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僕は王になった  作者: 迫りんぴっく
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孤独になろうとも

友達が居なくなって約半年。

 それは僕から高校生活での居場所が無くなった期間を意味する。


いつも一緒にいた友達、その友達ともあることをきっかけに疎遠になった。

 僕が悪かったのだろうか?そう思うこともあったが、結論僕は唯一の友から裏切りを受けた、憎むべきはそいつ、自分ではない。毎回考えを巡らせてはそこに落ち着く。


もうどうだっていい、一度不登校になりかけたが、親からの猛反対を受けそれ以降はこうやって毎日通っている。

 でも通っているだけ。1年の時は学年でトップだった成績も今や下から数えた方が早い。

 授業中だって関係なくほとんどの時間僕は机に突っ伏したまんま。

 友達もいない僕がマジメに授業に参加することがひどく滑稽な存在に思えたからだ

 厨二病?そういう言葉があるらしい。僕はそうではないはずだ。

 マジメに授業を受ける者、授業中なのにしゃべっている者、そのすべてを自分より下の奴らだと心の中で嘲笑することで

心の均衡を保っていた。


 このままじゃ単位も足らず留年。そうしたら母さんと父さんはさすがに退学させてくれるだろうか。

 僕は何よりもこの状況から逃げられたら、そう考えていた。


今日ももうすぐ学校での苦痛な時間が終わりを告げてくれる。

 そうすれば今度こそ死ぬか、何度も抱いたその願望は毎回自らの臆病によって打ち消される。

 打ち消されると共に、今朝しきりに取り上げられていたあの法律が脳裏によぎる。

 脳裏によぎり、そして机に突っ伏したまま大きなため息をつくのだった。



 僕を苦痛から解放させてくれるチャイムが鳴ると

少しだけ心が躍る、数瞬後、今置かれている状況が変わるわけではないことに落胆する。

 その繰り返し、その繰り返しと分かりつつもやはり心が躍る。

 号令が終わり、そそくさと校舎を後にした。


自宅への道すがら4日後に控える体育祭に思いを耽る。

 僕にとってイベントごとは一番耐えがたい苦痛だ、

その回避策を巡らせては、伴うリスクをイメージしてまた大きなため息をつく。

 何事も一筋縄ではいかない、とにかく帰ったら寝よう、寝てじっくり考えよう。

 体育祭に出ないで済む方法を。

 そうして家路を急ぐのだった

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