ありえない感触
眩しい。
目を閉じていても突き刺すような強い光。
っか……超頭痛い。
ガンガン割れそうな頭がゆる〜く動き始めた。
携帯……たしかこの辺に置いたような……。
「ぅわ!」思わず声をあげてしまった。
サラッとしたありえない感触に指先が触れたからだ。
「んぅ〜」
ありえない感触が小さくうごめいたと思ったら、後ろから甘えるようにあたしの体を抱き寄せた。
やっちゃった……。ヤったか? いや、ヤってないかも。
脳ミソをほじくり記憶の欠片をひとつひとつ拾いにいった。
居酒屋、バー、クラブ、カラオケ。
クラブ以降の欠片は頭のどこをつついても、すべて拾い集めることができなかった。
とりあえず、ここが自分のマンションだってことは確かだ。
抱きしめられたまま顔だけをゆっくりと動かし恐る恐る振り返るとありえない感触と思われる寝顔がそこにあった。
けっこうかわいい顔してんじゃん……。
いた!
確かにいた。
欠片が一個見つかった。
カラオケにいたわ。
名前なんだったっけ?
寝顔をじっと見つめたまま他の欠片を探しに記憶の糸をたどってみても割れそうな頭じゃこれ以上思い出せない。
それにしてもキレイな顔してる。
「おはよう」
いきなり開いた瞳に思わず目をそらし、クルッと背を向けると背中から抱きしめている腕があたしの洋服をゆっくりまくりあげ、忍び込んできた。
「ちょっとぉ、やめてよ」
起き上がろうとすると、全身の倦怠感とともにこみ上げるものが──。
ダッシュでトイレに駆け込み便座をあげてまずは朝一のお約束。いや、もう昼過ぎか。
こうして便器に向かって反省するの何回目だろう……。
自己嫌悪にさいなまれながらトイレットペーパーで口をぬぐった。
流れ終わったトイレを覗き込むと毛穴全開髪ボサボサテカリまくりの顔がいる。
どんなに飲んで帰っても風呂だけは入るのに、どうやら着替えもしないで寝たらしい。早く風呂入りたい。
それより、アイツをどうやって帰そうか。
名前もわかんないし。
「俺、バイトだから!ミッコさん帰りま〜す」
いきなり聞こえたドア越しのアイツの声に「あ、おつかれさま〜」なんてへんな返事をしてしまった。
ドアの音を確認してから即効風呂に入り倒れこむようにベッドに落ちた。
最後まで目を通していただいてありがとうございます。
とうとう連載にも手を出してしまった(;´Д`A ```
しかもありがちなパターンだったかしら?
感想などよろしくお願いします。