るみたい……つまり……


(この扉の奥から人間の匂いがする……デザートだね……でもこの扉の隙間から侵入するのは時間掛かりそうだから壊しちゃおう)


 僕は先程使われた冷却魔法を手に纏わせて扉に触れた……扉は完全に凍りついた。


(それじゃぶっ壊しましょうかね……それ!)


 僕は今度は腕をこれまた先程食べたハンマーに変化させて凍り付いた扉をぶん殴った。


 殴った扉は粉末状になり吹き飛んだ。


(デザート、デザート〜……)


 僕は扉の奥に進んでいった。


 さて、もう何となくわかったと思いますけどどうやら僕は食べた物を再現する事が可能らしい、それも食べた物の系統を再現できるようです……ただ人間以外は食べると相当不味いので他のヒューマンイーターはそんな事しないみたいだけど、後食べた人間の姿とかは再現できないみたい……ター◯ネーター2に出てくるあれのようにはなれないみたいだ。


 そして奥に進んでいくと個室が……まぁ牢屋何ですがそれがいっぱいあった、いたいた、匂い的には数人いる感じそれぞれ個室に一人づつの様な感じだね、数はいち、にー、さーん……うん、五人いるのかな?ただね各部屋から嫌な臭が漂っている、ある一部屋に至っては夥しい血の臭いまで嫌な予感がする。


 部屋に入ると嫌な予感は当たった。どうやら事後の後のようだ、ドロドロに汚れているし目に生気はなくとても虚ろ……これは良くない、このまま食べても美味しくなさそう。


 なんたる事だ、デザートがグチャグチャにされていた……こんな事した奴らは全員ぶっ殺さなけ……しまった!既に全員食い終わってた!!


 しょうがない…まずこいつらを洗うか。ハァ…期待してた分だけガックリきた、洗ったからって食べられるようになるかなぁ?


 そしてお湯を作ろうとして気が付いた……あ、僕火は使えないんだっけどうしようか?取り敢えず彼女たちを一箇所に集めようか、如何するにしろその方が洗いやすいからね。


 そうして四人を部屋の外に運び出し最後の五人目を運び出そうと部屋に入ろうとし扉を少し開けただけで異臭が漏れ出した。


 これは、肉の腐った臭いだ。それも放置して腐ったものではなく壊死だ、誰だこんな事したやつは!!これじゃ洗っても食べられないじゃ無いか!!


 そんな事を思いながら扉を開けて部屋に入った。


 そこにいたのは汚れていなければさぞ質の良いドレスだった物を着ている手足が壊死していた女の子がいた。


 手足の壊死は病気などによるものではなく酷い拷問の跡があったのがうかがえる。


 手足の指は爪を剥がされ潰された後がある。


 腱なども切られており腕や足は筋肉がちぎれるように縛られている。


 動脈などはその締め付けで潰されておりこれも壊死の原因だろう。


 ボロボロなのは何も手足だけじゃない体には無数の火傷跡、髪の毛は半分を無理矢理引きちぎられた後はあるわ……片目は失明してそう……あ、歯まで折られてる……何にしろこれは酷い、何のためにこんな拷問をこの子にしたのだろうか?


 どちらにしろ容姿が分からないほど酷い状態である……ただ着ている物を考えればこの子が王族の攫われてた子?……う~ん、普通に考えればこの子が目的だよね人攫い……それなのに本命が一番酷い扱いってどういう事?まぁ訳を聞ける人間は既に僕が食べちゃった後だから詳細など分かるはずもないんだけどさ……この子もこんな状態じゃ外の四人より駄目そうだし……


「ヴぁ……あ…ぅぁ……」


 おっと、呻き声……と言う事はこの子廃人になってはいない?


 僕はこの子の顔を覗き込んでみた、もし意思がちゃんとあるのならこの子が一番おいしくなるはずだからそして覗き込み驚いた……へぇ、僕を睨みつけてきたこの子こんな状態でも心が全く折れてない……ある意味化け物だね♪


 すごくいい、この子を食べちゃいたい……でもそこで気がつく、駄目だこの子死んじゃうわ……この子をゆっくり食べていたら食べてる間に死んじゃう、それじゃおいしくない。じゃあ丸呑みにしろって?……そんな事したら僕がその後もったいない感で堪えられなくなる。それならいっそ食べない方がいい……う~んどうしよう?


 ……実験して見ようか、それなら失敗しても諦めれるでしょ。えっとそれじゃ……人間の声ってどうやってだしてたっけ……ああ、そうだ弁を作って……


『はじめまして、僕はユウって言います。僕は気になることが出来たのであなたを使って実験するね……うまくいけば生きられるよ……失敗は激痛の中での死だけどね~』


 僕が言葉を発した事にこの子は驚いていた。でもそんなことは関係ない僕は僕のしたいことをする。


 そして僕は自分の腕を彼女の口に容赦なく突っ込んだ。


 ― ぶち ―


 そして僕は自分の腕を肩から切り離した。


 僕の腕だった物は形を変え彼女を覆い尽くしていく。


『それ全部食べつくして見てね……そうすれば生きられるかもね……出来なかった時は君が食べられて終わりだよ……ああ、言い忘れていたけど僕ねヒューマンイーターって言われる存在みたいだよ、じゃあがんばってね』


 女の子は瞳が落ちちゃうくらい目を見開いていた。


 僕はそんな女の子を部屋に残しこの場を後にした。

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