表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/18

拾漆

通された部屋に陣取る人物を注意深く観察していると

目の前のその人物が小さく笑う。


「事情を聞こう。」


促され、小さく頷く。


「名前はノエル、年は16


生まれは寒い国


ここに来た目的は自分の力を制御するため」


ギイはノエルの話を黙って聞き、しばし思案する。


「ここに人類最強の人いるって聞いた


その人ならこの力を制御する術を知ってるんじゃないかと」


肩を落として、拳を握るノエル


軽く額を揉み、一枚の紙をノエルに差し出す。


「字は読み書き出来るか?ならこれにまず目をとおせ」


受け取り、読み始めたノエル

それをジッと観察するギイ


しばらくして読み終えたのか顔を上げたノエルの眉が寄っていた。


「これを守れば『蒼王』には」

「取り次いでやれる。


『蒼王』に教えを乞いたいなら最低限の強さが必要だ」


試すかのようなギイにノエルは決意みなぎる表情で笑う。


「分かりました。今すぐやれば良いんですか?」


フッと笑い、ギイが立ち上がる。


「いや、今日は疲れてるだろう?後日にな」


笑いをこぼし、ギイは机にある小さなベルを鳴らす。

すると瞬く間に女性が入ってきた。


「彼をギルドの寮へ全てを世話は一任する


必要経費と落とすから彼が生活出来るように素早く頼む」


すると女性は満面の笑みで頷き返す。


そしてノエルを伴い、出ていった。


それを見送り、そして背後を伺ってから


はりつめていた空気を消すように息を吐いた。

無表情で立ち尽くすのは言わずとも知れたリーナである。


「一応引き取ったぞ。


厄介な気配がするが、力の使い方をマスター出来れば戦力にはなりそうだな。」

「なりそうでは困る。なるんだ」


ギイが座る執務の机の端に腰を下ろし、リーナはギイを真っ直ぐ見る。


「時間がないから特殊メニューでやってくれ。


私はギルド員の方へ行ってくる」


だるそうなリーナに目を細め、ギイが手を伸ばす。


「疲れたらいつでも来い」


その言葉に軽く頷き、リーナも部屋から出ていったのだった。







「相も変わらずね、リーナは」


呆れ顔を見せるシャイン

そんなシャインを見もせずにただ、空を見上げるリーナ


「もう、最近はリーナ付き合いの悪さがヤバイくらい酷いよ」

「忙しい、眠い、だるい」


完璧に流されている様子に、周りのクラスメートも苦笑いだ。


「きょうこそ、嫌だって言っても付いて来てもらうからね」


だが、そんな言葉も一瞥して終わりだ。

シャインは黒い笑いを浮かべてリーナを見つめる。

そんな姿のシャインに同情のような眼差しがクラスメートから注がれる。


だが、リーナの瞳はそれを見ていなかった。


窓の外を見つめ、目を見開く

そして、静かに席を立つ

そのまま、教室を出ていこうとしたリーナのまえで扉が開き、教師が飛び込んできた。


「お前達、今すぐ講堂に集まれ、緊急事態が起きた」


慌てた様子の教師に誰もが立ちすくみ騒ぎだす。

その中を変わらぬ態度で出ていこうとするのをシャインが止める。


「何やってるの!リーナも行くよ」


だが、シャインに振りかえったリーナの瞳に言葉を無くす。


その瞳は告げていた。

シャインが知るリーナはもういないのだと


「偽りの日々は終わりだ。私は本当の自分に戻る。


さよならだ、シャイン」


手を振り払い、リーナがついには教室から出ていく。







人間界に響き渡るは魔族の襲来


遂に始まる悲しみの最終戦争


人は果たして勝ち残ることが出来るのか


そして、学園から姿を消したリーナは何処に・・・・・


リーナが最後に語った言葉の真意とは


未だに明かされない悲しくも切ない出会いと別れ




予言の運命が巡り出す


一人の少女が背負りし重き定めの予言の歌が




『空の王が深き眠りから目覚めし時


世界は偽りの理から解き放たれる刻を迎える


黒き翼と赤い炎を従えて空の王は世界を正しき理に導く


なれど王を正しく導きし旅人なくして予言は成し遂げることはないだろう


旅人は王を守り、王は旅人を愛する』




今、王の目覚めの時は来たれり

第一章完結です。


第二章は作成中ですがなかなか掲載出来ないです

すみません。大分またせます。いや待つ人はいないかな………

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