第26話 訓練開始に伴って上がりすぎたテンションのままに行動した結果
リリィに魔法の稽古をつけたり、お母様の出産の為に医療体制を整えたり、更に剣の稽古を始めたり、宰相のサーシャおば様の所へ、バトルフェスティバルの開催の企画書を持って行って、ボツを喰らったりして再度企画書の発案したりとしていると、帝城に戻ってから閃光のように10日が過ぎた。
光陰矢の如しとはよく言ったものである。
今日はリライブ伯爵が帝城を訪れるそうだ。
あれから周辺の捜索をしたが、やはりあのスライムの発生原因はわからないらしい。
スライムが発生する為に必要なものは、核となる媒体に水と魔力だ。
だから、魔力溜まりに少しでも水と媒体があると小さいサイズだがスライムが産まれるらしい。
私は実際に確認したわけではないが、その手の研究をした学者がその場面を目撃したらしいので概ね間違いではなさそうに思える。
現にスライムは人工的に造られ、排水などの処理に一役買っているからだ。
防衛にはゴーレムを用いたり、魔法生物製造技術は結構な生活の基盤を作っているように思える。
街の門番にゴーレムを立たせると盗賊も湧かないだろうし、村に一体でもいれば村の自警団でもどうにかなる可能性が高い。
ゴーレムは造るのには確かに金はかかる。
だが、我が帝国にはダンジョンが3つある。
北、西、東に一つの計3つあるダンジョンから得た収入と更にどのダンジョンでも食料が手に入るのでそれを売っていくことで食料の自給率を上げる事が出来る為、我が帝国の金回りを恐ろしく良い。
しかも、貴重な物を国外に輸出する事によって貿易による儲けも得ることが容易だ。
我が帝国の経済はかなり明るく、借金奴隷は凡そ外の国の者が殆どだ。
そして一応、ダンジョンにはそれぞれ採れるものに偏りがあって、北は金属系、西は薬草系、東は竜などの特殊素材などが手に入る。
北のダンジョンは勿論リライブ伯爵領が管理しているが、西と東も勿論貴族の領地の一部として管理している。
リライブ伯爵領は金属の産地なので剣などの鍛治技術が優れている事も有名だ。
そして、この世界にはドワーフがいる。
エルフもいる、勿論両者ともに長寿だ、だから薬や鍛治の知識は彼らの方が優れている事もある。
が、それでも人の探求心、向上心はそれを凌駕する時がある。
それは両種族の者達も認めているらしい、このルルージェ帝国に限りらしいが、
我が帝国に違法奴隷は殆どいない、初代帝王ルルージェがそれを蛇蛞の如く嫌ったからだ。
たまに弱小の貴族が自尊心を満たす為に愚かな事をするらしいが、それも即座に救出される手際だと彼らには評価してもらっている。
何故このような話をしたかと言うと、状況の確認と過去の出来事に何か類似性はないかの確認をするために彼らに問い合わせたからだ。
答えはやはり芳しくなかったが、それは仕方ないことなので何か分かれば連絡をもらえるように頼んだ。
そして、毎日の朝と晩に剣の稽古を始めたのだ。
戻ってからすぐに、レオン兄様とマルス兄様が一緒にやっている所に突撃して強引に私も混ぜてもらった。
身体強化の魔法と身体鍛練の魔法は、浄化の魔法が扱えるようになってすぐに覚えた。
全ては色んな武具に触れる為である。
前世では紳士であった為に、武器という物に心が引かれる。
魔法も勿論ロマンだが、武器もロマンだ。
だが、この世界には当たり前だが日本刀はない。
だから、ドワーフ達と共同で開発出来ないか、現在検討中である。
日本刀は製作方法とかが特徴だからな~、詳しい作り方まで知らないんだよね。
とりあえず、金属の合成から研究かな?と現在、ドワーフの親方と話し合いの最中である。
鉄を斬れる剣の製法となれば、そこはドワーフ、当たり前のように食い付いて来ましたよ。
只、私の前世について説明する訳にはいかなかったので、初代様の残した書物についていた事にしました。
私は無用な伝説を造るつもりはありませんよ!?本当ですからね!
・・・コホン、話がかなり逸れましたが、リライブ伯爵達と話し合いの結果、調査はリライブ伯爵様が主導で継続していくことと、人手と資金の援助を我が父、アウスワルド帝王陛下が行うと決定した。
そして、才能ある者として娘のアスカが帝城に残り、リリィの専属侍女として教育を受け、来るべき災厄に備える事になった。
アスカの知識は来るべき災厄を乗り越える為に必須というべきもの、それを帝城で明かしてもらい、国を上げて災厄を防ぐ、あるいは乗り越えていくためにアスカには帝城に残ってもらった。
その際、アスカの母のランカ リライブ伯爵夫人が帝都に残り、アスカを支えるつもりのようだ。
只、リライブ伯爵夫人には命が宿っているようで、あの毒に犯されていた時間も長かった為、こちらも帝城から医師を派遣して経過要チェックする事になった。
アスカには4日に1日、母親の元へ帰る日を作り、何かあればすぐに知らせる事にしている。
ともあれ、現状から起こりうる不測の事態は一通りの対策は施した。
それとは別に、帝城に勤める医師や宮廷魔法師を中心に今回のような病に聞く薬の開発に着手したようだ。
お父様が言うには、臣下として帝室の方々の手を煩わせる事はならないとか、薬がないと何も出来ないのが悔しいとか、そういった理由で始まったらしい。
確かに劇毒系の物にも効く解毒薬があれば、いざというときに安心できると思う。
私にはわからない難題があるとは思うけれど、開発チームの方々には頑張って欲しいと魔法によるお手伝いをする時に伝えた。
みんな、凄い気合いが入ってた、我が帝国の臣下は頼もしいわ~♡
さて、今日はこれからアスカと打ち合わせに行きます。
3年後の災厄は確かに厄介だけど、お父様も動いているので、私達は自己研鑽に励みつつ、年相応の子供らしく備えたいと思います。
まずは、女子会からスタートします。
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