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世界
「……どう言う事?」
階段を降りて座っている彼の隣に座り話を聞く。
「その様子だと勘づいていると思うが……あの世界は平和になって人類がくらしている」
「……人はあなた以外いないはず……」
「ああこの世界にはいない」
「……と言う事はあの世界はもう一つの世界?…」
「合っているがもう少し詳しく言うと"この世界がもう一つの世界と統合した"のがあの世界だ」
「……ここが変わっていないのは?」
「多分、研究室と直接繋がっていて俺達が覚えているのとリオナの力が関係しているんだろう」
「………何でここに止まったの?」
「今の状態で移動するのが不安なんだ」
「でも…研究室も別の世界だった」
「あそこはまだ道の途中だから良かったんだと思う」
「……回復は出来ない?」
「ああ緑はもうないからな。延命の可能性としては青があるが撃たれた衝撃に身体が耐えられないだろう」
だんだんと弱くなっていく彼の魂を見ながら必死に何か出来ないか頭を回す。
「……!……誰?…」
「色々、ややこしい事になっておるようじゃな」
僕と同じ衣装を着た、黄色の髪をした少女がいつのまにかそこにいた。




