出会い
前作と比べて文字数が多くなっています。
投稿ペースは週一でず。
「くそがぁ!なんであんな細いとこにいんだよ!」
俺は逃げながらそんな事を叫んで爆弾を振り向かずに後ろに投げる。地面とぶつかる音が2回なると爆発音ともにビチャビチャと肉の散らばる音も聞こえた。
「ちぃっ、もっと弾を持っておけばよかったっ…あっぶね……再生力が他の奴らの比じゃねぇな」
建物の影に隠れた後、煙を見ながら最後の予備弾を銃に入れていると煙から触手が現れ俺を狙ってきたので屈んで回避し別の柱に隠れる。
「どうすっかなぁ…今回は偵察のつもりだったから大きな物を持ってないしっ………やばっ」
再び俺に向かってきた触手を避けながら走っていると大通りに出てしまい他の生命体に見つかってしまった。おそらくあの爆発音で集まっていたのだろう。
「ん?人型?………なるほど、ここにいるやつらを支配しているのか」
家の屋根にいた人型の何かは腕を上げておろすとそれに合わせて巨大な生物はゆっくりとこちらに近づいてくると同時に後ろから多くの触手を生やしたスライムもどきも現れた。
「やるしかないか…………っっっ!」
ジャージの内側からもう一丁の拳銃を取り出し自分の心臓を撃ち抜いてその痛みに耐えながら拳銃をしまうと赤黒いオーラが発生し俺の身体を包み込む。
「はぁぁぁ、やっぱ辛いな」
深い息を吐きながら一言喋ると人型の方を向く。生物達はオーラで足を止めていたが再び歩きだし『俺のいた所』に移動を始めた。
「お前は何だ?」
真っ黒い人型の正面?に立ち声をかける。
「………お……え………じ………ま」
「うおっ…首一直線かよっ」
屋根の上で格闘戦をする。幸い相手が狙ってくるのは首や心臓など急所なので対処がしやすい…まぁ当たっても制限時間のうちなら再生出来るので避けるなどしなくてよいのだが、痛みは普通にあるのだ。
「これはっ………お前はこの世界の生命じゃないのか?」
「……その…から………じゃ…ま」
「話を聞けって…邪魔っ言われても別に俺は他世界に関わるつもりはない!と言うか他世界がある事自体今知った!」
目の前のやつが発する音声に耳が慣れてきてだんだんと聞き取れるようになってきた。
「その力は計画に邪魔……………これなら防げないでしょ……」
「まじか……………いや使おう」
黒い人型が空に飛び上がり手を上に上げ指を鳴らすと無数の赤い光が見えた。集中して見るとそれは岩であり、言ってしまえば隕石である。
俺は防げる可能性がある力は持っているが残りが少ないため一瞬迷うが使うことにする。再びジャージの内側から拳銃を取り出してから赤色の弾倉を取り出し白色の弾倉を入れると先程と同じように心臓部分に打ち込む。すると白いオーラが身体を包み込み俺の姿が変わるとオーラは消えた。
「…100はくだらないか、まぁあいつを倒せば終わるだろう」
一呼吸すると人型に向かって飛び上がる。最初に来ていた隕石との距離が縮まると俺は片手で受け止める。本当に跡形もなくなるような熱さと力を込めているのを忘れるほどの重量に一瞬だけ耐えるとビキッと音が響き、空に波紋が広がる。
波紋の範囲にある物は高さも関係なく全てが凍りついた。人型は初めて慌てる声を出しながら少し凍りついた手足を溶かす。
「おおおおおっ!」
「……これも……」
氷塊になった隕石を、勢いを殺すなどせず気合いで押し返し人型にぶつけようとしたがぶつかる直前で粉々になった。
「はぁ……はぁ………(まずい、思っていた以上の力を消費した…早く決着をつけないと、流石に3つも使うのはダメだ)」
「………力は使い切ったんだ……」
「だったら何だ?見逃してくれるのか?」
氷塊になった全ての隕石が砕け、雪のようになっている中俺達は会話をする。
「そんなわけない……ここで息の根を止める…」
「まぁ、そうだよな」
手の横に降っている氷のかけらを一点に集め剣を作り出し構える。少し大きめの欠片が間を通り目の前で割れた瞬間、俺達は動いた。
「ちっ、やっぱ素直に殴ってこないか」
「……そんな事言ってていいの?……」
「くっ……(近接戦がキツくなってきた、赤の力が消えたのか)」
逆手持ちされた短剣?と刃を交えていると赤の力が消え押され始めた。俺は何かないかと周りを見渡し必死に考える。
「(?………これは……これしかないっ…)」
「…っ!」
戦いながら思考していると突然、知っている感覚を感じ取り一つの策を思いつく。そして思いついた瞬間すぐに行動を始める。俺は降っている氷の欠片を全て周りに集めドーム状の壁を作る。
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「(危なかった…避けるのを一瞬でも遅れていたら私もアレらと同じようになっていた)」
半球の壁を見ながら息を吐く。先程の隕石で終わらせるつもりだったのだが耐えられてしまったので疲れに耐えながら戦闘を続けていたのだ。
「(いったい何を……っ!)なっ!………ごふっ…」
「はっ…お前、喋り方から女だと思っていたがまさか幼女だったのか。いや見た目だけか」
突然、白紫の光が避けることの出来ない速度で私に向かってきたので私は壁を作り防ごうとしたが簡単に貫通されそのまま心臓も貫かれた。
色髪色が白と黒が半々になっている男が血を吐く私の前に立つ。
「…あれは……何……」
私は先程受けた攻撃について聞く。
「別に難しくない、ただお前の力を利用しただけだ」
「利用……………なるほど…私のミスだった」
私は敗因を理解し納得すると意識を失った。
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「ちゃんと片付けないと後が怖いな」
俺は目の前で倒れている女の子の体を凍らせると小さく粉々にした。
「はぁ、二発も使ってしまった」
地面に落ちている紫色の弾を拾い、銃に入れていた同じ紫の弾倉の中に入れるとジャージの内側にしまう。
「あっ………このデータ…見れるかな?…」
持っていたUSBメモリに半分の深さまでヒビが入っていたことに驚きながら道を歩いていく。