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協力関係

こんばんは相井らんです。

なんとか今日中に2話投稿できました。最後まで読んでいただけると幸いです。

俺の前にふわふわと少女が浮いている。自分が【リッチ】でソフィアという名前だとその少女は言う。


「えっ!お前俺達が倒した【リッチ】なのか?一部の高位の魔物には知性があると聞くが、本当に、、、ってやばい!!」


いきなり飛んできた少女に俺は尋ねたが、そこで我に返った。

俺はさっと後ろに飛びのいた。そんなこと聞いている場合じゃない。こいつは危険な魔物だ!


「もうそんなに一気に聞かれても困るわよ。というか悪さをしないからそんな風に警戒しないでよ。もう!」


「、、、確かにそれもそうだな。襲うつもりなら自己紹介なんてせず、ブスリだよな?」


一応俺は警戒を解いて少女の話を聞くことにした。


「そうそう。で、さっき聞いてきたことなんだけど私は確かにあなたたちがさっき倒した【リッチ】よ。でも【リッチ】って呼ばないで。私はソフィアって名前があるんだから」


「分かったよソフィア。っていやいやいや君本当にそうなら俺への恨みとかないの?カーライルに切られたときこの恨み晴らさでおくべきか~って言ってたじゃないか。」


俺はカーライルがソフィアにとどめを刺したときのことを思い出した。


「実は、、、、あなたたちが倒したのは私が【死霊魔法】で操っていただけの偽物よ。ほら、あなたたちが倒したの私じゃなくてどくろだったでしょ。」


「確かに、そうだったな。じゃあなんであんなことを言ったんだ?」


そんなことを聞きながら俺はこのダンジョンの主の力を見誤っていた事実に驚愕を感じていた。


「いやぁ、私リッチで魔物だけど別に人が憎いわけじゃないのよ。ただ魔物が死ぬときはあんなセリフ吐くかなって思っただけなのよ。」


「あっ、、、、そうですか。」


俺はあっけにとられてしまった。ソフィアはずいぶんとふざけたやつのようだが実力者だ。多分本気を出したカーライルとは同等以上に戦えるだろう。今までの俺じゃ話にならんかっただろうな。


「それでせっかく前座を倒していい感じに捨て台詞吐けたからどうせなら戦ってみようと思ってたんだけど、出ていくタイミングが分からなくなっちゃたの。」


「いや、戦おうと思ったのじゃねえよ。恨みがないならやめてくれよ。」


俺ははぁとため息をついた。


「私ずっとここで一人だったから暇で暇で仕方なかったのよ。初めての冒険者(おきゃくさん)だったからからかってやろうって思ったの。」


「いや人恋しいならここから出て外の人とふれあえばいいだろ。」


俺がそういうとソフィアは意外な答えを返してきた。


「それは出来ないわね。ほらここの入口の扉って魔物が通れないようになっているでしょ。」


俺はそう言われて扉を振り返った。確かにそうだ。この部屋には魔物がいなかった。だから俺は気絶したときに無事だったんだ。


でもどうしてそんなことになっているんだ?


「ここはお前のダンジョンだろ?どうしてお前が部屋から出れなくなっているんだ?」


「ん~だってここ私のダンジョンじゃないもの。」


驚いた。ここはこいつが主のダンジョンじゃないのか!


「私は閉じ込められているのよ。私は50年前に王族として生まれたんだけど、当時の王子のコルネアに王位継承争いで負けて死ぬまで閉じ込められたのよ。それで死後【リッチ】になったんだけど、相変わらずこの部屋からは出ることが出来なかったの。」


「なるほど、そういうことか。ん?コルネア?コルネア王のことか?」


俺は意外な人物がソフィアの口から出てきて驚いた。コルネア王は俺達がS級冒険者になったときに謁見したこの国の王様のことだよな。あの王様は国を豊かにしたが、黒い噂が絶えなかったんだよな。


「えっ!あいつまだ生きていたの?私もともと人だったこともあって人は襲わないけどこんなところに閉じ込めたあいつのことは許せないのよね。ちょっと仕返しするの手伝ってくれない?」


俺は意外な誘いを受けてしまった。ああ、これは俺にとって福音だ。ちょうどいい。


「ああ、わかった。でも一つ条件がある。」


「何よ条件って」


「俺の復讐に付き合ってくれ。」


俺はそう言って、今までのことの顛末を伝えた。あいつらとともにS級冒険者まで上り詰めたこと、そしていわれもないレッテルを貼られて裏切られたこと、、、、


「ああ、そういうことなのね。いきなり貴方がお仲間さんたちに襲われてどういうことかわからなかったけど、それはかわいそうね。いいわ私も手を貸すわ。これからよろしく、、、、え~っと名前なんだっけ?」


俺は魔物と話しているという状況が以上で名乗ることを忘れていたらしい。


「ごめん、ごめん、俺はノア。職業は【魔物使い】だ。よろしく、ソフィア」


そう言って俺は手を差し出した。


「ん、よろしくねノア!」


そう言って俺たちは握手した。


だが握手しているときに思ったので聞いてみた。


「というかソフィアの実力なら1人でも復讐なんてできるだろう?」



「ノア、あなた思っていたより馬鹿なのかしら?30年以上引きこもっている世間知らずでさらに私みたいなかわいい少女が外に出たらどうなるかわからないの?」


どういうことだ?


「道に迷って一発で人さらいよ!」


ああ、そりゃそうだ。俺は納得した。


ふと気が付いたようにソフィアも聞いてきた。


「そう言えばノアは魔物と組むことに抵抗ないの?」


ソフィアが聞いてきた。


「ああ、抵抗なんてないよ。なんか、信頼を置いていた奴らに裏切られて人も魔物も変わらないってことが分かったんだ。

いやもしかすると人の方がひどいかも知れない。魔物は生きるために人を襲うが、人は自分の名誉や自己保身のために平気で襲ってくるからな。もう俺にとって害をなすなら人も魔物も関係ないんだ。」


「そう、、、、じゃあ同じ復讐仲間ね。こんなところで話していてもなんだしそろそろ行きましょうか。」


ソフィアはそう言ってきた。


「ん?でもこの部屋の扉は魔物が通れないんだよな?どうするんだ?」


ソフィアは右手を上に伸ばして言った。


「どこかの誰かが天井をぶっ壊してくれたおかげで出れるわ。さっ行きましょう!」


、、、お恥ずかしい話だ。ソフィアが俺の手を握ってきた。


「≪浮遊≫!」


「おおおおおおおお!」


俺の体がソフィアとともに浮きぐんぐん上っていく!こいつ空も飛べるのか!


そうして俺はソフィアに手を引かれ俺が落下した縦穴の横まで来た。


最後まで読んでいただきありがとうございました。


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