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一ヵ月

「…よし、ここはもういい…次は……」


手元の地図を見ながら移動を始める。


彼が残した書き置きを見て約二週間がたった。僕は力の扱いを練習する為、書き置きと一緒にあった円の書かれた地図を頼りにそこまでの範囲を走り回っていた。地図にある点の場所と同じ所に目印があるので迷う事はない。


「今日はここで終わり…」


密集していた生物達を一掃した後、地図を見て一周した事を確認すると一息ついて施設に帰りはじめる。


「(うーん、明日は流石に休もうかな……でもあと少しで慣れてくるし……)」


もう少しで一割の力を完全にコントロールで出来そうだが、作り物の身体で疲労を感じないとはいえあまり毎日動くのは精神の気持ち的に良くないのでどうするか悩んでいる内に入り口にたどり着いた。


「…まぁ、今は休もう」


扉をくぐりロビーにつくと付けている装備を取り外し専用の机に置いて、部屋に戻り服を着替えてからベッドに倒れ込む。


「ふぅ…………この身体汚れてもすぐに綺麗に出来るけどお風呂とか入った方がいいかな……嫌な印象とか持たれたくないし…」


この二週間帰ってくるとこの世界の常識などを調べて色々な事を学んだのでそう思ったら自然と身体が動きだす。


「えっと………とりあえずタオルと着替えだけでいいかな……タオル……これ…でいいのかな?…着替えは…今着たこれでいいか」


メモを見ながら用意をしてそれから全体図を見てお風呂の場所を確認するとその場所に向かって行く。


「次は……服を脱ぐだけ…かな?」


メモを置いて服を脱ぎ終わると引き戸を開け中に入る。


「……これを回して……っ?!」


ハンドルを回すと水が上から降ってきたがあまりの冷たさに驚き反射的にハンドルを反対に回す。


「あれ?……何か間違えた?………あっ、温度の設定?してない……」


メモを見て気づいた後、引き戸の横にある機械を見つけスイッチを押すと数字が出てきたのを確認して、改めてハンドルを回すと温かい水が出てきた。


「次は……シャンプーとリンスで髪を洗う……これかな?」


メモに結界を貼り、濡れないようにしてページをめくり順番を確認して行動する。


「………押せばいいのかな?…わ、なんか出た…これで洗うの?」


穴が空いている所に手を添えて、ボタンを押すように押すとドロっとした液体が手に乗って感触の悪さに思わず疑ってしまった。


「これを…頭につける…………んっ!……ん?…泡…じゃあこれで合ってる…かな」


その後、付いている泡を流してリンスも同じ様にすると今まで感じた事ない気分になった。そしてメモを再び確認して次に石鹸で身体を洗うことを知ると早速行動にうつす。


「えっと……これが石鹸?で……これは?…」

『あー……ちょっといいかな、シャワー……水も止めてくれるとありがたい』


石鹸と一緒に入っていた布の使い道が分からず迷っていると声が聞こえてきた。とりあえず話を聞くため言われた通り水を止める。


「……誰?」

『えっと……彼の身体を回復させている者かな……知ってる?』

「………………ああ…」

『えっうそ!自分で言うのも何だけど結構重要な人物だよ!』

「……それで?」

『…彼と比べて扱い酷くない?いやまぁ今関わったばかりだししょうがないけど』

「……早く用件…言って」

『君そんなキャラじゃ…んんっ、それはボディタオルと言ってそれで身体を洗うんだ。今石鹸持ってるよね?』

「…ん」

『その石鹸とボディタオルを髪を擦る感覚で擦ってみて』

「…ん……あ…泡ができた…」

『よし、それで身体全体を洗えば風呂は終わりだ…え、その後は分かってるよね?』

「…ん…持ってきたタオルで身体を拭く」

『髪はちゃんと拭いてね。じゃあそろそろ休憩は終わろかな』

「……これだけのために?」

『うん、だってあの状態じゃいつ終わるか心配だったんだ…』

「……ありがと」

『どういたしまして、じゃあ彼のことよろしくね』


気配が消えたのを感じた後、聞いた通り身体を洗い流しお風呂場を出て置いていたタオルで水を拭き取り上着を着て上機嫌で部屋に戻りそのままベッドに横になって寝た。そしてこの日からお風呂に毎日入る事にして他は変わらず過ごして、あの日から30日…一ヵ月がたった。

毎回このくらいかけたらなぁ

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