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1.異世界転生

不定期更新です。

書きためとか全くないです。

稚拙な文章ですがよろしくお願いします。


大学の前期のテストが終わった日の帰り道。

今日は最近でもまれにみるほどの猛暑だったが、やっとテスト勉強から解放された喜びから俺は死ぬほど浮かれていた。

ふうー、なんとか乗り切れた、これで明日からは夏休みだ。

昨晩の雨のせいか湿度も高く蒸し暑いので、普段の俺だったらイライラしてたまらなかっただろうが、今日はその程度では気分を害されることもなく、元気な太陽だなぁくらいに思っていた。

この時はまさかその後すぐに死ぬことになるとは微塵も思ってもみなかったからだ。

それは普段全く人通りのない林道でのこと。

立ち入り禁止だったが大学への近道になるためいつも利用していた。

俺の通う大学は林に囲まれている。

正門と裏門につながる道以外は整備されておらず、その中でもこの道は土と岩が重なっただけのまさに山道だった。

浮かれていた俺はそんなところで駆け出そうとした。

その後どうなるかは考えるまでもない。

一歩目を踏み込んだ瞬間に足元の岩がずるりとずれた。

何故か冷静に雨で岩が緩んでいたんだなあ、と分析しながら斜面を転がり、しばらくしてからふわっとした浮遊感が体を包む。

大した高さもないはずなのに無限にも感じるフリーフォールの感覚。

グシャっというなにかがつぶれるような音といっしょに俺は意識を失なった。


ーーーー


あなたは急に体が縮むことを経験したことはあるだろうか。

俺は今までそんな経験をしたことがないので持病とかではないと思う。

最初は巨人の国にでも連れてこられたのかと思ったが、自分の手足を見て体が明らかに縮んでいることに気づいたのだ。

そのうえ小柄なピンクの長髪の女と頭一つ分くらいそれより背の高い青い髪の男が自分を取り囲んで、聞いたことのない言語で会話している。

髪の色がピンクに青というのはいくら白人でもファンキーすぎる。

俺は寝ている間に拉致されて、あやしい薬の実験台にでもされたのだろうか。

それにしては全然物々しい雰囲気じゃないのは不思議だが。

声をあげようとしても、あーとか、うー等のうめき声をあげることしかできない。

その度に男女二人で嬉しそうにはしゃいでいる。

何がそんなに嬉しいのだろうか。

立ち上がろうとしても体が鉛の中にいるかのように重く、思うように動かない。

手足どころか周りを見渡すために首を動かすことすら難しい。

落ちた衝撃で脊髄か脳の一部を損傷でもしたのか、はたまた薬の副作用か。


ぐるぐると様々な想像が頭を巡るが全然思考がまとまらない。

それにしても恐怖体験にも程度があるだろう、いきなり外人に拉致される覚えはないぞ!

なんでこんな理不尽な目にあっているのだろうか、何がよほど悪いことでもしたのだろうか。

このままでは俺はこの二人に何かされて、酷い目に合うに違いない。

そんなことを考えていたら涙が出てきて止まらなくなった。

なんか感情の抑えが全くきかない。

うおーん、うおーん!!

誰か助けてくれ、と叫びたいのに言葉にならず獣の遠吠えみたいになった。

二人組みは急に俺が叫び始めた事に面を食らっている。

拉致するくらいだからちょっと声を上げるくらいでは意味がないかも知れないが、何もしないよりはマシだ。

うおーん!!

泣き叫んでいると俺を取り囲んでいた中の一人のピンク色のロングヘアの女性が僕の体を持ち上げて、抱き抱えた。


「xydyui@fuji!?475gj♯m」


何を言っているのかはわからないが、俺をあやすように喋りかけてきた。

やはり俺が叫び続けているのは困るらしい、外に聞こえると助けがくるからか。

単純に五月蝿いだけかもしれないが。

俺はうおーん、うおーんと泣き続ける。

この歳になってこれほど声を上げて泣くのは恥ずかしいが、涙も声ももはや自分の意思では止まらないのだ。

俺を抱き上げた女性は、涙や鼻水で服が汚れるのも気にせずに優しげな表情を浮かべて、体を揺すっている。

青い髪の男はそれを見てあたふたしている。

何分か何十分か、ずっとそうしていた。

それでも女性は俺をゆすり続け、優しげな表情でこちらを見つめている。

なんでこの人はここまでしてくれるのだろうか。

拉致してきた実験台にここまでするものだろうか。

答えの出ないままいつのまにか俺は泣き止んでいて、そのまま泣き疲れて眠ってしまった。



ーーーー


今日は生誕の日、もとい一歳の誕生日だ。

生誕の日というのは生まれたことが正式に領主に認められる日である。

どうやら俺は魔法のある世界に転生したらしいのだ。

しかも田舎の騎士家とかいう好条件だった。


転生したことに気づいたのは2日目の朝だった。

誰でも上半身裸の女性に乳房を差し出されれば、自らの縮んだ体と結びついて自分が赤ん坊になっていることに気づくことだろう。

今世の母親が美人で良かった、美人というよりは可愛い系だけど。

前世のようにお節介で小太りな近所のおばちゃんという風貌だったら食事の度に吐き気を覚えていたのは間違いない。

実際には前世でも赤ちゃんの頃はしていたんだとは思うが。

もっとも20歳そこそこで死ぬというとんでもない親不孝をした俺には前世の母の文句を言う権利は無いかもしれない。



そして転生した日の夕方、母親が俺の寝ているベビーベッドのある部屋のロウソクに手をかざし、何か呪文を唱えて火をつけたのだ。

異世界転生モノをよく読んでいた俺はそれが魔法だと確信した。

この瞬間に俺の転生への戸惑いは、魔法の世界に来れたことへの喜びにノックダウンされた。

急に狂喜乱舞し始めた俺に、前日泣き叫んで居た時より母親が困った顔をしていたのはご愛嬌だ。

そこからは赤ちゃんのうちに魔力トレーニングしたらチートになれるんじゃねとか思って色々試したがさっぱりやり方がわからず、仕方がないからひたすら会話を聞いて言語を学んでいた。

