「キリンさんが好きですっ! でもゾウさんのほうがっ! もーっと好きですっ!」
ズシンッ! ズシンッ!
ズシンッ! ズシンッ!
「全然気持ちがこもっていませんね。もう一度」
「キリンさんがぁっ!! 好きですぅっ!! でもおっ!! ゾウさんのほうがあっ!! もぉっど好きでずぅっ!!」
ズシィィン!! ズシィィン!!
ズシィィン!! ズシィィン!!
「次は指じゃなくて腕が潰れちゃうかもしれませんよ」
「ギリ゛ンざんがぁぁっ!! 好ぎでずぅっ!! でぼおおっ!! ゾウざんのぼうがあ゛あ゛っ!! もぉぉっどぉ好ぎでずぅぅぅっ!!」
ズシィィィィン!! ズシィィィィン!!
ズシィィィィン!! ズシィィィィン!!
……突然不気味な地響きが止み、床に磔にされている私の目隠しが外された。視界に映るのは灰色の巨大な象、そして微笑みを浮かべる少女の姿をした悪魔。
「今日のところはこれくらいにしておきましょうか。明日はもーっとがんばってくださいね」
彼女と象はそのまま去って行く。一体何の目的があって私をこんな目に遭わせるのか見当もつかない。ただ、きっと明日も明後日も私は叫び続けるのだろう。
キリンさんが好きです。でもゾウさんのほうがもっと好きです。