想定外の敵
「ここから別れるぞ」
「ん……頑張る…」
分かれ道の目の前に来て会話し、リオナは俺とは別の方向へ飛んでいく。
「やっぱデフォであの動き出来るのいいよなぁ…………まぁ無いものねだりしてもしょうがないか」
バイクをさらに加速させ空間の裂け目に入り一瞬真っ白な空間を通り、元の空間に戻ってくると目の前にあった生物と建物の壁を抜け、巨大な爆発音が響いた。俺はそのまま走り次の拠点を目指す。
「あいつは………同時に二つ?」
途中の道に置いていたエネルギータンクを拾ってバイクに入れている最中にあたりを見渡しているとほぼ同時に煙が二箇所から上がった。そんな事は別に不思議ではない、エネルギーの塊を投げたりなどするればその程度は可能だからだ。
では何故驚いているのかと言うとリオナはそうする事をしないからだ。俺が似たような事を言っても断っており、その行為を嫌っているように感じた。
「……いやまずは自分の心配だな」
「はぁ…またお前か。何だ?お前、世界の意思より上の存在にでも気に入られているのか?」
呆れと怒りが混じった声で呟きながら男が歩いてくる。
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「……あ〜〜〜酷いじゃなぁい、私たちは友達だったでしょ〜〜」
目の前の女は肉が再生し話せるようになった瞬間こちらに話しかけてくる。
「………私は思った事はない」
「あらあら〜?そんな怖い顔をされる事をした覚えはないわよ〜?」
「……何で来た…この世界はそれほど重要じゃ無いはず」
「それがねぇ〜私達もわからないのよぉ〜。上層部は手のひら返しが大好きだからぁ〜」
ため息をついているあたり嘘ではないようだ。
「でねぇ〜、私達に与えられた目的は〜………」
背中に背負っていた大鎌を手に持ち地面に爆発したような音を立てて突き刺さる。
「この世界の生命を全滅させる事なの〜」
話し方や見た目とは似合わないオーラを発しながら女は眼を細めてきていた。




