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第38話 成長期だからお腹が空くことは仕方ない事なんです。

明日から更新時間を12時に変更します。

 昨日は夜ご飯も食べずに寝てしまったからか、朝起きると非常に空腹を感じた。

 「まずは、腹拵えかしら?」

 「姫様、まずはお風呂からです。」

 アンナがスッと私の後ろに立ちそう告げるが、

 「さすがに、何も食べないと倒れそう・・・」

 そう答えると、ぐぎゅぎゅるるぅ~!?と凄まじい鳴き声のような音が響いた。

 「・・・姫様、大変失礼致しました。至急今から摘まめる物を持って来ますので、暫しお待ちを・・・」

 「・・・よろしくお願いします。」

 私は恥ずかしさのあまり顔を上げれずにそう答えた。

 アンナすぐに食堂に向かい、私の部屋を出ていった。

 「はぁ~、いくら晩ご飯を食べなかったからでもそんな音でならないでよ~・・・」

 私は自分のお腹を撫でながらそう一人呟いた。

 20分程でアンナが出来立てのパンと紅茶にジャムを持って来てくれた。

 「バターロールにジャムと紅茶だけでもかなりお腹の足しにはなったわね。」

 「・・・姫様、バターロールを10個以上食べて漸く足しになったですか?」

 「ジャムも凄い美味しかったわ、ダンジョン産のイチゴかしら?」

 「はい、クイーンストロベリーと呼ばれる品種です。大きめな見た目と上品な甘さが特徴ですね。」

 アンナの説明に納得しながら、

 「ダンジョンに潜ったら、色々な果物をジャムにするのも楽しいかもしれないわね?」

 「そうですね、その時はマリアとサンにお供を頼んで下さいね?絶対に一人でダンジョンに入ってはダメですからね?」

 「入らないわよ、いくら私でもそんな無謀な事はしません。」

 そんな事を言いながら私はお風呂に入った後、アンナに着替えを手伝ってもらい、そのまま朝の鍛練に向かった。

 「剣の稽古だけやった後に朝食をとってからお母様の様子を見に行くわ。」

 「剣の稽古が終わったらまたお風呂ですからね?」

 「アンナ、お母様に良さそうな差し入れを選んでくれない?簡単なおやつで大丈夫だと思うんだけど・・・」

 「畏まりました。」

 それから私は城の庭で剣の素振りを行い、30分程で終わらせた。

 「昨日の寝落ちは最近ちょっと無理し過ぎたのが原因だし、たまには休みにするのもいいかな?」

 「・・・姫様がそれでいいならそのように手配しますが、今は鍛練後のお風呂です。マッサージもしますから早く行きますよ?」

 アンナに引っ張られて私は再びお風呂に入り、マッサージを受けて、朝食を食べた。

 「・・・また今日は凄い食べるな?」

 「昨日は晩ご飯を食べずに寝てしまったので・・・アルド兄様、そんなに見ないで下さい。」

 アルド兄様の視線の先には、大量の料理が並んでおり、その反対側に空になった皿が増えていっている。

 「俺も食べる方だと思うんだけどな・・・」

 「・・・アルド兄様、間違っても私が大食らいだと皆に言ったら、上級魔法を連射しながら追いかけますからね?」

 「そんなウカツな事はしないっての、マルスとレオンも気を付けろよ?」

 私の警告をアルド兄様は平然と流して、マルス兄様とレオン兄様に注意しておく辺り、私の扱いに慣れてると思う。

 二人も首を縦に振ってるし・・・

 「それより、母上の所に行くんだろ?予定日の確認しておいてくれよ。」

 「?ご自分で行った方が早くないですか?」

 「別に面倒だとかそういう事じゃなくて、もう臨月だろ?だから、男は入り辛くてな・・・父上からも聞かれてるんだが、父上も5分話をすると追い出されるって言ってたしな。」

 「・・・それは単純にお父様が時間の調整をせずに行くからでは?臨月になってしまうとお風呂に入る事も大変ですから、丁度その時間に行ってしまったか、或いは只、お父様の仕事が溜まっているかのどちらかでは?」

 「・・・どっちもありそうだな。なら俺も母上に顔を見せに行くかな?これから行っても問題はないんだろ?」

 「はい、お母様も朝食は食べ終わっていると思います。・・・ってアルド兄様?っ!?ひゃあ!?」

 「頬っぺについてるぞ?」

 「・・・妹でもそういう事は禁止です!?アルド兄様がそういう事をしていいのはマリアだけです!」

 「・・・?何を興奮してるんだ?マリアもそういえばこの間・・・」

 アルド兄様は首を捻るが、

 「とりあえず、丁度いいですからお母様の所に一緒に行きましょう。マリアとの進み具合も聞きたいですし・・・主に式は何時なのかとか・・・」

 「程々にな?」

 「アルド兄様次第です、マリアが幸せだったら手加減してあげます。」

 「なら、大丈夫だ!」

 と笑顔なアルド兄様を見て私は、マリアに贈る品を考えるのだった。

 「・・・それより、まだ食べるのか?」

 「後五皿ですから、もう少し待ってくださいアルド兄様。」

 マリアをどのように口説いたのかも聞きたいですからね、アルド兄様がお休みなのはこちらも好都合と言うものです。

 などと心の中で思いながら残りの朝食を私はしっかりと片付けて、アルド兄様と帝城の医療区画に向けて歩きだした。

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