3話 登校中
駄目だ…。
戦闘が書きたくて経過が雑になってしまう…。
今回、ただでさえ醜いクオリティがさらに駄目になっています。
精進あるのみですね…。
…のはよかったものの、すぐ息切れを起こして走れなくなってしまった。
やる気がいくらあっても体がついてこないと話にならないな、と訓練の必要性を意味わからんところで再確認した俺13歳である。
ふう、ふう、ふうと膝に手をつき酸素を肺に送り、息を整える。
そうしていると…うん?なんだ?風を切るような音が聞こえてくるんだが…
「おっはよ!!」
「おうふ!?」
突然襲い来る背中への衝撃、それが浸透し思わずむせ返った。こんな、俺を正確にむせ返らせることができる奴は数える程しかいない。というか知人が数える程しかいない…って
それつまり俺の知人は全員俺をむせ返らせることができるってことか?んだそれ。
まあ、考えるだけ意味ないな。
無駄な思考をそこでやめ、思考する原因を作り出した張本人を視界の中心に捉える。
「…よう…リィナ……」
「うん、おはよう!アルフ!!」
晴れ空に映える真っ赤な髪。
体はスレンダーで、見るからに鍛えてそうな引き締まった肉体。
思わず見入ってしまう翡翠色の瞳が俺を捉える。
そのまま思わず見つめていると、少し恥ずかしそうにはにかんだ。
「何?いきなり見つめてどうしたの?恥ずかしいんだけど…」
「あ、いや…今日から中等部だろ?制服変わったから違和感があってな」
「…似合ってない?」
悲しそうに俯くリィナを見て。
まあ、少し気恥ずかしいが褒めてやらなければならない気がした。
「…いいや、似合ってるぞ」
突然褒められたことに慌てたのか、急速に赤面し顔を逸すリィナ。
そしてゆっくりと口を開き、
「…ありがと」
と、言ってきた。
……………。
………。
まあ。
そういってくれるだけで言う価値はあった、と思っておこうか。
その声に少し嬉しそうな色が滲んでいて、俺はそれに満足した。
◆
降り注ぐ日光が少しずつ暑く感じられるようになってきた頃、まだ俺は歩く事を強いられていた。
平地を進み、坂を上り、うだうだと長い道のりをリィナと二人で進んでいく。
いつもなら大変で退屈な道だが、人がもう一人いるだけでまだ少し気が楽な気がした。
道を進んでいくうちに、登校途中の人がちらほらと現れ始めた。それはなかなかのペースでどんどんと増えていっている。
「人が増えたね…」とリィナが呟く。
(まあ…確かに増えたかもしれんな…。)
リィナはおそらく見ない顔が増えたからそう言っているのだろう。
でも、上級生が抜けた数との差は俺には分からないし。
確かに、と言ったとおりそういえばといった感じで眺めるだけでは気づかない程度だ。
俺には本当に増えたか減ったか確信はないが…まあ、乗っておくか。
「今回は新入生、転入生共に多いやらうんたらかんたら言ってた気がするしな。まあ、確かに俺にもそう見える」
「だよねー。そういえば、アルフもやっぱり後輩が増えたり、同級生が増えるのは嬉しい?」と聞いてくるリィナ。これは即答できるな。NOだ。
「いんや、めんどくさそうだから嬉しくない」
「えー?アルフって子供嫌いなの?」
「当然だ…いくらでも面倒ごとを運んでくるトラブルの塊のような奴らだからな」
「そこまで言う!?でも、意外だなーなんか…」
「むしろ俺が子供好きに見えるか?」
「だって弟が子供のときいやいや言いながらしっかり付き合ってたじゃない?ちょっと楽しそうに」
「あれは本当にいやいやで、付き合わなかったらお前が怒るからやってただけだ」
「ほんとにー?」
「ほんとだよ…ってなんでお前そんなにニヤニヤしてんだ?」
「いやー?なんでもー?」
