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姫百合美咲
桜ヶ丘高校。
県内有数の進学校。
そして、その高校には高嶺の花的な人物がいる。
その人物の事は他校にも知れ渡り、その人を目的に入学してくる者もいた。
桜ヶ丘高校二年、生徒会副会長――姫百合美咲
その女性は人々の目を奪い去る。
パチリとした大きな目で睫毛は長く、すっとした鼻筋。白雪のような肌、薄い唇はさながら紅を引かれたように色を帯び、緩やかに弧を描く。そして、すらっとした身体に背まで伸びさらさらとした美しい黒い髪。
誰もが彼女に不用意に触れるのを躊躇ってしまい、彼女が歩く姿はまさに名前の如く、百合の花。
そんな彼女が五月の放課後、変わった男子生徒と出逢う。
この回はとても短いですが、次からはもっと長いです。