幕間
間違えていないのでそのまま読んでください。
「___マナの様子はどうだい。」
「まだ、まるで足りてないスなぁ、目方2割ってとこでしょーか。」
なんてことはない木製のデスク、なんてことはない安物のカーペット、なんてことはない机の横のドラセナ・コンシンネ。
壁に接触する位置に置かれ、机に挟まれた回転椅子と、そこに座っている男。
とても大きいとは言えない、普通の広さ、ビルの一室でいすにもたれ、男は力無く「あ~…」と、息を漏らした。
「退屈だなあ、この案の唯一の欠点は、あまりに時間がかかりすぎることだね。」
背もたれ、キャスターつきの回転椅子に、目一杯もたれかかり、だらりと外へ腕を投げ、口を開いて天井をみて、くるりくるりとゆっくり回転している。
男のそんな様子を見て、もう一人の帽子の男は、控えめにため息をついた。
「酷いなあ、分かるだろマーカス、君も僕と同じで、退屈が嫌いだろう?うぅん、僕はねえ、それに加えてせっかちだから、あまり待つのは得意じゃ無いんだよ、何かグッドなニュースは無いかい、それか、小粋なジョーク。」
「……人生を上手く生きるには、二つのコツ要るってもんで。」
「ほお、その心は」
「『コツコツ』と、」
帽子の男は、鍔に手をかけ、深くかぶり直した。
椅子の男はなおも回っている。
「僕が悪かった、言い直そう、何かグッドなニュースは無いかねえ、それ以外は受け付けない。」
椅子の軋む音と、呼吸音だけが響く。
帽子の男は一息置くと、吐息混じりに話始めた
「日本の各所で、超常現象が観測され始めました。後のマナは、今までよりかすぐ集まるんじゃないっスかねぇえ。」
ギシ
回転椅子が止まった。
けれども、依然だらけた体勢のままである。
「…………そっちを先に言っておくれよ、なら、僕も、準備しなくちゃ。」
どっこいしょ、呟いて男は立ち上がる。
「マーカス、ESPに当たりは?」
「ついてまぁぁス。」
帽子の男はポケットからスマートフォンを取りだし、まるで指名手配のように顔と名前が表示された画面を、相手に見せた。
記された名前は
「待っててね、ベールゼブフォ。」
パワプロクンポケットシリーズが好きです。
方々にインスパイアを受けていますから、パクリとだけ言われないように気を付けます。