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06.敵襲

きみがひとりでいると思うと心が締め付けられます。

でも、きみはひとりでも平気かもしれないし、こんなことを考えているのは自分勝手なのかもしれません。

 俺はリッケンバッカーを置いて家を出てことを後悔していた。

 クリスティーンに呼ばれ、俺は魔法会に向かった。その日のうちに帰れるはずだった。

 魔法会に着いた俺は、クリスティーンと預言者アミルのもとに向かった。

「俺、アミル様に会うの初めてなんだけど……、緊張する」

「ガル、実は私もだ」

「お前、占い師つながりで会ったことないのかよ」

「アミル様だぞ、大大大預言者様だぞ、私なんかが簡単に会えるはずないだろ」

 魔法会の地下にある予言室に着いた俺は、巨大な門に圧倒された。

 クリスティーンが杖を取り出した。魔法使いは生まれたときに杖が与えられ、杖で身分証明をする。俺も杖を取り出し門にかざす。

 巨大な門が開くと、螺旋階段が天まで伸びている。一体何段あるんだ……、これを上るのかと思うと足がすくむ。

 俺とクリスティーンが階段の一段目を踏んだ瞬間、階段がエスカレーターのように、ぎゅうううんと自動で頂上まで進んだ。

 空中に浮かぶ椅子に座っている老婆が俺たちを手招きしている。

「いらっしゃい。ガル・レグルス、クリスティーン・ネル」

「初めまして、アミル様」

「初めまして」

 と、クリスティーンに続いてあいさつした。

「そんなに固くなりなさんな。ささ、お茶でも飲みながら未来の話を聞かせておくれ」

 アミルが言い終わると同時に目の前に、テーブルと椅子が現れた。杖を振ることなく魔法を使うことは容易ではない。俺とクリスティーンは椅子に座り、テーブルに置かれたティーカップに口を付けた。「おいしい」と、思わずつぶやいた。

「ほほっほ。そうじゃろ、そうじゃろ」

 と、嬉しそうにアミルは笑った。

「この水晶の中にレッドドラゴンの未来の一部が入っています」

 クリスティーンは杖を振り水晶を出現させた。俺には見せてくれなかったのに、と思ったが口には出さなかった。

 水晶を浮遊させアミルに近づかせる。アミルが水晶を手に取ろうとした瞬間、魔法攻撃がアミルの右手をかすめた。水晶が地面に落ちる。攻撃が飛んできた方向を見ると、黒い煙に包まれ空中に浮かぶ魔法使いが三人、杖を構えてこちらの様子をうかがっている。俺とクリスティーンは杖を取り出し、攻撃魔法を敵に向かって放つ。それと同時にクリスティーンがアミルを守るために防御魔法で見えないシールドを作る。敵は、俺たちの攻撃をはじき、黒い煙になり移動しながらこちらを攻撃してくる。クリスティーンのシールドが敵の攻撃をはじき返し、敵の一人に命中する。俺は、攻撃魔法を繰り返し放ち、敵の一人を倒す。敵は残りひとり。だが、敵は攻撃をやめた。俺とクリスティーンは相手の様子をうかがう。

「しまった」

 と、クリスティーンが言った。敵の手には水晶があった。目的はそれか、と俺は魔法を放ったが、敵は攻撃が届く前に黒い煙に包まれ消えてしまった。


 水晶を持っていかれた。


 クリスティーンがアミルを診ている。命に別状はないようだ。だが、やつらは、どうやってここに入ったのか。魔法会は世界で一番安全なはずだ。何人もの魔法大臣が魔法をかけて守っている。ここに侵入できる魔法使いなどいるはずがない。

 誰かが手招きしたとしか考えられない。

 

 敵は魔法会の内部にもいる……。


 俺とクリスティーンは目を合わせる。どうやらクリスティーンも同じ考えのようだ。


 この出来事はすぐに世界に広まり、かつて世界を破滅に追い込んだ黒い魔法使いの復活を示唆した。


 俺とクリスティーンは魔法法務局で取り調べを受けることになった。


読んでいただきありがとうございます。

次回もよろしくお願いいたします。

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