あの日常を目指して這い上がる
夢で見た内容を書き出してみました。
ピピピ…
私はまだ眠い眼を擦りながら手探りで目覚まし時計を消す。身体を起こすと扉は閉まっているが微かに何かを焼いている音が聞こえる。
「今日の朝ごはんはなんだろ。」
服を着替え、リュックサックをもってリビングへと向かう。
すると、キッチンからいい匂いがしてくる。
「朝ごはん何〜?」
私が聞くとキッチンからお母さんがベーコンエッグだと返してくる。ついでに、先に歯を磨いて身支度も済ませて来いとも言う。…今、やろうと思っていたのに。
少しムッとなりながらも素直に洗面台へと赴く。
先客が居たようで妹が鏡とにらめっこをしながら髪を整えていた。まだ掛かるのかと私が問えば妹はあともうちょっと!と言う。そうは言ってもいつもあとちょっとだったことはない。私は呆れながら妹が陣取っている少しの隙間から自分の歯磨きセットを掴みリビングへと戻る。
「なんだ、またか?」
テレビでニュースを流しながらコーヒーを飲んでいる父が私に言う。私はそうだと返してリビングで一緒にニュースを見ながら歯を磨く。
「次に改築する時は洗面台を増やさなきゃだな」
他愛もない話のように父は言う。私は頷きながらトイレも増やして欲しいと言う。父は苦笑いしながら確かになと頷いてトイレのある方を向く。
その先には恐らく弟が陣取っているのだろう。
家族が多いと朝の身支度は思うようにいかない。
私は歯磨きを終え流す為にキッチンへ向かう。
そこでは母が調理を終え盛り付けと弁当の用意をしていた。母は私に気がつくとあら、またなの?といつものように言う。そうだよと私は構わずキッチンの流し台で口をすすぐ。私が終えたのを見ると母はじゃあこれを運んでと朝ごはんの皿を私に寄越す。
私はそれを了承してキッチンから運びだす。テーブルに並べて終える頃に妹がやっと洗面台から出てくるそれと入れ替わるように私は洗面台へと向かい身支度を整える。整えている途中で鏡にトイレから出た弟の姿が写る。私も手速く整えて朝ごはんを取りに戻る。
戻ると皆先に席に着いていた。いつもの日常の風景だ。
私もはやく座ってごはんを食べなければ。そう思い、一歩足を踏み出した時だった。
スマホからけたたましい音が響く。
画面を見れば地震警報だ、どうしようと考える間もなく激しく揺れ出す。立っていられないくらいに揺れて思わず座り込んだ時にまたスマホは鳴り出す。今度はなんだと辛うじて見えた画面に写る文字は大津波警報。これはまずいのではどうしたらいいのかそう考えていると父の声が聞こえる。落ち着け、地震が治まったらとりあえず火元を消して高台へ逃げるぞと。その声に私は現実に引き戻されるような感覚があり、やっと妹の悲鳴や弟の慌てる声、母の無事なのか確認する声が入ってくる。
応えようと顔を上げた時だった。
すべてが闇に包まれた。
冷たい…ヒンヤリとしたコンクリートの壁のようなものに横たわっているようだ。目を開ければ暗い場所で何処なのかわからない。しかし、ぼんやりの扉だろうところから光が漏れ出ているのがわかる。
私は、多少痛む身体を起こし明かりの方へと向かう。
私は、何をしていたのだろうか、何処にいるのだろうか。疑問のために頭を動かしていると段々と思い出してくる。
そうだ、地震が起きて、津波警報が鳴って、そうして…それから?
私は、どうなったのだろうか?家族は?
嫌な予感に恐怖を感じ震えそうな身体を必死に抑えつける。きっと大丈夫なのだ。そう自分に言い聞かせ、明かりの先に出る。
その先に見えたのはいつも見ている近所ではなかった。もちろん災害でめちゃくちゃになって見るも無惨な光景でもない。なんなのだこれは。私は死んでしまったのか。そう疑いたくなる光景が広がっていた。
そう、ファンタジーアニメで見るような地下都市。そう称するに相応しいような風景が私の目には広がっていた。
情報を整理しよう。私は、この夢みたいな地下都市を探索して多少の私の身に起こった事を知ることができた。
ここはまさしく地下都市で私が気を失ったあの地震の後に大津波が襲い街は海に沈んだらしい。
しかし、奇跡的に1部は地下で生き延びることが出来たようなのだ。
そして、その災害からすでに数年の月日が流れているというのだ。
生き延びた人は地上を目指して掘っているらしいのだがいまだ地上が見えてくる気配はないらしい。
地下都市は今のところ18階層から成っており、私が目を覚ましたのは14階層でまだ地上につかないことからこれからも階層は増え続けるだろうとのこと。
人の生きる気力というものは素晴らしいものだ。
私が何故、数年も目を覚まさなかったのに生きているのか疑問もあるがそれよりはまず私の家族はどうなったのか?
それについて情報収集をすると13階層に弟らしき人が地上を目指す最先端組、1階層に妹らしき人がいるとの情報が手に入った。…父と母の情報は入ってこなかった。地上で生きてるのかそれとも…。
いや、きっと何処かで生きているのだ。そして、私たちの帰りを待っているのだ。
そう思い、まずは弟に会うために私は13階層へと目指した。
いつか家族であの日常へ戻るために
夢の内容だと弟と合流して気の良い仲間に助けられて妹に会いに行こう!という所でしたが書いている内に内容がおぼろげになってしまいました。