表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/16

鬼の正体

こんばんは、相井らんです。


今回は再度、カーライル視点で書きました。

次話はまだカーライルと戦いませんが、あと2~3話で完結の予定です。


最後まで読んでいただけると幸いです。

「コルネア王、ならびにカーライル殿にお伝えしたいことがあります。」


王の間の扉を開けて近衛兵が一人入ってきた。


「どうしたのだ。」


コルネア王が尋ねる。


「クレア殿の襲撃犯が分かりました。」


「何!何者だそいつは!」


俺は声を荒げて聞いた。クレアを襲った奴が分かったのか!


「ノアです。あの【魔物使い】がクレア殿を襲ったのです。それだけありません!

フレッド殿とアイナ殿も襲われました!」


なんだと、、、、ノアが生きていただと、、、

それにフレッドとアイナが襲われたのか!


「ノアだと、、、いやそれよりもフレッドとアイナは大丈夫なのか!大丈夫なんだよな?」


俺が焦って聞くと、近衛兵は顔しかめた。


「アイナ殿は捕縛され、連れていかれました。フレッド殿は、、、、死亡しました。」


「何だと、、、、」


俺は驚きで次のことばが出なかった。

どうやったんだ!?ノアは俺たちの中でも最弱だった。あの3人には勝てないはずだ。


俺が次の言葉を発せない間にコルネア王が尋ねた。


「どうやってノアは3人を倒したのだ?カーライルからの報告ではノアはパーティ内で最弱だったと聞くが?」


「それが、、、ノアは背中に黒い羽をもち、【カースドラゴン】に変身しました。さらにアイナ殿の魔法を無効にしたりよけ、そして同等以上の魔法を使いました。ノアは【魔物使い】ではなく魔法系の職業に就いていたのでしょうか?しかも魔法だけでなく、近接格闘能力も高かったのです!私の目にはあれが人の皮をかぶった怪物にしか見えませんでした!」


報告は信じられないものだった。


「【カースドラゴン】だと?そして≪攻撃魔法≫、近接格闘も優れている?、、、そういうことか。」


だが、俺の中で点と点が繋がった。【カースドラゴン】のブレスに冒されたクレア、そしてS級冒険者2人を相手にして勝ったこと、この2つから分かったのだ。


()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「どういうことだ。カーライルよ。」


俺の独り言を聞いたコルネア王にはわからないようだった。


「ノアはもともと≪擬態≫スキルを持っていました。しかしその能力は敵に化けるだけの欠陥能力でした。しかも化けれる対象は自分が直接倒した敵だけでした。本来のノアの実力ならば低位の魔物に擬態するしか出来ないのですが、何らかの原因でスキルが進化し、高位の魔物に化け、化けた対象のスキルも使えるようになったのかもしれません。」


「なるほど、それゆえ【カースドラゴン】の≪カースブレス≫によってクレアは呪われ、ノアが得た様々なスキルによって3人はやられてしまったということか、、、?

だが【カースドラゴン】に≪擬態≫できているということはノアは【カースドラゴン】を単騎で倒したというのか、、、?あれは特級モンスターとされる上位龍だぞ!」


「その件なのですが、ノアの隣には白い髪に赤い目を持ったソフィアと名乗る少女がいました。その少女とノア、アイナ殿の問答を聞いていたのですが、その少女も相当な魔法の使い手であるそうなのです。

もしかするとその少女と協力してノアは【カースドラゴン】を倒したのかもしれません。」


「なるほど、そうであればいいのだが、」


俺は奥歯にものが挟まった言い方をした。何故なら最悪の場合≪擬態≫は倒した敵に限らず、その目で見た敵にさえなれるスキルに進化している可能性があると気づいたからだ。


はじめは馬鹿にしていたが、俺たちはコルネア王がいう「【魔物使い】は強力な力を持つ可能性がある」という伝承に従ってノアを殺そうとしたのだ。


、、、正直、奴の能力をなめてかかると返り討ちに合う可能性がある。

現にクレア、フレッドとアイナはノアによって潰されてしまっているのだ。


「なんだと、、、、」


横からつぶやきが聞こえた。俺が自分の考えをまとめている間、コルネア王は狼狽していた。ソフィア、ソフィアと言葉を連呼している。どういうことだろうか?


「どうされましたか?」


俺はコルネア王に尋ねた。


「いや、なんでもない。、、、そんなことはあるわけがない。あっていいはずがない。」


何かコルネア王には気になることがあるようだが、俺にとっては関係ないことだ。

俺にとって今一番大事なことはノアを打ち取ることだ。


「コルネア王、ノアはもうなりふり構っていては勝てない相手かもしれません。私が全力を出して打倒して見せます!」


「あぁ、そうだな、わかった。だが、それとは別に頼みがある。」


コルネア王はあまりノアには興味がないようだ。どこかうわの空だ。こんな調子で大丈夫なのだろうか?


「カーライルよ。ノアに付いていっている少女について調べてくれないか?ノアを倒した後でいいからな。」


少女?ああソフィアとかいう子か。まぁいいだろう。


「分かりました。その少女についてノアに尋ねておきましょう。わたしには王からいただいた聖剣マールと【鬼人】のガントレットがあります。今の私に敵はいません!必ずや下手人ノアを捉え、王の憂慮をはらして見せましょう!」


俺はそう言って王の間から出ていった。


クレアの苦痛、フレッドの無念を晴らし、アイナを取り戻す。


王の間を出た俺の心に復讐の火がともる音がした。


◆◆◆◆◆

カーライル

Lv  :73

職業 :【勇者】

スキル:剛力Lv7 

    俊足Lv6 

    魔法剣Lv7 

    魔眼Lv5 

    補助魔法Lv3 

    オート回復Lv4

武器 :聖剣マール ‐神の力を秘めた聖剣、その力を1日に1回だけ解放できるー

    鬼人聖拳 ‐【鬼人】の腕を素材としたガントレット、人間の限界を超えた力を発揮できる。‐

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ブックマークと評価をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