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第13話 頼むから突然話しかけないでくれぇぇぇ!

あの窓の外に広がる澄み切った青空は、アクセントのように浮かぶ雲達の背景に徹している。

いつも背景、そんな状態が君には、嬉しいのかい?僕は、青空に問う。

俺は、いつも誰かの背景に徹している。いつになれば俺は、背景からかわれるんだろうか。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



萌乃が学校に来なくなって、一週間が過ぎた。

最初は風邪かと思い、待っては見たが戻って来る気配が見えないため、俺も不安になり、近所の人や学校の人に萌乃の家がどこか聞いて回ったが、帰ってくる答えはいつも一つ、「俺達も捜索中だぜ」。俺は、男の決め顔など見たいわけではない。お前らの決め顔を見ても、吐き気しかこねぇよ。

捜索を開始して、二日で目撃者Aさんが現れた。………なんかの事件の容疑者みたいだな。

その、Aさんが言うには、金髪の美女がこそこそしながら家に入るのを俺が最後に萌乃といた日に見かけたらしい。Aさんは、かなりお年なのに良く覚えているなと、軽くスタンディングオベーションしてしまいそうだ。


・・・


・・・


・・・


学校が終わった。

今日は、学校も俺に後押ししているのか、四時間授業だった。

俺は、学校が終わり、即教室を後にしようとしたら、白夜が話しかけてきた。 


「なんでそんなに血相を変えて急いでいるんだ?」


正直対応するのが面倒くさいが親友なので特別に許してやろう。


「最近萌乃が学校に来てないだろ。それで、不安になってお見舞いがてら家に行こうと思ってな」


すると、さっきまでイケメンスマイルをばらまきまくっていたのに突然顔の表情が変わった。


「…………やめろ……………」


小さく発した言葉は、良くは聞き取れなかったが、良くない事だと俺も感じた。

しかし、俺はしっかりと聞き取れなかったため、俺は白夜に告げた。


「スマン。そろそろ行くわ。じゃあまた明日な」


「あ…………ああ………」


白夜の返事に力が無いのが分かった。

しかし、今はそれどころでは無い。急いで萌乃に会いに行かなくては。



俺は、すごく走った。いつもの並木道をいつものようにかけていった。

片手に鯛焼きもう片手にジュースを持ちながら、走った。鯛焼き屋さんにあんなに並んでいるとはな。ちっ…てこずったぜ。



俺は、走りに走り萌乃の家の前までたどり着いた。

萌乃の家は、町から少し離れた場所にあり、歩道と車道の見分けが付かないような、道路がどこまでも続いているように先を見ても、終わりが見えないくらい続いている道に隣接している。普通の家よりかは、はるかに大きいけど、豪邸かと言われると、そうでも無い。まあ成金みたいな感じだ。表面は薄くピンクの塗装が施されており、とてもかわいい印象を受ける。家は二階建てで、横や奥行き共に長い。

まあここで、アニメや漫画の主人公なら、ご近所さんの迷惑とかを考えずに、大声で名前を外から叫ぶことだろうが俺は、違う。ご近所さんは大事だからね。

俺は、黒色のドアの横にあるチャイムを鳴らした。なんていい子なんざんしょ。

……………どこのおばさんだよ。

すると、チャイムのボタンの上にあるモニターに映し出すためのカメラ付近に付けられたスピーカーからとても暗い声が響いた。


「……………………ゴメン…………………帰って……………………」


その、七文字の言葉には、耐えきれない程の重みが感じられた。

いつも、笑顔でとてもかわいい声で人を癒してきた萌乃の声は、本当の自分を示すかのように弱々しく、何かに怯えているようだった。。


「ねぇなんでだよ!頼むから話だけでも聞かせてくれ!」


少し待ってみたが、スピーカーから返答が帰ってくる気配は無い。

俺は、また明日出直そうとドアから離れ、家に帰ろうとしたその時……


「何か用かい僕?」


五十過ぎくらいのおばさんが俺に話しかけてきた。一瞬不審者かと思っただろうが。いや、どっちかというと、俺の方が不審者か。


「あのどちら様ですか?」


「私はここの家の者だけど」


おばさんは、萌乃の家をまっすぐ指している。


「萌乃ちゃんに何か用かしら。それより、君は?」


萌乃………………ちゃん…………?


「あっ申し遅れました。僕は、萌乃さんの彼氏です。正直に釣り合っていないとか思ったら直球に言ってくれて大丈夫ですよ、慣れっこなんで………。それより、萌乃さんの呼び方が家族とは思えないくらい、他人行儀な呼び方ですね」


すると、おばさんは少し下を向いて、何かを話しはじめた。


「………彼氏なら話してもいいよね……………。萌乃ちゃんはね、中学一年の時に、家に帰ったら両親共々いなくなっていてね。一人で居るところを保護されて、今では、親戚の私の家で引き取っているの。親に捨てられてからは、中学校もその日から一度も行くことが無くなったの。それから、人の愛や人の自分に対する思いが裏切られるかもと思い、怖くなってしまったんだと思うの」


だから、俺のあの言葉を聞いて不安になったのか………。言われてみれば、家にあった名前は神童じゃ無かったな………。

俺は、気になった事を聞いた。


「今の高校には、なんで来たんですか?」


「今の高校には、萌乃ちゃんがとても小さい頃に遊んでいた、子が誘ってくれたから、萌乃ちゃんは、あの高校に行くことにしたの」


多分この時点で、俺はそれが誰なのかを知っていたのかも知れない。しかし、あえて、目をつぶり多少奮えながら聞いた。


「その子の名前は………?」


「その子の名前は確か・・・」


俺は、その言葉を聞いた途端、俺の居る場所に上昇気流でも起きたかのような、大きく強い風が空高く吹き抜けたような気がした。

時が過ぎると共に、感じるこの冷たさは何だろう?今にも、消えて無くなってしまうような寒気が俺に走った。

俺は、意識をしているのか、良く分からなかったが、風に逆らうようにして、学校向けて走り始めた。



すいません………。

多少鬱展開に持っていってしまって、本当にすいません………。

でも、次の話でこの展開に決着がつくので………。


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