「そんな口笛吹きながら目をそらすなんてベタの極みな事して怪しまれないと思ってんのか?」
そんな他愛もない雑談。それでも無言よりはマシだ。
話をしながら、ときに笑いながら、無駄に長い道を進んでいく。端から見たらカップルに見えるかもしれんな…って何考えてるんだ俺阿呆か。まああれか、自意識過剰とやらだな。しかも普通になる気もないし。
「たのしみだよねー!!」 「うん!」 「ああ…これから高等部かぁ……」
「似合ってる?」「似合ってるよ!可愛い!!!」 「ほんとに死ぬかもな…」
歩を進め、学校に近づくにつれ、登校中の生徒の姿が目立つようになってきた。
そして比例するように話し声も大きくなり、内容も聞こえるようになってきた。そんな中に、
「見ろ…ほら、あの赤髪の隣!」 「ああ、あのカルム族の落ちこぼれか」
「うわぁ…いっしょのクラスになりたくないなぁ」「大丈夫よ、あの落ちこぼれだもの」
みたいな話題があるのもわかってきてしまった。
(全く…陰口を叩くなら陰でやれっての)
あいつらの影じゃないところで陰口という概念をガン無視した行動に思わず少し呆れてしまう。
全然気にしていないが、心配性の気があるリィナは心配そうに見てきた。
「アルフ…気にしなくてもいいよ?」
「あんな陰で陰口叩けないようなやつら、気にもしないぞ。見もしない。意味ないから」
「うん、それでいいよ!むしろそれでこそアルフだよ!!」
「うーん、それは喜んでいいのか?」
微妙な褒め言葉(褒め言葉かすらもわからないが)に対応する方法が分からない俺は、やれやれと首を振り力なく声を発した。
「まあ、それはいい…。とりあえずこれからの予定知って「始業式が終わりしだい掃除学活それで終了下校予定は12時10分だよ」さすが記憶廚格が違った」
聞こうとしたら一瞬で返してくる幼馴染に若干の恐怖と戦慄を覚えるが気にしない方がよさそうだ。
「記憶廚ってひどいよ!?」
と涙を浮かべるリィナ。
「いやいや、まあ、あれだ。たとえってやつだ」
少し失言だった、とフォローしてやると「あ、例えかあ。よかったー」と今まで泣いていたのが嘘のように涙が蒸発した。さよなら涙。
そうやってぐだぐだと話していると時間はすぐに経ち、もうルクソール士官養成学校の校門が見え始めていた。
「そろそろ着くね」と、隣で緊張感をにじませた声のリィナが呟く。
それにああ、と返し―――そしてその緊張の意味を理解する。
そう、ここから先は中等部、つまり戦場につながる場所。
凶弾に倒れる可能性も十分にある、まさに死の世界なのだ。
その事を認識した瞬間、思わずつばを飲み込む。
俺は、これから命を代価にした賭けにでなければならない。
それでも俺に進む覚悟があるのだろうか?と、問いただしてくるかのように門が立ちふさがっている。それは、いつもより大きく見えた。
(でも、今ならできる気がする…。今日の俺はやっぱり変だな。いつもなら逃げるタイミングだったろうに)
でもこの抑えきれない衝動のような、渇望のような物に突き動かされるこの感覚も…悪くないものだ。
「じゃあ…いこうか」
そう言って少しほほ笑みかけてやる…笑みが引きつっていないことを祈るだけだがな。
しかしそれでも安心できたのか、顔から硬さが少し消え、代わりにそこにはいつものような笑顔が戻っていた。
「…うん!」
その笑顔に安心して、俺は一歩踏み出した。
そこが例え死の世界だったとしても。
俺たちが笑っていられれば。
なんでも乗り越えていける気がしていた。
文字数ェ…
もう、書く時間がみつからねえよ…。
書き溜めを増やしてから投稿すべきなんでしょうか?
でもそれだと知名度上がらないしな…。
迷いどころだですな。