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第6話 最終話

その日の夜、白狐の名前を告げた、夢を見た。


朝露が煌めく庭で、紗世は湯気の立つまぐをそっと手にして、紅茶を飲んでいた。ふいに、外へ出ると、白狐が尻尾を振って、座っていた。


 「あなたの名前はルナね、きっと、そうよ」

ぎゅっと抱きかかえ、家の中に入れた。そばで、おとなしく紗世を見守っている。


ルナとの生活がこうして始まった。言葉は交わせなくても、蓮が傍にいるように思えてならなかった。

"ありがとうルナ、ずっと一緒にいてね"

心で呟いていた。


 "蓮、会えないのは悲しいけど、ルナがもしも代わりならもう、一人じゃない大丈夫よ"と話しかけた。ルナは頷くように、尻尾を大きく振った


悲しみも切なさもすっかり、消えて充実した毎日を過ごしていた紗世。



空に月がのぼる薄明かりの中、紗世は囁いた。

 「満月の夜、一緒にあの桟橋へ行こう しばらく、行っていなかったから」

ルナの瞳は光を反射し、優しく強く、永遠を誓うように・・・。



 湖畔に映る月が揺れ、風・木、すべてが紗世とルナをお祝いするように、鮮やかな光だった。

眠りにつくそのときも、紗世の手の中には確かな命のぬくもりがあった。


悲しみの夜はもう、訪れることはない。

月は今日もやさしく照らしている。


 永遠に、ふたりの幸せのひかりを運ぶ。



突然会えなくなってしまった悲しみを、信じられず、待ち続けて、キツネの姿で、命をもらい、生涯を過ごす話を描いてみました。


最後まで拝読感謝申し上げます。


♧♧♧♧♧♧♧ じゅラン 椿 ♧♧♧♧♧♧♧♧

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