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第2話 満月の夜に交わした約束

一週間後、湖畔に再び満月が輝いていた夜、紗世はそっと桟橋へ向かう。


 心の奥であの夜、出会った青年蓮に会えるかもしれないという想いを抱いていた。


桟橋の先に、白い月光に包まれた人影があった。蓮だ。紗世の心は静かに高鳴り始めた。


 「紗世、こんばんは」

連の声は落ち着いていた。彼の横顔は月の光を浴びて一層儚げに見えた。


 「こんばんは、蓮」

紗世は小さく答え、そっと隣に腰を下ろし、水面に映る月が二人の間に銀色の橋をかけているようだった。


 「前も言ったけど、ここは特別な場所だね、僕にとっては・・・」

 「私もここにいると落ち着く・・・」

紗世は月の光に照らされた湖をみつめ、言葉を選び沈黙し、風が水面を揺らし、二人を優しく包み、二人の心を満たしていた。


 「紗世、約束しよう、毎月満月の夜ここで会おう」

その瞳には純粋な思いが浮かんでいた。


 「うん、わかった」

紗世もまた、心の奥に純粋な思いを浮かべ頷いた。

水面に映る満月が未来へ続く小さな道のように・・・。


 「来月もここで待ってる」

紗世はゆっくり頷いた。

月光の下、交わされた約束は二人の胸に刻まれた。

風が湖畔を渡り、満月の光は波間に揺れながら消えていった。


その夜桟橋に残された空気は優しく二人の心をつないでいた。



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