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第6話 父娘の打ち合わせとふれあい、そして兄の取り扱い

 何だかんだと話をしながらも母と誕生祭の事を打ち合わせ、ついでにその後に魔法の実技の授業を受けれる事を聞いてテンションを上げながら、お父様の所にも誕生祭の確認の為に執務室まで行って来た。

 「失礼いたします、お父様少しお時間はよろしいでしょうか?」

 母との打ち合わせではドレスやアクセサリーなどのデザインの打ち合わせで何故母に打ち合わせるのかと言うと、アクセサリーやドレスを魔法を使って加工、即ち魔道具にする為である。

 後はもし万が一の緊急事態発生時の対応の打ち合わせも母としてきた。

 その事を父にも報告すると、

 「我が国には備えあれば憂いなしという、初代様の代からある言葉があるのだよ。」

 確かに何かあるとは思えないが、だからと言って沢山の来賓が来る誕生祭でそのような愚行を犯すことは出来ない。

 「他国に隙を見せることになってしまいますものね・・・」

 私がその様に理解したのが嬉しいのか父は満面の笑みで、

 「エルゼはしっかりと勉強してるみたいだね、魔法の実技の授業が始まったら武芸の稽古を始めてもいいかもしれない。」

 「本当ですか!?お父様?」

 思わず私が食い付くと、

 「あぁ、身体強化の魔法を習ってからになるけどね。」

 感無量な事に私のテンションは内心アゲアゲである。

 「とりあえず、誕生祭の方を先に終わらせた後に俺とエトで相談してしっかりと授業予定(カリキュラム)を組むから楽しみしておきなさい。」

 「はい!!」

 と返事をした所で、本題に戻る。

 「万が一の事態に遭った時の措置はエトが用意する話になっているから、準備している合間にしっかりと確認するように、着けるだけ着けて使い方がわからないと意味無いからね。後は脱出経路に近衛の配置の把握もなるべく覚えておきなさい。それ以上に俺の開催の挨拶が終わった後にエルゼもスピーチしないといけないからそこもしっかりと歴史学の先生に作法を聞いて作文するようにしなさい。」

 せっかく上がったテンションが只下がりしそうなぐらいやることが多い。

 だが、やるしかない。私と同じ転生者である初代帝王ルルージェ様が残した言葉のように何があってもいいように備えておくしかない。

 気持ちを奮い立たせ、やる気を燃やしているとあることを思い出した。

 「そういえばアルド兄様はどうなりましたか?」

 少し前にやっていた追い駆けっ子を思い出す。

 「アルドは現在、騎士訓練を5週かな・・・」

 騎士訓練とは基礎体力訓練に加えて、剣術、体術、盾を使った戦闘防衛訓練に、槍術の訓練を行う訓練である。

 新入りとして入ってきた兵士はまず基礎体力訓練を重点的に行い、その後彼らの上司に値する騎士の命令に従えるように訓練を積んでいく。

 その訓練を積み重ね、昇級テストに受かると次は従騎士の立場に昇進する。

 従騎士とは、分かりやすく言えば騎士見習いである。

 見習いである為、兵士達への指揮権は緊急時に自分以外の騎士がいない時以外は認められていない。

 下手に与えて暴走したら大変だからね。

 で、従騎士の最初の訓練は礼儀作法だったりする。

 これは帝城内で要人の護衛に付く場合があるため必須となっているからである。

 そして、その次に受ける訓練が騎士訓練という訳である。

 もちろん、騎士も体力は必要なので手抜きなどは一切なく、一通りこなすだけでかなりのキツい。

 戦闘技術と礼儀作法を覚える事が出来たら、今度は護衛訓練を受ける事になる。

 この護衛訓練を修める事が出来たら、実地テストを受ける事が出来、このテストに合格したら正式な騎士として就職出来る訳である。

 そして、アルド兄様が罰として受けているのが、途中で説明した騎士訓練・・・それも5週・・・

 「いつも逃げる度に騎士訓練なんですか?」

 私がそう疑問に思い、お父様に尋ねると、

 「いや、最初は座学や反省文なんかで済ませてたのだけど、いかんせん懲りなくてね・・・最終的に逃げ出す体力をまず奪い取る事にした。」

 アルド兄様は以外と体力バカなようです。

 「そうですか・・・そういえば先程お母様ともお話しましたが、アルド兄様の意中のお相手をお父様はご存知なんですか?」

 私がそう聞くと、お父様はこちらを凝視して

 「エルゼ、何でそう思ったんだい?」

 私はその問いかけに素直に答えます。

 「お父様やブラストおじ様の手を煩わせてまで嫌がるのは流石に不自然です。」

 と私がはっきりと言うと、

 「なるほど・・・だが、私も相手が誰かまではわからないんだ、聞いても答えないからね・・・」

 「マルス兄様やレオン兄様にも聞いてみたらどうですか?」

 「そうだね・・・後で二人にも確認してみようか。」

 それから父は私を抱き上げ、自分の膝の上に乗せる。

 「お父様、流石に恥ずかしいです・・・」

 「そのわりにはすんなりとここに運ばれたようだけど?」

 「お父様のイジワル・・・今日はアルド兄様の件でお疲れのご様子ですので特別です。」

 父娘のスキンシップを少しの時間だけとって、その後、私は自室に戻って誕生祭の行程を確認しました。

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