28(エピローグ) まあ、念の為称号欄まで確認しとくか
「うぅ、あったまいてえ……気持ちわる……」
ズキズキと鈍痛を生み出す装置と化した頭を押さえて俺は目を覚ました。
死屍累々と言うべきか、この部屋には昨日帰らなかった大学生という名の酒クズたちが転々としている。
異物をたらふく呑み込んだときみたいな、重苦しい腹を押さえ、テーブルの上の惨状にため息を吐く。
飲んだ後って何が一番辛いって、片づけだよなぁ。
「……ま、しゃあねえか。このゾンビ共を叩き起こさないと」
今日は一限が無いのは救いだが、二限はあるのでいつまでもこのままというわけには行かない。具体的に言うと十時には家を出なければ。
さらっとメカクレ達ハーレムが消えているのは、まぁ、あれだな。
今日大学であったら、満面の笑みで『昨夜はお楽しみでしたね』って言ってやる。
「……その前に、一応確認しておくか」
何をって、そりゃ称号をだよ。
今回の件では色々あったが、結局称号に人は振り回されるのだとしみじみ感じた。
そんな俺の不安要素、【前作主人公】がしっかり消滅しているのを確認するのだ。
まあ、因縁も綺麗さっぱりの俺だから、あまり不安に思ってはいないのだが。
さ、心の△ボタンをプッシュだ。
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【一般人：大学生(理系)】栗原四季
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お、ちゃんと第一称号は元に戻っているな。
まあ、念の為称号欄まで確認しとくか。
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LV：40(上限)
EXP：2.09445E＋384659
HP：100/100
SP：100/100
STR：94
VIT：72
AGI：90
INT：154
DEX：44
LUC：5
称号：
【一般人：大学生(理系)】
【異世界帰還者】
【無冠の軌跡】
【英知簒奪者】
【デミ・アドミニストレータ】
【次元裁断者】
【世界分岐点】
【誘神の灯火】
【宿命の果てに辿り着きし因果律を背負う者】
【シリーズ名物キャラ(ラブコメ主人公もあるよ！)】
【主人公じゃダメって言うから、色々サービスしといたんだＺＥ☆(by天使)】
スキル：
『鑑定Ⅱ』
『目利きⅠ』
『合成ＥＸ』
『自己学習ＥＸ』
『魔力操作ＥＸ』
『時空断ＥＸ』
『時空転翔断Ⅰ』
『回復魔法ＥＸ』
『フレアＥＸ』
『刹那時空断ＥＸ』
『セルフトレースＥＸ』
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ん、【シリーズ名物キャラ(ラブコメ主人公もあるよ！)】……？
え？ 【シリーズ名物キャラ(ラブコメ主人公もあるよ！)】！？
更に【主人公じゃダメって言うから、色々サービスしといたんだＺＥ☆(by天使)】？
なるほど。
「ぶっ殺すぞあのクソ天使ぁあああああああああああああああああああ」
天まで届けと願う俺の叫び声で、ぞろぞろとゾンビ共は目を覚ますのだった。
おしまい。
ここまでお付き合いくださってありがとうございます。
これにて本作は一応完結となります。
続きそうな終わり方になってますが特に続きを考えているわけではないですし、タイトル詐欺になってしまいますしね（もしかしたら、気が向いた時に何か書くかもしれませんが）
投稿時には誰一人読んでくれなかったらどうしようという思いもあったのですが、思ったよりもちゃんと読んでくださる方がいて嬉しかったです。
感想もありがとうございました！ 色々と考えてしまって返信できずにいますが、いただけて本当に嬉しいです。
11月にまた新しい話を投稿する予定ですので、もし気が向いたらそちらも読んでいただけると幸いです。
改めて、ここまで読んでくださってありがとうございました。
※追記
面白かったら感想とか評価もしてくれると嬉しいです。
