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第5話 頼むからツンデレになってくれぇぇぇ!

今日の夜は冬を想像させるくらいに冷えるとの予想がされていた。

空は真っ暗闇の中に小さく光る星は自分の存在感を示しているようだった。

帰り道は夜の月光に照らされほんのり明るさを持っていた。

俺の帰路は街灯も少なくかなり暗い。

正直これだけ見ると魔王の城にでも行けるんだろうかと軽く期待をしてしまうレベルだ。

そんな暗闇の中で俺は恒星にでもなった気分でテンションを上げて帰っていた。

本当に現実なのか?時間差で目覚めるとかじゃ無いよな。

俺はもう一度自分の顔面を殴った。

痛い。

そうこうしていると俺の家までたどり着いた。

俺の家は一概にも大きいとは言い難い。

遠目から見たら大きく見えるが奥行きが無いため実際の所廊下というものは存在しない位に小さい。

俺は明るい気持ちと共に元気良く玄関のドアを開けた。


「たっだいま〜」


「はっ!あんた生きてたの?死んだかと思ったわ」


俺の爽やかな挨拶とは裏腹に暴言を吐いてきたのは何を隠そう俺の妹坂神夏美(なつみ)だ。

夏美は容姿も良く運動もできるその上天才ときた。兄妹の差が激しすぎるだろ。神様〜これはいじめだよ。

でも俺は信じている。妹がツンデレだと言うことをな。

俺はツンデレな妹に爽やかに言ってやった。


「そんな暴言吐いていると彼氏が出来ないぞ!」


結論から言おう。

俺の腹ってこんなにへこむんだなー。

妹が腹に右ストレートをかましてきた。


「いた…………い」


「次に言ったら命は無いわよ」


そう言うと妹はリビングに中指を俺に向けながら入っていった。

キャー怖いよー助けてママー。あっ母親妹の味方だったわ。

俺の妹はツンデレじゃなくてツンヤンだったらしい。それメリット無くね。

俺は痛みが引いたのでリビングに入った。

母親がキッチンで料理をして父親が出来た料理を運ぶ。何て仲がよろしいんでしょうか。まあそんな訳は無いんだけどね。あーやって父親が手伝いをしている時は母親に何かをねだる時だからな。それでいつも夫婦喧嘩に発展しているもんな。

俺は喧嘩が始まる前に二階の自分の部屋に駆け込んだ。

家の配置から言うと二階には俺の部屋その隣に妹の部屋その隣に両親の部屋がある。俺は部屋を増やすために妹と同じ部屋で良いよって言ったけどダメだったんだよな。クソっ

俺の部屋は至ってシンプルな感じで部屋の端にはベッドがありドアの近くには本棚ベッドの横にはテレビがある。えっ本棚にはいやらしい本があるんじゃ無いかって・・・・・・無いに決まっているじゃ無いですか!もぉー。

俺が自分の部屋でぐうたらしていると突然ドアが開いた。


「ねぇ兄貴白夜君って次にいつ家に来るの?」


お前ノックって言葉知っていますか?


「あー次か…………知らん!」


「はあ死ね。あんたなんて白夜君を呼ぶ以外に使えないんだからこういう時くらいは働いてよね」


妹は顔に似合わず俺でも背筋が凍るような怖い形相をしていた。

つーか俺の能力『白夜コール』とか俺の存在価値皆無だろ。白夜来たら俺お払い箱じゃん。


「じゃあお前が自分から呼べばいいじゃんか」


「はあ無理に決まっているでしょ!私があんなにイケメンな人と会話が成立すると思う?」


妹が自慢気にコミュ障をカミングアウトした所で俺は言った。


「大丈夫さ。だって俺みたいなイケメンと会話出来ているだろ」


「あんた本気で言ってんの?あんたさ鏡って知ってる?」


「生憎俺は天才なのでな鏡は知ってたわ」


妹が呆れたように小さくため息をついた。

俺は少しイラッと来たので今日の事をドヤッという感じで言ってやった。


「お前さ〜俺のこと散々バカにしているけどな〜俺は今日彼女が出来たんだぞ。もっと敬え!」


すると妹が凄く驚いたような顔をしている。

まあ驚くのも仕方が無い。だって俺だもんな・・・・・・何で俺自分のことこんなに過小評価してんだ。


「兄貴とうとう人間の女性とは付き合うのは無理と思って豚と付き合い始めたの?」


「あー豚か・・・俺はどっちかというと牛派だな。じゃねぇーよ!人間の女性と付き合い始めたの!」


「は?あんた地球外生命体のくせに?」


お前と俺は列記とした兄妹何だからその理論から行くとお前も地球外生命体になるんだけどな。


「地球外生命体では無いけど結果俺には彼女が出来たと言うわけだ。妹よ寂しいか……。嫉妬か〜」


「そっそんなんじゃ無いし!」


妹はそう言うと顔を赤くして部屋から飛び出していった。ドアを閉めろドアを。

俺はてっきり制裁の一撃が入ると思っていたが何か収まったな。

まあ良かった良かった。


「・・・・・・ご飯食いに行くか…………」



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