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第31話 お父様に説教、そして、粛正命令

 お父様にお兄様達と大会に向けて模擬戦を行うからマルス兄様とレオン兄様の見合いを全部キャンセルするように要求したら、お父様に泣きつかれた。

 「なぜ、そんなにいっぱい見合いを組んでしまったのですか!?」

 現在、私はお父様を説教中である。

 「仕方ないだろう?リリィも含めた全員に均等に帝位継承権があるんだから、権力を欲しがるやつらが多いし、そういうのは基本何かやらかしている場合も多いし・・・」

 などと言い訳をするお父様に、

 「お母様とサーシャ叔母様に今の話をバッチリ伝えますからね?後、アンナ?悪いんだけどブラスト騎士団長を呼んできてもらえる?」

 「かしこまりました。」

 アンナが退室したのを見てから私は本格的な説教を開始した。

 「・・・さてと、お父様?そもそも、そういう疑いがある方と見合いをするから帝王としてナメられるんです!不正は不正としてしっかりと裁くようにしないと泣くのは我が帝国の民なのですよ!?現在、帝王であるお父様がしっかりとそれらを()()()()潰さないから次から次へと馬鹿虫が沸くんです!」

 そう言って私は祭りの前の下準備として()()()を提案する。

 「来年には武天魔祭が始まるのです、お兄様達がキャンセルした空き時間でごみ掃除をするに限ります。」

 「え、エリゼ?」

 「民を害すること、此即ち民の為に生きる我々帝室を侮辱する行為に等しいです。影達を総動員してこの帝国の全て闇を照らし、救われざるものを救い出すのです!」

 私が仁王立ちして、拳を突き上げそう宣誓すると、ブラスト騎士団長が入室してきた。

 「・・・エリゼ様?一体何を?」

 私はブラスト騎士団長の方に姿勢を正して、

 「ブラスト騎士団長、こちらは私のお兄様達の見合いの申し込みの手紙です。」

 ブラスト騎士団長は視線をそちらに向けて首を傾げる。

 「・・・うちのと比べると随分と多いですね?」

 「えぇ、我が父が愚かにもほいほいと聞いてしまった為に、グレーどころかブラックな方々まで調子に乗っているご様子・・・ちょっと調べて粛正・・・もとい、成敗しませんか?」

 「エリゼ様、言い直しても意味があまり変わっておりません。わかりました、この手紙の方々を全て調べて手を染めている方は容赦なく捕らえていきます。」

 「一応、恩赦を考えていない訳ではないから理由とかはしっかりと聞いてくださいね?仕方ないと感じたものはしっかりと手助けしたいですし・・・只、犯罪を犯した者には情けはいらないです。」

 「かしこまりました、こちらの愚王と共に色々と精査していきたいと思います。」

 「本来であればサーシャ叔母様の領分なのだけれど、今はデリケートな時期でしょう?他の副宰相達も現在、サーシャ叔母様の抜けた穴を埋めるだけで手一杯なの、だから・・・」

 「わかっております。私も妻の力になりたいですから、全力で助力する所存です。」

 「ありがとうございます、ブラスト叔父様。」

 私がそう言ってブラスト騎士団長にお辞儀をすると、今度はお父様に向き直り、

 「今回の事、ちゃんとご自分でサーシャ叔母様とお母様が赤ちゃんを産んで落ち着いてから後で報告する事!今は二人に負担を掛けたくはないので仕方なく黙っておきますが、ちゃんと自分から後で報告するようにしてくださいね!?」

 「わ、わかった・・・」

 「もし、報告をしていただかなかった場合は今度はお父様に模擬戦の相手をしていただきます。()()の特殊訓練場で・・・」

 私が魔力を昂らせながらお父様にそう宣告すると、

 「わ、わかったからその魔力はもう引っ込めるんだ・・・執務室が壊れる!!ちゃんと報告するって約束するから!?」

 お父様がそう言ったのを聞き届けて、

 「今の言葉、ちゃんと聞きましたからね?ではブラスト騎士団長、後はよろしくお願いします。」

 「かしこまりました。」

 私はアンナに声をかけて、退室する。

 「アンナ、少し時間が余ったからお母様達の所に顔を出しましょうか。」

 「かしこまりました、今日は天気がいいので花園を散歩するとお聞きしております。」

 「なら私達も行ってみましょうか。」

 そう言って私達は城の花園に向かって歩きだした。

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