装備調整 前
「……話って?…」
リオナは机の椅子に座り、様々な物を持って来た俺を見ながら聞く。
「話は、これだ」
「…これ……装備?」
机においた物を指差すとリオナも合わせて視線を動かす。
「そう、リオナの装備の調整をしたいんだ」
「……分かった」
装備をどこにつけるか説明したあと俺は部屋を出てしばらく待った。
「…待たせた…」
「どこか直して欲しい所はあるか?」
「今のところはない…」
俺達は外に出てリオナに黄色のボールを渡す。
「……これは?…」
「奴らを引きつける匂い玉。お前なら道具が足引っ張っても何とかなるだろ?」
「……使い方は?…」
「衝撃を与えるだけでいい。ただし、近くで使うのはやめておいた方が良い」
「…分かった…じゃあ、行ってくる」
リオナは俺と初めて会った場所に行き、俺は近くにある一番高いビルの屋上に行く。
「…………っっっ……ふぅぅぅ」
屋上につきリオナの方向を確認して肩に掛けていたスナイパーライフルを置いてから、顔を上に向け片目を閉じて眼帯をつけた後、腰につけている小さい鞄から目薬を取り出すとそのまま雫を開けている目に落とす。
雫が目に落ちた瞬間、激しい痛みが襲い、大きな音を出しそうになるが必死に抑える。痛みが収まり息を吐く。
「よし、ギリギリ間に合った」
その場に伏せ、ライフルのトリガーに指をかけた所で小さい爆発が発生した。