一年間で日常会話くらいは聞き取れるようになったので、まあよしとするべきだろうか。

まだ間延びした「はいー」しか言えないし、読み書きに至っては全くできないが。



ベッドの上でそんなことを考えていたらガチャリとドアが開いた。

ベビーベッドは卒業し、今は川の字で寝ている。


「レイ、起きてる?」

「はいー」

「ちゃんとお返事できてえらいねー。おしめ替えちゃおうか」


リフィアは慣れた手つきで俺のおしめを脱がせる。

一年もあればなれるものらしい。

俺も最初は女性に下半身をさらすことに抵抗があったがもう慣れてしまった。

ちなみにリフィアというのが今世での母親の名前で、レイというのは俺の愛称だ。

レイモンド・アラミスというのが俺の今世での名前らしい。

最初の日居た青い髪した男が俺の父親で、名前はアズモンド・アラミスである。


「ごはん食べにいこうねぇー」


素早くおしめを替えて手を洗って戻ってきたリフィアが俺を抱き上げた。

おしめには慣れても離乳食にはなれていないので食事は憂鬱である。

正直もう少し母乳を飲んでいたかった。

別に変な意味ではない、おそらく。


ーーーー


憂鬱な食事を済ませた後、教会に来た。

この街唯一の教会だそうだ。

厳かな雰囲気の空間にステンドグラスを通した光が差し込んで、非常に神秘的である。



教会に来たのは生誕の日のメインイベントとでもいうべきジョブ診断のためだ。

ジョブ診断とは教会の神父が聖なる力によりその人間の能力を見極めることらしい。

リフィアとアズモンドがしゃべっていたのを盗み聞きしただけの知識だが。

ジョブ診断の原理はわからないが魔法の延長だと思われる。

この世界では前世での七五三のようなイベントとして、1歳、7歳、12歳の生まれた日にジョブ診断があるそうだ。

なぜこの年齢でやるかというとそれぞれ1歳で住民登録、7歳で貴族の初等学校入学、12歳で成人という極めて実務的な理由らしいので、どちらかというと七五三というより健康診断のほうが近いかもしれない。

このジョブというのはあくまで現在の適性を見る指標のため流動的に変わり、必ずしも診断の結果通りの職につくことになるわけではないらしい。

だから心配しなくてもいいからねとリフィアが昨日めちゃくちゃ不安そうな顔で言っていた。

なんでも大抵は親の仕事を見たり、手伝いなんかをしているうちに次第に親と同じジョブに適性が高くなるそうで、よっぽど極端に適正が高くないかぎり一歳での結果は現代でいうところの血液型占い程度の価値しかないようだ。




リフィアの膝の上で診断が終わるのを待っていること数分、さっきから俺の頭に手をかざしてうんうんとうなっていた神父は目をカッと見開いた。


「うむ、診断できましたぞ」


「それで結果はどうでした?」


心配そうにリフィアは神父の顔を覗き込む。

占い程度の信憑性と言われていても母親はやはり気になるものらしい。


「この子には騎士の適正、魔法使いの適性が同程度にあるようです」


騎士の適性は父親であるアズモンド由来の、魔法使いの適性は母方の祖父のものではないだろうか。

リフィアの父親は下級貴族で、この世界の貴族は魔力が総じて高いからだ。

騎士と魔法使いが同程度か。

だったらせっかく魔法がある世界に来たのだから俺としては魔法使いに成りたいところだが、このままでは父親が騎士なのだから騎士にならざるを得ないかもしれない。

次の診断のある7歳までにどうにか魔法の適性を上げなくてはいけないようだ。

リフィアは結果を聞いて安心したようでこわばっていた膝から力が抜けた。


しかし神父は神妙な顔で言葉をつづけた。


「しかしながら・・・・・」


「しかしながら?しかしながら何ですか?」


「この子に最も適性があるのはどうやら錬金術師のようですな。しかもとびぬけて適性がある」


「錬金術師?ですか?」


「お母様が知らないのも無理はありません。これはとても珍しいジョブですからな。私もジョブ診断でこのジョブに適性を持つ子を見たのは初めてです。しかしこれほど適性があるのだからこの子にはきっとこれが天職でしょうな」


「それで錬金術師というのはどういった職業なのですか?」


「私もあまり詳しくはないのですが、なんでも薬品を組み合わせたり、不老不死を探求したりするそうです」


「何ですかそれ!そんな怪しい仕事に大事な家の子を就かせる気ですか!?」


「いえ、私はあくまで結果を言ったまででして・・・」


「でもそれが天職だって今言ったじゃないですか!」


「いえ、それは一般論として言ったまででして・・・・」


そこからはリフィアが神父に詰め寄るだけで特に有益な話は聞けなかった。

リフィアは俺のことになるとどうにも冷静さを失う傾向があるようだ。

親として当然の反応なのだろうか。

前世ではただの一歳児だったので比較できないが。


しかし錬金術師か。

魔法のあるこの世界なら本当に金の錬成や、賢者の石の作成ができるかもしれない。

しかも錬金術師はレアジョブで、とびぬけて適性があるらしい。

これは試してみるほかないだろう。



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