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01.転生

初投稿です。

よろしくお願いいたします。

 いつからこんなに死ぬことばかり考えるようになったのだろう。

 生きることは義務。死ぬことは悪。君は生きているだけでいいと言うけどそんなわけないだろ。

 ワイヤレスイヤホンの充電がなくなって仕方なく外すと渋谷の喧騒が鼓膜を揺らした。

「死にたい」

 誰にも聞こえないほど小さな声でつぶやいた。駅のホームで始発を待つ。

 (一歩踏み出せば楽になれるのかな)

 ふわふわとネガティブな思考に支配される。眠気が意識を闇へと誘う。

 強い風が吹く。電車が迫ってくる。気が付いたら僕の足は地面を踏んでいなかった。


 意識はあるが真っ暗で何も見えない。どこかに閉じ込めれているのか、身動きが取れない。無理やり動こうとすると体が壁に当たる。壁はそれほど分厚くなさそうだ。思いっきり足をのばしてみる。

「…いいぞ、がんばれ」

 誰かの声が聞こえる。思いっきり体を伸ばし壁をぶち破る。

「よし!産まれるぞ」

 壁をぶち破り外に出た僕は足にうまく力が入らずなかなか立てない。急に視界に光が入り込んできたせいで目もほとんど見えていない。ここはどこなのだろう。

 突如、誰かに体を抱きかかえられタオルにくるまれる。ふわふわで暖かいタオルはとても気持ちいい。

「かわいいな、リッケンバッカー」

 だんだん目が光に慣れてきた。目の前に鏡がある。大柄な男がタオルにくるまれた僕を抱きかかえて幸せそうな表情をしている。僕は鏡に映る自分の姿を見て驚いた。大きな目に赤い鱗。小さな角と小さな羽。映画や漫画で見た。ドラゴンだ。

 壁だと思ったのは卵の殻で僕はドラゴンで、今、生まれた。

 

読んでいただきありがとうございます。

次回もよろしくお願いいたします。

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