04.ドラゴンの楽園
こんにちは。
最近は半袖か長袖か迷う日が多いですね。
みなさん、体調に気を付けてお過ごしください。
朝日に照らされ、雪がキラキラと宝石のように輝いている。鱗が青色のドラゴン、黄色のドラゴン、角があったり、なかったり、大きさも個体によってばらばら。村の中心に巨大な樹木があり、ドラゴンの巣がある。ひときわ大きな巣に子供のドラゴンがたくさん集まっている。中心には一頭の赤い鱗の子供ドラゴンが寝ている。純白のドラゴンが口に薬草をくわえてやってきた。子供ドラゴンたちは道を開ける。「シャーリーン、この子だいじょうぶ?」と青い鱗の子供ドラゴンは心配そうにきく。シャーリーンと呼ばれた純白のドラゴンは薬草を口移しで寝ている赤い鱗の子供ドラゴンに飲ませる。「これで大丈夫。」とシャーリーンは青い鱗の子供ドラゴンの頭をあごでなでる。シャーリーンが出ていくと子供ドラゴンたちは、寝ている赤い鱗の子供ドラゴンのまわりで騒ぎはじめた。
僕は目を覚ました。周囲にいた子供ドラゴンたちは一歩下がる。青い鱗の子供ドラゴンが僕の顔をのぞき込んで「大丈夫?」と心配そうに聞いてきた。「大丈夫」と言ったら青い鱗の子供ドラゴンはニコッと笑った。かわいい。
「目覚めたか。」
子供ドラゴンたちは振り返り、声のする方を見る。純白の鱗が太陽に照らされ、輝いている。純白のドラゴンはこちらに近づいて僕の顔をのぞき込む。その大きな瞳に吸い込まれそうになる。
「体調はどうだ、レッドドラゴン。」
子供ドラゴンたちが僕を見る。
「大丈夫。ここは…?」
僕は子供ドラゴンたちをチラチラと見ながら聞いた。
「ここはラグーン、ドラゴンの楽園だよ!」
「君は予言のレッドドラゴンなの?」
「ねえねえ、そうなの?」
「今までどこにいたの?」
子供ドラゴンたちが次々に質問してくる。僕は純白のドラゴンを、助けを求めるつもりで見つめる。
「元気になってきたみたいだし、ここを案内してあげる。」
純白のドラゴンは僕をみてニッコリ微笑んだ。
僕は純白のドラゴンと一緒に子供ドラゴンの囲いから抜け出した。純白のドラゴンは、「まずは下に降りよう。」と言って、巨大な樹木にある巣から飛び立った。僕はどうしようか悩んだ。羽を広げるが恐怖に支配され動けなくなった。純白のドラゴンは何か察したように優しく微笑んで僕に尻尾を巻き付け、下まで降ろしてくれた。
僕と純白のドラゴンは一緒に歩きながら村を見て回る。
「恐怖を克服するには時間がかかるものだよ。」
純白のドラゴンは僕が落ち込んでいる事に気づいたのだろうか。
「落ち込まなくても大丈夫だよ。」
僕は純白のドラゴンを見る。心を読まれているみたいだと思った。
「私たちホワイトドラゴンは心の声が聞こえるんだ。」
純白のドラゴンが微笑みながら言った。
「私の名前はシャーリーン。最後のホワイトドラゴンだ。」
「僕はリッケンバッカー。」
僕も名前を名乗った。ガルにつけてもらった名前。シャーリーンは僕を見つめる。
「ガルに会いたい?」
シャーリーンが聞いてきた。僕はうなずいた。
「そうか、君は人間を知らないんだね。人間を信用しちゃだめだよ。」
僕はシャーリーンを見る。時々、すれ違うドラゴンに挨拶をしながら僕とシャーリーンは村を見て回る。
僕たちは大きな遺跡についた。
「ここには過去の歴史が刻まれているんだ。君はどこか他のドラゴンとは違うね。予言のレッドドラゴンということを抜きにしてもね。これから、この世界のすべてを見せてあげる。」
僕はシャーリーンの後について、遺跡の中に入っていった。
読んでいただきありがとうございます。
次回もよろしくお願いいたします。