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ククク。ヤツは四天王の中では最弱……。  作者: 鴉野 兄貴
ククク。ヤツこそは四天王が一角。『水のウンディーネ』
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魔王軍第一軍団長。『水のウンディーネ』

「ノーム様が勇者に倒されたらしいぞ」

「マジか。もう終わりだ」

「ノーム様こそ我が軍最大の良心だった」

「もはやこれまでか」


 人の口に戸は立てられぬ。この場合魔族の口だが。

 緘口令かんこうれいを完全に無視して、兵たちは噂を流す。


「ああ。俺には女房と子供が」

「俺、童貞のまましぬのかなぁ」


 妙 に 人 間 臭 い 魔 族 ど も だ が 。


「しかし、我らにもまだ希望があるぞ」

「ノーム様の養子にして魔王軍最強と謳われるあの方なら、きっと仇を取ってくださる」


 お前等、自分でやる気はないのか。


「水軍、魔王親衛隊を擁する魔王軍第一軍団の長」

「力は岩を砕き、智謀湧くが如し」

「我ら魔王軍最強の将」


 兵士たちのつぶやきは小さく、それでいて熱く伝わっていく。わずかでもすがる希望がある限り砕けぬ。それは人も魔族も変わらない。



「たとえ勇者が相手でも『水のウンディーネ』様の前では敵ではない!」



 さて。その『最強』と呼ばれる娘は、現在自室にて恩人のノームが倒された悲しみと、次は自分と言う重責に苦悶していた。


「たっちぃ~。無理。無理。無理無理無理無理~~?!!」


 バタバタと悶絶する小柄な少女は、我々の世界の感覚ではどうみても小学生くらいの年齢に見えた。


 水軍。魔王親衛隊など精鋭を抱える魔王軍第一軍団が長、『水のウンディーネ』。

 魔王を滅ぼすために人間が呼び出した『勇者』であり、召喚位置失敗により事もあろうに魔王城に出現。後に懐柔を受け、魔王軍最強の将軍にまで上り詰める。


 実力と名声に反して謎に包まれたその正体とは。

 1960年代に井戸から落下してこの世界にやってきた、日本の女学生。


 要するに。

 由紀子である。

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