気持ち
「………」
僕は今、必死に昂る気持ちを抑えようと瞑想のように目を閉じ深呼吸を繰り返す。
『リオナを何があっても信じよう』
あの魂を通して見ていたから分かる、あの言葉は僕が聞いている事を確信して言っていた……彼は常に内側を見ている、内側の何を見ているかはわからないがそれを見ているが故、ちょっと外側の見落としが発生している。
だから僕は-----
「…大丈夫か?」
「っ!………大丈夫…」
扉の向こうから彼の声が聞こえた瞬間、フラッシュバックしかけた過去の記憶が消えた。
「そうか………ちゃんと気持ちの整理はしといた方がいいぞ」
「…うん……分かってる…」
足音が遠くなっていくのを聞きながらベッドに倒れる。
「(あれは今はもう過去の事……そう過去の話…)」
-------------------
「(大丈夫だろうか……あの感情はトラウマより深い物だが…まぁ信じると約束したからには信じて待つが)」
倉庫の消耗品エリアで目的の物を探しながらリオナの心配をする。
「よし、見つけた…ん?これは……」
見つけた物を手に取り個数を確認してから、倉庫を出ようと振り向いた時、後ろからカコンッと音がなったため音の方を見るとそこには俺が懸念していた事を解決出来る物だった。
………そして、時間は過ぎ。
「もう大丈夫か?」
持ち物の見直しをした後、倉庫から持ってきた物の調整しているとリオナが俺の後ろにやってきたので声をかける。
「うん……心配かけた……」
「まぁ心の整理は必要だからな。そんなに気にしなくてもいい」
「…………」
俺が返事をすると服の擦れた音がした。凄く小さい声を出しているがおそらく謝るか俺の今している事について聞くのかで迷っているのだろうか?
「よし……話があるから場所を移そう」
「えっ……あっ…うん」
リオナは声をかけられ少し跳ねたが言葉は聞いていたのですぐに後を追いかける。